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学園の戦闘ジムにいた。
景色は老女の道場とはまったく異なっていた。この場所はもっと手入れが行き届いていて、天井からは照明が吊り下がっている。かろうじて明かりを灯すろうそくだけではなかった。
他にも際立つものはあったが、本当に照明が一番ありがたかった。曇りの日や雨の日、自然光がかろうじてあの古い家を照らすだけで、暗闇の中で訓練しなければならなかった日々を何度思い出したことか。
今、俺はユキと一緒にここにいる。彼女は体の線がくっきりとわかるくらいタイトなスポーツウェアを着ている。対する俺は袴だ。
比べると少し滑稽だった。だが、俺は必要があってそうしている。彼女はおそらく、ただ単に楽だと思って着ているだけだろう。
——「この場所、本当に広いね」
ユキが言った。
ああ、それもある。かなり広くて、練習用の区画が九つもあった。一つだけでもバスケットコートが入るくらいの広さだ。
ゲームでは、ダンジョンに行く前にダメージ検証や変な装備のテストをする場所だった。
——「ただの簡単なスパーリングだよね?」
うなずく。それだけで彼女はアリーナの反対側に移動した。
彼女は木刀を持ち、俺は木製の薙刀を持っている。
——「いつでも始めていいよ」
防御の構えを取りながら言った。
彼女も構えを取る。両手でしっかりと剣の柄を握る。その姿勢は大したものではなかった。ただ、独学で覚えた者の構えだ。
そして、彼女が動いた。0.5秒足らずで、彼女は俺の目の前にいた。近距離での彼女の速度は、麗奈と戦っている時よりもさらに印象的だった。
彼女の動きは確かに単純で、わかりやすかった。体の全ての部分が突きを放つと示していた。
そして、その通りになった。前方への突きを俺はかわすが、彼女の回復が速すぎる。右から、反応するのがやっとの速度で剣が動いた。
防ぐしかなかった。武器に魔素を込めてブロックする。それで少し後退したが、それでも木が軋む音が聞こえ、手に痛みが広がり始めた。
だが、彼女の攻撃はそれで終わらなかった。再び攻勢に出て、次の攻撃を準備していた。
振り下ろしだ。
だが、これはかわすのが簡単だった。少し横に動くだけで、彼女が込めた力の大きさのせいで軌道を変えられなかった。
その一撃が地面に当たった時には、すでに俺の武器の先端が彼女の首筋を捉えていた。
だが、彼女の武器は地面に当たった衝撃で真っ二つに折れた。
——「どうやらあなたの勝ちだね」
彼女は笑顔で言い、折れた武器を見た。
——「ああ、木の武器はすぐに壊れちゃうんだよね……また取ってくる」
何でもないように、彼女は去っていった。
練習用の装備だ。当たれば痛いが、致命傷にはならない。……そう言いたいところだが、彼女の打撃は人を殺すためにあるかのようだ。
彼女は自分の力の加減を知らないようだ。
一撃を防いだだけで、手はもう痺れていた。魔素を使っていたにもかかわらずだ。
彼女はすぐに別の木刀を持って戻ってきた。無頓着な態度に、彼女が自分が他人にとってどれほど危険な存在か本当に理解しているのか疑わしくなった。
——「ユキ」
彼女が振り返る。
——「いつもあんなに魔素を込めて攻撃してるの?」
——「さっきのこと? 実は、量を調整するのが上手くできなくて」
それは明らかだった。彼女が全て独学で覚えたことは分かっていたが、少しでも制御を教えておかなければ、大事なイベントが起こる前に彼女の不注意で死ぬことになりかねない。
——「スパーリングは一旦やめておこう」
彼女は驚いたようだった。
——「どうしたの?」
——「まずは魔素の制御を教えたほうがいい」
残りの時間、彼女には座禅を組ませた。彼女の魔素量はプレイアブルキャラクターの中で三番目に多い。だから、魔素を無駄遣いしても問題にはならない。
彼女のパッシブスキルの一つが『より多くの魔素を消費してより多くのダメージを与える』だった理由が少し分かった。彼女のスタイルは、制限のない力任せだったのだ。
全ての時間が終わり、もう帰る時間になった。
——「一緒に訓練してくれてありがとう」
——「気にしないで。ただの練習相手だよ」
彼女は荷物を取り、帰る準備をした。海色の髪は、運動で少し乱れていた。
——「シャワーを浴びてくるね。一緒に来る?」
——「いや、もう少しここにいる」
彼女は不思議そうに俺を見た。
去り際に、彼女がささやくのが聞こえた。
——「もしかして、恥ずかしがり屋なのかな」
ただの恥ずかしがり屋だったらいいんだが。
……
道場を出た時には、もう日が暮れかけていた。学園の灯りが一つずつ点き始めている。それでもまだ人がいた。最後の日の光を利用して訓練したり、交流したりする生徒たちだ。
だが、奇妙だったのは、スーツを着た金髪を団子に結んだ女性が、俺の方に向かって歩いてきたことだ。硬い姿勢で、俺の前で立ち止まった。
——「黒金零さんですか?」
中立的で専門的な声で尋ねた。
——「そうです」
彼女は一通の手紙を渡した。女性を見ると、まだそこに立っていた。まるで読むのを待っているかのように。
開封する。山田校長からの手紙のようだ。そう、山田からのものだ。
読んでみると、校長室への『招待』だった。強制的な。
まずは部屋に戻って着替えた。制服に着替え、スーツの女性に案内されて校長室へ向かった。
——「ここです」
彫刻が施された重厚な両開きの木製のドアの前に立っていた。その意図を読み解こうとは思わなかった。
——「失礼します」
彼女はお辞儀をして去っていった。
——「一人で入ればいいのか?」
——「山田様は、お二人きりでのお話をご希望です」
二人きり? 校長が俺に何の用だ? 何か悪いことをしたのか? それとも五年前のダンジョンのことか?
短い話で終わることを願った。あるいは、『ああ、すみません、私の使用人が人違いをしまして』と言われることを。
中に入る。
山田校長は机に座っていた。何やら脅威的な雰囲気だ。
——「黒金、来たね」
彼女は手で合図をした。近づけということだ。
歩きながらオフィス全体を見渡すと、その有様がわかった。混沌としている。
本棚には無秩序に本が詰め込まれ、あちこちに結晶が置かれ、書類が散乱している。
この場所は本当に散らかっていた。前世の自分の部屋を思い出させた。
——「学園での生活はどうだい?」
——「ストレスフルです」
彼女は俺の答えに驚いたようだった。
——「なんて率直な返しだ。ほとんどの生徒は、たとえ限界ギリギリでも『大丈夫です』って言うもんだよ」
——「大丈夫と言うこともできますが、それは完全な嘘になります」
彼女は微笑んだ。
——「君はとても率直だね」
何も答えなかった。
——「どうやら一年で最も有望な二人の生徒と友達になったようだね」
まあ、それを友情と呼ぶなら、そうかもしれない。
——「藤原は理解できるが、結城葵とはほとんど知り合ったばかりだ」
正直、俺もその理由を知りたかった。
——「率直に言ってくれませんか?」
会話が長引いていた。本当に今は雑談をしたい気分ではなかった。
彼女はため息をついた。どうやら俺の返答が彼女を楽しませたようだ。
——「私を敵だと思わないでほしい。私は全ての生徒の味方だ。女性であろうと……男性であろうと」
後退した。
その最後の一言は、会話の最中に隕石が落ちてきたかのようだった。
心臓が一瞬止まり、そして激しく鼓動し始めた。
彼女は俺の秘密を知っている。
——「どうやって知ったんですか?」
——「簡単なことさ。君の魔素の量は普通じゃない。世界のほとんどの女性は気づかないだろう。私でも気づくのに時間がかかった」
やはり魔素か。変装は完璧だったが、魔素は隠せないものだった。
——「何が望みですか?」
——「何も。ただ、学園に味方が増えたことを知らせたかっただけだ」
そんなことを信じるわけにはいかない。
——「ただ、好奇心を満たしたいだけだ」
眉をひそめる。
——「好奇心?」
——「そうだ。百五十年前、魔素がこの世界に現れてから、男性は希少になった。戦える男性を見たことがない」
彼女は肘を机に付けて、身を乗り出した。
——「それだけで味方になりたいと?」
——「君は男でありながら藤原に勝った。どこまで行けるか見てみたい。好奇心だと思ってくれ」
これは非常に悪い知らせだ……あるいは、非常に良い知らせかもしれない。
状況を深く分析する必要があった。
一方で、秘密を知っていながらそれを利用しない味方がいる。もう一方で、その味方は俺を実験体として見ている。
——「これを」
彼女は机の引き出しから何かを探し、取り出して俺に手渡した。
それを見ると、ただの古くて錆びた鍵だった。
——「これは何ですか?」
——「大したものじゃない。もう下がっていいよ」
それだけか? 俺が男だと言っておいて、ただ『下がれ』だと?
しかし、よく考えれば、彼女は発見した時点で簡単に密告できたはずだ。彼女を刺激するようなことは言わないほうがいい。
少し苛立ちながら退室した。その一言で、頭はその会話だけで疲れ果てていた。
金髪のスーツの女性が廊下の奥から俺を見ていた。オフィスから出てくるのを見てお辞儀をした。
次に会ったら名前を聞いてみよう。だが今は、ただ部屋に戻って寝たかった。




