次なる旅路へ
第6話です。
プレイヤーを意識不明に陥れる最悪の化け物。
そして、その化け物によって意識不明となった僕の友達。
僕らはその友達を救うため、その化け物に……死神に挑んだ。
そして、僕らはその死神を打倒した。
だが……友達は依然として、意識不明のままだ。
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死神を倒した日から三日経った。
僕は一つの目的を達し、壮絶な日々の疲れからこの三日間は、心世界オンラインから離れていた。
ただ、離れていた理由は疲れだけではない。
目的を達成したことが、まるで結果に繋がっていなかったことへのショックも一つの原因だった。
あの死神を倒しても、意識不明者は帰ってこなかった。
そう、僕はまた振り出しに戻ってしまったのだ。あいつを倒せば戻ってくるものと決めつけていただけだった。
友達は戻ってこない。そしてこうなった以上、戻す理由もわからない。
いったい何を倒せばいいのか。死神以外の心怪を全て倒せばよいのか。
否、心怪を倒すことは全く関係ないのか。憶測だけが並ぶだけで、解決に至っていないのが現状だ。
こんなことになってしまった以上、僕はいったい何をすればいいというのだろうか。
「……三日か」
僕はデスクに目を向けると、気力無くそう呟く。
このまま毎日を過ごしているだけでは見つかるわけがない。無論、何も変わらないのだ。
また、あの世界に行くしかない。行って、少しずつ事件のピースを繋ぎ合わせるしかない。
「まずはアイスと合流して、ゴレムさんの所にでも行ってみるか」
そういえば、討伐した報告をまだしていない。
ゴレムさんもシャーデンフロイデ所持者、心怪関係の事なら多少なりとも知っているはずだ。
報告と同時に、これからのことについてアドバイスを貰おう。
そして、アイスともこれからをどうしていくか、ちゃんと話合わなくちゃいけない。
僕は自身のドリームゲートをコンパソに繋ぎ、アプリケーションを起動する。
新世界オンラインにログインをし、スタート画面へ。
そしてスタートを押し、現在の拠点であるナチュリアの大広場の中央へ転送される。
目の先に立体的に感じられるのは、ナチュリアの自然豊かな街並みだ。
この世界はまるで目の前に実際に、それらがあるように感じられる。最新技術による仮想空間。
時代の進化はこうして、ファンタジーの世界をこの目で、脳で感じられる時代に到達した。
それはゆっくり確実ではなく、急激なる技術の成長。
携帯電話など正式に発表されてから三年で話題から消え去った。
二十世紀から二十一世紀に移り変わると同時に、急成長した僕らの世界。
いったい世界の裏で何が起こったのか、そしてそれが何を意味するのか。僕のような一般人には知る由もない。
「って、そんなことに感動するのももう何度目なんだろう」
ゲームの素晴らしさをこうログインするたびに語っていてはらちが明かない。
僕はすぐにアイスに連絡を取る。今忙しくないかな、大丈夫かな……。
無理にこれなさそうなら僕一人でゴレムさんのところへ行くだけだ。と、三分後に返信が来た。早いな……。
内容は、後十分くらいで行くからそこで動かず待っていなさい……とのこと。相変わらず上から目線だな。
「おまたせ、久しぶりだねハイドくん」
十分後、アイスは時間通りにやってきた。
僕がいなかった間も、彼女はこのゲームをやり続けていたらしい。
結構ログインしてる時間が長いけど、わりとゲーマーなのかなこの人は。
「久しぶり。元気だった?」
「あなたよりはね。友達の件……残念だったね」
アイスには昨日あたり、意識不明者が治らない事態を事前に伝えてある。
アイス自身もその結果については知らなかったらしい。
「本当に、意識不明者達を治す方法なんてあるのかな?」
ゴレムさんのところへ向かう最中、ぼそりと僕はそう質問をする。
「実際意識を取り戻したという前例があったとして、それが国によって情報がもみ消されていたら……私達に知る由はないね」
「仮にそうだとして、どうしてそこまでする必要が……」
アイスが言っている事はあくまでも陰謀論だ。
それらは僕ら一般人による推測でしかない。だがこうやって不満を抱いているプレイヤーは、僕らの何倍も多く存在しているだろう。
新世界オンラインにおける掲示板、BBSでも頻繁にそういう話題が都市伝説のように語られている。
だが所々レスが消されていたりするのを見る限り、中には核心に迫る書き込みもあったかもしれない。
「とりあえずゴレムのところに行って、これからの方針を決める。できることから始めないと」
「アイスは、こんなときでも落ち着いてるんだね」
「……私が他人事のように楽しんでいる。とでも言いたいの?」
少し棘のあるようにそう返すアイス。
別にそういうつもりで言ったわけじゃない。アイスの覚悟は僕だって知っている。
それに、アイスが持っている力に溺れて、遊び半分で危険ごとに首を突っ込んでいるような人だなんて、僕自身も思いたくはない。
だから、僕はその返しあえて何も答えないことにした。口に出して否定するまでもない。
「……ま、私だって完璧な聖者ではないから、そういう部分が少なからずあるかもしれないね」
「アイス……」
「確かに私はあなたみたいに、心怪によって失った大切な人はいない。私のやっていることはあくまでボランティア。正義感を振りかざしているだけの無法者と思われても仕方ないっちゃ仕方ない」
「ち、違うよ。アイスはけして……そんな人じゃない」
つい、否定を口に出してしまった。
僕が彼女を信じたいという気持ちの表れか、沈黙し続けることを我慢できなかった。
「ありがとうハイドくん。でも、あなたの視点で勝手に他人を評価しないで、私だって心に悪はある。正義の味方を押しつけられるのはたまったもんじゃないのよ」
「……どうして、そんなこと言うの?」
まるで僕は小さな子供のようにそう尋ねる。
ただ純粋なその質問に、アイスは困ったように唇をにごませて、黙ってしまった。
子供が大人を困らせるような会話、結局ゴレムさんのところへ付く間に、それ以上の会話は無かった。
事前に連絡していたこともあり、ゴレムさんの鍛冶屋は人が少なかった。
鍛冶屋の運営に加え自身のギルドの活動もあるのに、本当に忙しい中時間を取らせてしまった。
鍛冶屋に入ると、ゴレムさんはそんな文句など一切言わず、快く僕らを受け入れてくれた。
「ひさしぶりだな。死神を倒したんだって?本当によくやったな!!」
そう言ってがははと笑うゴレムさん。
まぁ倒したのはほとんどアイスなんだけど、てか僕役に経ってたっけ?
あの時は塔宮と鈴音のことを考える一心で、死神を倒すどころじゃなかったし。
「でも、友達の意識は戻りませんでした……」
「そうか、でも何かしら方法はあるはずだ。めげるなよ」
そうゴレムさんは僕を励ます。
そうだ、何かしらの方法はある。じゃないと困る。
こんなプレイヤーを意識不明にしたまま戻すこともしない、そんな無責任なことはあってはならない。
国が何もしないのなら僕らプレイヤーが事を起こせばいい。それだけの話なんだから。
「してハイド、おめぇさん今回の死神のコアをアイスに渡されたって聞いたが……」
「あ、それなんですけど……」
死神を倒した後、僕は心怪のコアをアイスにもらった。
それを使えば、僕もシャーデンフロイデを手に入れることができる。僕にもやつらと戦う力を、資格を手にすることができる。
けど、僕は悩んでいる。そしてアイスも無理強いはしていない。
力を手に入れるということは戻れなくなるということ。大いなる覚悟を求められる。
しかし、これからもアイスに頼りっぱなしでいいのか。無論、よくはない。
だがそれだけでは、そんな中途半端な気持ちでは、あの武器を手にする資格はないんだ。だから……。
「……その、まだ考えています」
「そうか、出来るならあれは手にしない方がいい」
「え?」
ゴレムさんは濁すように言う。
まるでその先に触れることに、抵抗を感じているようにも思える。
ゴレムさん、何かを知っている……?
「……とにかく普通の武器じゃないってことは言える。よく考えろや」
そう言って僕の頭にポンと手を載せる。
アイスをちらっと見ると、どうやらそういうことらしい。
普通の武器じゃない、そう言われても所有者にしかわからないこともあるだろうし。
しかし万が一ということもあるので、ゴレムさんは一応とこう補足を加える。
「一応補足しておくとだな、そのコアを武器にするなら俺のところに来てもだめだからな」
「え?ここ鍛冶屋じゃ……」
「鍛冶屋でも取り扱えないものもある。おそらくそのコアから製錬される物は……"魔道書"だ」
魔道書、それは魔法使いの職業に与えられる武器の一つ。
魔法使いには最初に与えられる武器として、ロッドかメイスを選択できる。
ロッドは魔法攻撃重視、メイスは物理攻撃重視。ちなみに僕は前者だ。
職業はポイントがたまるとランクアップして強化される。そのランクアップ時に魔法使いはもう一種類武器を選択できる。
それが魔道書。上記二つと違い武器での物理攻撃、近接防御は一切できなくなる代わりによ強力な魔法で攻撃、サポートが行える。
魔道書は魔法使いの中でもSPの管理が難しく、魔法剣士の職業の存在もあって最も不人気の超上級者向けの武器。
僕が持ってるコアからはそれが出来上がるという。つまり僕は将来的に一番難しい魔道書を所有することになるのか。ちょっと自信ないな。
「魔道書は各魔法使いごとの神殿からしか製錬できない、だから自分の神殿を使うか他の神殿管理者に頼むことだ」
「この場合はハイドくんの神殿を使うのが手っ取り早いね。シャーデンフロイデは別に神殿の強弱は選ばないし」
ゴレムさんとアイスが言う通り、これは僕自身の神殿を使うしかない。
どうしよう、とりあえず作っちゃうだけ作っちゃうかな。
今の僕のポイントでは魔道書を装備できないし、シャーデンフロイデだって装備しなければただの飾りものだし。
ま、それもあとでいいや。今考えることじゃない。
「とりあえずハイドのシャーデンフロイデの件は後回しにしてだ。今後の方針だったな……」
話題は今後について。
ゴレムさんはステータス画面をタッチし地図を表示させる。
そして、地図の中央にある国を指す。
「俺から言えるのはこの国にとどまっていても拉致が開かないとということだ。だから"アルティナ"に行って情報を集めるこったな」
ゴレムさんの言うアルティナとは、この心世界オンラインで最も勢力が集まる場所。
通称:総合国家アルティナ。
新世界オンライン最強のギルドである≪神の世界≫を始め、トライセイバーズと呼ばれる三つのギルド。≪星王騎士団≫、≪英雄伝説≫、≪天地鳴動≫もそこを拠点としてる。
そしてトライセイバーズのそれぞれのギルドマスターは、心世界三大騎士と呼ばれている。
総合的にこのゲームの上級者の集まりだ。そこ一帯のフィールドに出るモンスターも2ndB以上でなければ対処できないって聞く。
「……僕まだ4thになったばっかりだよ」
「私は2ndSだから大丈夫」
いやそりゃあアイスは大丈夫だろうけどさ。
だけどアルティナ、心世界最大の国ならば何かつかめるかもしれない。
「まぁPKとかやって喧嘩売らなきゃ初心者でも害はないさ。ってことで頑張れ。俺も俺でやることやるからよ」
こうしてゴレムさんに送り出され、僕らはアルティナに向かうことに。
自然豊かなこの国とも、しばしのお別れか。
思い出といえば、強かったなインパクトボア……。
アルティナにはボアなんて目でもないくらい凶悪なモンスターが多いんだろうな、って目的は情報集めだけど。
いくらアイスがいるからって、4thの僕にはアルティナのフィールドは早すぎる。
そろそろジパンあたりなら、行ってもいい気がするけど。
「転送、総合国家アルティナ」
アイスと共に、舞台はナチュリアからアルティナへ。
転送の間数秒のロードがあり、画面が真っ暗に。
そしてロードが終わり景色が映し出される。そこはナチュリアとは違い、天高い建物が数多く建てられた都市そのものだった。
イメージとしては中世で、それらに未来技術を加えたような国。電光掲示板、機械の球体やらが宙を舞っている。
奥に聳えるのは協会で、そのさらに奥には最高位ギルド、≪神の世界≫ならびトライセイバーズの総合支部だ。
一つのギルドにあそこまでの施設が与えられているなんて、やる人はやるもんだなぁ。
ナチュリアに比べて各種店が立ち並び、まさに上級者を最大限に支援する果てしなく広い国だ。
「す、すごいなぁ。ナチュリアとはまた違ってこれこそファンタジーな世界」
「浸ってる場合じゃないわよ。奥の神殿がクエスト発注所。そこに情報掲示板があって多数の情報屋も屯ってるから、情報集めるならまず神殿」
右も左のわからない僕は、素直にアイスに付いて行くことに。
神殿に付き、中にある大きな広場に入ると、ナチュリアとは比べ物にならないほど多数のプレイヤーがそこにいた。
中央には巨大な円柱型の掲示板、そこにここ三日間のモンスター討伐の情報や、イベントの情報などが載ってある。
そしてその中にはなんと、心怪に関する情報も。
「心怪、狂乱の死神が討伐されたこともちゃんと書かれてるね。ここ最近だとジパンに四体、アルティナに七体。へぇ~ナチュリアにあと二体ほどいたんだ」
僕の予想以上に、心怪は多数様々なフィールドで目撃されているようだ。
でもどれも危険だから近づくなという注意書きが成されている。やっぱり一般的には心怪は関わるべきではないんだな。
「心怪の討伐はほとんど神の世界の系列にあるトライセイバーズが行ってるし。あいつらは運営から直々に警察機構の役割を与えられてるし」
「そうなの?すごいな、一般のプレイヤーにそこまでの権利まで与えられるんだ」
「ま、一応トライセイバーズの三大騎士は全員シャーデンフロイデ所有者だし」
心怪を討伐する以上、そういうことになるのも当然か。
シャーデンフロイデも、僕の予想以上に広く出回っているのかもしれない。
前にアイスにちらっと聞いたけど、シャーデンフロイデ所持者は一般プレイヤーからはひどく嫌われているらしい。
チーターなんて不名誉な呼ばれ方をされるうえに、汚れ仕事を押しつけられる。やっぱり軽い気持ちでそういうのを所持するのはよくないことかもしれない。
アイスはきちんと扱いこなしてるし、トライセイバーズだって警察としての役割で所持している。
そうだ。やはりあれを手にする時は、それなりの覚悟を持たないとね。
「心怪がどれくらいいるかもわかったし、今日のところは解散にしようか……」
僕が声をかけると、アイスはなにやらびくともせずに固まってる。
「……アイス?」
僕が彼女の名前を呼んだ……その時だ。
「……強制転移か」
アイスが言葉を発した瞬間だった。
僕らは多数のプレイヤーのいる大広間から何の動作もなしに転送される。
いったい何か起きた?僕らは何もやっていない。転送ボタンもログアウトも押してないのに。
「アイス、これは!?」
「こんなことができるのは警察のトップくらいよ、どうやらまた睨まれたようね」
転送された場所はコロシアム。
神々しいオブジェクトに囲まれた場所。天にはシャンデリア、横には螺旋階段。どこかの建物の中だ。
どうして僕らはこんな場所に……そう思った次の瞬間。
階段の上に人影が現れる。
髪は燃えるように赤く、背中に巨大な剣を背負っている。
軽薄な鎧を身にまとい、肩には一つの紋章。
星の形をしたその紋章は間違いない、ネットで見たことがある。
あれは、星王騎士団のマークだ。
「あ~あ、私達は犯罪者でもないっていうのに。本当にしつこいんだから」
「あの人を……知ってるの?」
「う~ん、悪く言うならば……すっごい性質の悪いストーカーよ」
どうやらアイスは誰かに追われているらしい。
発言からするに前科はなく、個人的な理由のようだ。
「ようやく見つけたぞ。時間もない……」
男が発する。時間がないとはどういうことか……。
そして男は背中の大剣を構え、上からそれを振りかぶる。
気が付けば上の方にバトルモードの表記が、いったい何がどうなって……。
「ジャッジメントスキルで強制的にバトルを仕掛ける。それが重犯罪者のPKに対する物なら正当だけど、こうも自己私欲のために行使できるものね」
「黙れ、今日こそ貴様を……」
どうやら僕は完全に蚊帳の外らしい。
男の目的はアイスだ。アイスに対してその振りかざす。
「だから私は何も知らないし、あなたに話すことは何もないのよ。星王騎士団のギルドマスター……"アルベール"」
星王騎士団のギルドマスター……って。
まさか、トライセイバーズの。それもその一角のトップがなんで。
ってことはその武器も、シャーデンフロイデ……。
「知らないとは言わせないぞ。お前が持ってる二丁拳銃と"太刀"は間違いない。あの≪絶氷の剣≫から製錬されたシャーデンフロイデなんだからな」
「…………」
「俺は必ず取り戻す。一年前、絶氷の剣に……」
ビービー!!
と、二人の勝負が始まろうと言う時に、大きな警告音が鳴る。
そしてアナウンスがアルベールに向かって怒声のように響き渡る。
『アルベール!許可もなしに何を無断でコマンドを使用している!?』
「ちっ、気付かれたか。ならばすぐに……終わらせるまでだ!!」
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警告音、そして男の怒声はすぐにかき消される。
それらをも無視し、アルベールはアイスに刃を付きたてる。
その刃はまるで、地獄の炎のように燃え盛っていた。
全てを凍らせる絶氷と、全てを焼き尽くす獄炎。
それらがぶつかる時、物語は新たなるステップへと動き出す。
アイス、君はいったい何者なのだろう。
君はどうして、心怪を狩り続けるのだろう。
かつて全てのものを凍らせてきた、最凶の心怪の武器を要いて。
君が見ようとしている景色に、僕は映っているのだろうか。
この時の僕には何も分かっていなかった。
心怪の事も、シャーデンフロイデの事も。
そしてそれらの驚愕の真実が、もうじき僕を襲うことも。
―――驚愕の真実。
「そんな、そんなことって……」
「それが……全ての真相。それを知ってなお、私達はこの世界に向き合わなくてはならない」
「ねぇおしえてよ!!心怪を倒すことが本当に正しいの!?こんなの……暴力以外のなにものでも……」
「わかんねぇな。一体このゲームを作ったやつらが、俺たちに何をさせたがってんのか……」
―――騎士たちの会議。
「俺は俺の目的のために行動する。世界の治安など興味もない……」
「な、生意気だぞアルベール!!我らは成すべきことを成すだけのことよ!!」
「まぁまぁ双方落ち着いて。にしても……騒がしくなりましたね」
―――魔術師同盟。
「ってことでしばらく君達と一緒にパーティを組むことになったんで。よろしくねアイス、そしてハイドくん」
「私達は私達の出来る範囲で、真実に近づいて行けばよいのですよ。だから不安を抱くことなんてないのです」
「あたし。この世界に出会えてよかった。こんなあたしが人気者の歌手になれるなんて、思わなかったもん」
―――現実での出来事。
「灰土、無茶しすぎだよお前。もう大成は……」
「灰土くんは頑張ってるよ。わたしはそう思う」
「先生から言えることは、後悔しないで諦めないでください……かな?」
次章―――『魔術師同盟』。




