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【春陽】
キラと別れても試合はあった。
「お前大丈夫か?」
監督が何かを察したのか声をかけて来た。
「……なんでもないっす」
「しっかりしてくれよ、エース」
「はい」
別れて数日、数ヶ月、数年。
俺は欠かさずキラのライブを見続けていた、自分で別れを告げたのに、画面越しのキラはキラキラと輝いていてもう手が届かないところにキラはいた。
「ハル、何聞いてるんだ?」
音楽を聴いていた俺にチームメイトが聞いてくる
「あぁ、これは」
今聞いていたのはキラが作った曲『白夜』
キラは昔からインスピレーションで曲を作れる天才肌だったけどこれを作るのには苦労したと前にインタビューで見て、知っていた。
「これは、日本のバンドの曲なんだ」
「へぇ、聞かせてくれよ」
「いいけど、日本語だぞ」
「それでも聞きたいんだよ」
「それならいいけど」
ヘッドホンをチームメイトに渡す。
数秒チームメイトがその曲を聞いた直後、ヘッドホンを外しながら「なんだこの曲は!?」
と、騒ぎ出した。
「俺は日本語はわからない、でも、この曲の切なさ、何が言いたいのかは分かった!」
「ハル、お前……」
「失恋したんだろ!」
「は?」
当たってるかと言えば当たっていたがこんなにも当てられるとは思いもしなかった。
「何も言い返さないってことはそうなんだなぁ〜」
チームメイトはニヤニヤする。
「あぁ、そうだよ、俺は失恋したんだよ」
俺は正直に言った。
チームメイトは少し驚きながらも「そうか、お前でも失恋するんだな」
「どう言う意味だよ」
「お前モテるだろ」
「……」
「否定しないのかよ」
「仮にモテても1番好きな人に振り向いてもらえなきゃ意味ないんだよ」
「その子のこと諦めてないのか?」
「……あぁ、諦めてないよ」
俺は率直に言った。
「なら、ここにいていいのか?」
チームメイトは何を言い出すかと思えば
「お前は俺に今すぐその子に会いに行けって言うのかよ、全てのキャリアを捨てて」
「あぁ、そうだよ、俺ならそうするね」
「……俺はそれができなかったからここにいる、俺はサッカーを選んだんだ」
「……俺はさ時々思うんだよ、どちらかを選ばなきゃいけないのかって、俺たちは常にそういう場面にさらさられるだろ? でも、俺たちだって人間だどっちも選んでもいいはずだ」
チームメイトはそれだけをいうとどこかに行った。
「どちらも選ぶか、か……」




