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そうして年月は流れ、気づけばこの世界で十五歳になっていた。もうすぐ中等科を卒業する。
中等科での日々は、まあ普通だった。良くも悪くもなく。ただ、この一年で見た幸せそうなカップルの数は、前世の人生で見たフィクション作品の総数を軽く超えていた。
今日もまた、何の変哲もない一日だった。
学校のトイレで、鏡に向かって自分の姿を確認する。
幸運なことに、俺は非常に中性的な顔立ちをしていた。女子校の制服を着ていても、男だと気づかれることはまずない。ただし、筋肉が目立たないように、ワンサイズ大きめの制服を着用しているが。
前世の俺が今の自分を見たら、『変態』とか言い出すかもしれない。
だが、今はそんなことはどうでもいい。
明日はいよいよ卒業式だ。その後は、士官学校へ進むことになる。
単に行かずに、運任せでハッピーエンドが訪れるのを待つこともできた。だが、異次元からのモンスター軍団に世界が蹂躙されるよりは、老衰で死にたい。
トイレを出ると、別の女生徒が入ってきた。
彼女の視線が自分に固定されているのを感じた。珍しいことではない。中等科に入った頃からずっとだ。おそらく、女子の平均身長より高いからだろう。
まあ、どうでもいい。
翌日、卒業式だった。正直、退屈だった。同じクラスの連中とほとんど話すこともなかったので、感動的な瞬間も何もない。
だが、他の連中の反応は見えた。泣きながら抱き合う者、再会を約束する者、木の下で告白する者、そして皆の前でキスする者——多すぎるくらいだ。キスがなければ、前世の卒業式と変わらなかっただろう。
合格通知は数日後に届いた。署名はあの校長自身だった。
老女にそのことを伝えても、特に気にしている様子はなかった。
彼女はただ俺を見つめ、ため息をついた。
そして、俺の頭の上に手を置いた。
——「こんなこと教えたのは、お前がどこぞのダンジョンで死ぬためじゃないんだぞ、嬢ちゃん。手に負えないものを見たら、逃げろ」
そして、微笑んだ。
——「訓練は続けろよ。士官学校で怠け者になってたら、ぶっ飛ばすからな」
飛行機で単身、士官学校のある都市まで行きたかった。だが、母がどうしても一緒に行くと言って聞かなかった。
移動中、母は話し続けた。
——「本当に行くの?」
母が三度目の質問をした。
——「はい、母様」
——「もっと近くの高等科に行くこともできるわよ。国内でもトップクラスの学校に、知り合いがいるんだから」
——「どの学校も、首都の士官学校には敵いません」
母は眉をひそめた。
——「喧嘩とかには巻き込まれないわよね?」
——「約束はできません」
その返事は、母を安心させなかったようだ。
彼女は俺よりも士官学校のことでストレスを感じているようだった。こっちは、何か間違えれば世界が終わるかもしれないというのに。
移動中は、記憶にあるイベントを頭の中で反芻していた。どれが重要か、何をしなければならないか。そしてついに、飛行機は士官学校のある都市——首都に着陸した。
京華。士官学校は単に『首都士官学校』と呼ばれている。
街はどこを見ても高層ビルで埋め尽くされていた。
母がタクシーを呼ぶ。
士官学校区画に向かう道中、ずっと窓の外を眺めていた。
街はゲームのままだ。伝統的な要素も、近代的な要素も、魔法的な要素も、どこを見ても溶け合っていた。
そしてその中で、街中に一人の男もいない。
ここは女だけの世界だ。そして、俺は変装した侵入者だ。
そしてついに、士官学校の正門に到着した。
その外観は、一部は未来的で、一部は中世のままだった。どこもかしこも女生徒で溢れている。まさに記憶のままだった。
荷物を持って車を降りる。
——「残りの荷物は、始業式までに郵送されるはずよ」
母が隣に立ち、突然俺を抱きしめた。
——「気をつけるのよ、零。秘密はしっかり守りなさい。そして……何かあったら、すぐに電話しなさい。いつでも。何時でも」
うなずいた。
——「分かりました、母様」
彼女はもう一度だけ抱きしめ、振り返らずにタクシーに乗り込んだ。
その背中を見送る。
なんて美しいシーンだ。涙が出そうだった。
さて、今は……自分の部屋がどこにあるか探さなければ。
……
学園内の多くの塔のうちの一つ。遠くの正門を見下ろす誰かがいた。
その短い身長に不釣り合いな、馬鹿みたいに大きな帽子。山田校長だった。
——「ようやく来たか……五年経っても、ほとんど変わってないな」
彼女は、新入生の群れの中にいる零を見て微笑んだ。
——「失望させないでくれよ」
……
何時間も経った。誇張抜きで何時間も、この学園内で迷い続けた。最初はゲームのマップを思い出しながら進めると思っていた。
だが、ゲームのマップはあくまでイメージだったようだ。結局、一人の教師に案内されて、ようやく寮にたどり着いた。
苦労したが、ついに自分の部屋の前に立っている。
ドアを開け、まずは荷物をどこかに投げ捨て、ベッドに倒れ込んだ。
また起き上がり、部屋をもう一度見渡す。
ベッド、クローゼット、机。
学生に必要なものだけだ。
——「ここが、この学園での俺の部屋か」
こんなに狭い部屋は、むしろ懐かしかった。前世のアパートもだいたいこのくらいの広さだった。
着替えを済ませ、もう寝る時間だ。
明日の始業式、最初の重要なイベントが起こる。
……
翌朝早く、制服に着替えて部屋を出た。
学園内を歩く女生徒たちが見える。
たまには景色を楽しむのも悪くない。十五年もの長い年月を経て、ようやくこの場所に立てたのだから。
時間割と教室の案内はスマホに送られてきていた。マップも付いている。
今度は迷子になることはないだろう。
確か、最初は校長の新入生向けのスピーチがあったはずだ。場所は講堂。
人の流れに従えば、難しくはなかった。
講堂の中は広大で、人の数も負けず劣らずだった。ざっと三百人ほど。全員が新入生だ。
適当な席に座った。
周りを見渡す。確か一年生には三人の重要キャラクターがいるはずだ。探してみるが、難しい。髪の色と髪型くらいしか覚えていない。
だが、そんなことはどうでもよくなった。校長が到着し、彼女の外見に対する囁きが始まったからだ。
前回会った時は半ば意識を失っていた。だから、こうしてはっきり見るのは初めてだ。
灰色の髪、魔女の服装、そして小さな体躯に不似合いな大きな帽子。それが彼女の若々しさを一層際立たせていた。
原作ゲームではほとんどセリフのないNPCだった。だが、彼女の始業式のスピーチだけは覚えている。チュートリアルの直後にセーブするのを忘れて、三回も見直したからだ。
彼女の外見も少し覚えている。
まさに絵に描いたようなロリババア。ゲームのコミュニティではいつもその帽子をネタにされていた。
彼女の両脇には数人の教師と、一人の三年生が立っていた。
五年前に彼女がなぜあのダンジョンにいたのかは分からないが、今さらどうでもいいだろう。
スピーチが始まった。学園の名誉、ここにいる者はこの国最高の戦士になる運命にある、などなど。そんなような内容だ。一度聞けば十分だ。
一瞬、彼女を直視した。その時、彼女も俺を見たような気がした——いや、気のせいだ。何せ俺は、そんなに長い年月が経てば忘れられてもおかしくないような、取るに足らない存在なのだから。
スピーチが終わった。
——「戦闘評価のため、アリーナへ行くことを忘れずに」
それが校長の最後の言葉だった。
ここからが、ゲームの戦闘チュートリアルの始まりだ。
それまでに、主人公を見つけられるといいのだが。
……
ここだ。
アリーナ。
思っていた通りの簡素な場所だった。
観客席と、生徒たちが戦うためのプラットフォームがあるだけだ。
——「よく聞け」
ここに戦闘教官が立っていた。
赤みがかった髪に浅黒い肌の、厳つい女性がアリーナの中央に立っている。
——「対戦相手はランダムで決まる。一戦一勝負。魔法の使用は禁止だ」
最後のルールは、これが前衛向けのトーナメントだからだ。魔術師向けのものは別にある。
確か、三試合目が主人公と最初の攻略対象の戦いだったはずだ。
一試合目が終わり、二試合目が終わった。
そしてついに、彼女が見えた。
群青色の髪の少女。左手に練習用の剣を持ち、プラットフォームに上がる。
——結城葵。
その瞳は落ち着いていて、性格もそのままだ。
画面越しに見るのと、実物を見るのでは、全く感覚が違う。思わず興奮してしまった。
——藤原麗奈。
プラットフォームの反対側に立つ。手にはレイピア。
茶色い髪の少女。その立ち姿と眼差しは、高貴さを醸し出していた。
記憶が蘇る。彼女はチュートリアルで倒す典型的なツンデレとして登場する。倒した後になだめると、初日から親密度を上げることができる。
舞台をまっすぐに見つめ、チュートリアル戦をライブで見ようとした。
——「始め」
戦闘教官の合図。
別に心配はしていない。この戦いは、負けるはずが——
——「え?」
その時、あり得ないものが見えた。
二人のうちの一人が地面に倒れ、もう一人の剣の刃が首筋に突き付けられている。
——「勝者、藤原麗奈」
——「……主人公が負けた?」




