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【春陽】
キラが転校してきた日の夜
会いたかった。
ずっと会いたかった。
でも、目の前に現れたキラは昔よりずっと綺麗になっていた。
キラは歌で輝いているのを知っていた。
メッセージや電話のやり取りで音楽を始めたのを聞いていたし歌をスマホ越しに何度も聞かせてくれていたから。
きっとキラはプロの歌手になれる。
俺は何者でもない。
もし俺がプロになると言う夢を叶えられなかったら。
途中で潰れたら。
そんな俺がキラの隣にいていいのかわからなかった。
毎日のようにキラは隣に座って、俺に話しかける。
毎日勉強をして毎日一緒にいる。
キラのそばに居たかったキラがそばにいると俺はいつもの俺じゃないようでそれが怖かったのかもしれない。
キラとずっと一緒にいたかったという夢とプロになりたいという夢が俺を押し潰しているように感じた。




