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【四季】
俺にはそれを言うことだけで精一杯だった。
ハルと別れてから徐々に痩せていくキラに俺は食事を運ぶことしかできなかった、泣いているキラを抱きしめてやることも出来ない俺はなんて無力なんだろう。
キラが好きだった。
でもキラが春陽を見る目で俺の入る隙がないことは分かっていたから。
2人が別れたと知ったのは碧からのメッセージだった。
『私は妹だから行きたいけど今行くのはやめておく』
『だから、四季お願い』
次の日、キラの自宅に行くと部屋は泥棒が入ったんじゃないかと思うほど散らかっていた。
「キラ……?」
キラの姿が見当たらなかった。
もしやと思い、全身が硬直した。
カタカタと奥の部屋から物音がするのが聞こえた。
「キラ?」
扉を開けるとパソコンの前で曲を作っているキラの姿がそこにはあった。
「キラ、大丈夫か?」
「……」
キラは何も言わなかった。
「一応、おにぎりとか買ってきたから食べれたら食べろよ」
「……」
「じゃあ、俺は行くな
部屋、片付けろよ」
「四季くん?」
「……うん?」
キラは振り向きはしなかった、ただ声だけはひどく枯れたようでどれほど泣いたのかは想像できた。
「なんで、こんなに辛いのに曲は溢れてくるんだろうね」
「……なんでだろうな」
俺はなんて無力なんだろう、この時以上にそれを思った日はなかった。




