イエロークリスタルスライム
取りあえず長くなるのでわけます。
「まずはココに居る魔物がどういう奴らなのかを説明しようか。」
それは助かるな。
「まずは、状態異常を与える魔物が非常に多い。毒、麻痺、混乱、睡眠なんてメジャーなモノから、悪夢、酔い、幻覚なんてモノまでなんでもござれだ。」
「で、ほかには?」
「他には、動きがトリッキーな魔物、擬態している魔物、トラップを仕掛けまくる魔物なんていうのもゴロゴロ居る。だから、レベルに見合わない程厄介な連中なんだ。」
なるほど、確かにこの手のモノだとゴブリンやスライムといった魔物が定番だが、おそらく奴らとは違い搦め手を多用してくる、というか搦め手しか使ってこない連中ばかりと言うわけか。
「じゃあ、適当に歩き回っていろ。危なくなったら助けてやるから。」
「了解。」
そして、俺の後ろを五歩程離れた場所を歩くダインをチラッと見てから歩きだそうとしたとき、足下の黄色い水晶が突然飛んで来た。
「なっ!あぶねえ!」
間一髪避けたソレは、グニャグニャと姿を変える。
ーーイエロークリスタルスライムが現れましたーー
どうやら、ソレはスライムの仲間のようだった。
普通のスライムのように軟らかいプルプルとした体から黄色い水晶が何本か飛び出し、その根本は核と繋がっている。
そしてイエロークリスタルスライムはパチパチと水晶部分から電気のようなナニカをだすと、コチラに飛びかかってくる。
といってもスピードはそこまででも無いのでスライムの動きに合わせて避けたーーーつもりだった。
「なっ!」
スライムから出ていた黄色の電気ではない、青い電気を出してきて、ソレがまとわりつく。
特に害は無かったが、コレがなんなのかが分からない以上、迂闊な行動は出来なくなった。
ジリジリと間合いをつめ、攻撃を繰り出そうとしたとき、今さっきとは比べモノにならないほどのスピードで、眼前に迫るスライム。避けきれずに、その直撃を食らってしまう。
「っ!何なんだよ今のは!」
攻撃を食らうことで起きる痛みは無いが、攻撃が当たったことを認識出来るようにするための独特のチクチクとした軽い痛みを感じつつ起き上がる。
「あれは一体なんだ?」
今さっきとの違いは何だ?
スライムが速く行動できるとは流石に思えない。
ならば何かあるはずだ。
‥‥‥‥‥‥‥最初に飛ばしてきた青い電気。コレが関係あるのか?そう思い未だに青い電気をまとう自分の体を見つめる。と、その青い電気が一瞬スライムの方に引き寄せられた。咄嗟に大きく横に跳ぶと、今まで自分の居たところを今さっきよりはるかにはやい速度で飛びさる。
しかし、コレであの攻撃の正体には目星がついた。
俺はスライムを見つめると、スライムに向けて猛ダッシュする。
スライムは俺に向かってまた今さっきの突撃をするしかない。
なぜなら、奴は今俺に対してしか速く動けない。
恐らくだが、今さっきの青い電気と、イエロークリスタルスライムの何らかの部分は磁石のN極とS極のようなモノなのだと思う。
しかも超強力な。そして、その青い電気に引っ張られるようにして俺の前にいきなり現れたかのようなスピードで動いたのだろう。
しかし、コレには二つ弱点がある、と思う。多分。
まず、イエロークリスタルスライム自体が軽いこと。
コレでは、せっかくの速さも、大した威力にはならず、相手を倒しきるのに時間がかかる。
そしてもう一つ、今回俺が利用したのはこれだ。
イエロークリスタルスライムは、青い電気を当てたモノにしか速く動けない。つまり、あらかじめイエロークリスタルスライムの場所を見ていればある程度対処可能だいうことだ。
そして俺はイエロークリスタルスライムと距離を思いきり詰めている。そして、奴は俺に対して直線的に進むしか無い。
青い電気が一瞬引っ張られた時、俺は足を思い切り振り上げた。
ドゴッと音がして、スライムが空中を飛ぶ。
そして、そのまま落下ダメージで倒した。
スライムから取れた水晶と核は、そこそこ値段で売れるそうだ。
結構強かった。重かったらやられていたかも知れない。




