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一方その頃。


 

春陽は自室でスマホを見つめていた。


『待ってるね』


その文字が画面に表示されている。

何度も返信を書いては消した。

会いたかった。

ずっと。

だけど会えば会うほど、その気持ちは大きくなる。

だから距離を取ろうとしたのに。


「無理だろ……」


小さく呟いてベッドに倒れ込む。

文化祭まで、あと二週間だった。


キラは放課後、毎日文化祭に向けて練習をしていたのはグランドからキラの歌っている声が聞こえてきたから、それを聞くと力がみなぎって練習に力が入るのは誰にも言わなかった。


 【春陽】


 クラスの女子が噂をしていたのを聞いたことがあった。


「キラさんって歌上手だよね〜、軽音部に入ったんでしょ?」


「今からサインもらっとこうかなー」


「それより彼氏とかいるのかな」


「アメリカとかにいそうっ」


「あぁ、確かにっ!」


「でもさ、春陽くんとお似合いだよね」


「……まぁ、確かに」


一人の声色が変わったのが分かった。


「でもでも! 春陽くんはみんなのものだしっ!」


「それはそう!」


なんてアホな会話を聞いてしまったのか後悔しても遅かった。

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