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心世界のシャーデンフロイデ  作者: トッシー00
第1章 心怪討伐
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神園暗躍

第?話です。

 日本有数の大手企業、神園コーポレーション。

 その社内の一角にある大きな会議室にて、重役達による会議が行われていた。

 その会議には、今の世界を牛耳っている大組織、世界統制軍の幹部ら。

 その他に世界的有名な科学者達が遠く離れた所からモニターにて参加をしていた。

 始まりは某日の午前零時、誰もが寝静まるころひっそりとそれは始まった。

 一分、一時間と時間はこくこくと流れていく。防音対策のされた重い扉の向こうにて、何が行われているのか。

 ブツン……とランプが消え、少数の幹部らに囲まれ一人の男が重い空気の中その部屋から出てくる。


 彼こそ、この神園コーポレーション社長である神園(かみぞの)神十郎(しんじゅうろう)である。

 四十代後半という出で立ちながら若々しく、立派な白髭を蓄えた顔立ちは高貴さを出している。

 多少鋭い目つきは、まるでこの世界の裏まで見通しているような、そんな気さえしてしまう。


 その名字の通り、彼もまた世界を動かす大いなる一族、"神園一族"の一人である。

 彼は一族の中でも大きな権力の持ち主であり、この会社の社長という役職に付いているのもそのためである。

 最も彼からすれば神園コーポレーションの社長という肩書は表上のものにすぎない。

 彼もまた、世界からすれば平和への礎にすぎないのだろう。彼自身もそれは理解しているつもりであった。


 会議が終わり、ずっしりと自身の部屋の高価な椅子に腰を下ろす神十郎。

 その会議というのも、世界中の政治家達の愚痴や、己の一族からの圧力が大半。

 それに飽き飽きしながらも、彼は自らが理想とする未来のためならそれを聞き続けることも苦ではないか……そんなことを考えるがやはり本音は苦であった。


 こんこん……。


 午前の4時。

 夜明けも近いというのに、部屋の扉からノックの音がする。

 こんな時間にここに来るやつといえば、大抵限られる。

 神十郎はふぅと一つため息をつき、入りたまえをその人物を部屋に通す。

 入ってきたのは細々とした体つきの男性、名は睦月圭吾。

 神園コーポレーションの社員にして、心世界オンラインのシステム管理者でもあるこの男。

 彼としては純粋に楽しいゲームを作っているつもり、なのだが、心世界オンラインは彼の望むゲームにはならなかった。

 次世代多機能携帯型情報機器、ドリームゲートを要いた初の大規模オンラインゲーム。

 最新技術を駆使して作られたそれは、皆が夢描いていた仮想空間を実現し、今までのゲームの常識を覆すリアリティを生み出した。

 これからの世代の娯楽の先駆けとなるはずだったこのゲーム、だがそれは悲劇を生みだしてしまった。


 ドリームゲートでプレイヤーの意識を仮想世界に繋げるそのシステムの影響か、このゲームではあることが起きるとプレイヤーが意識を失う。


 そんな事件が数年前に起きてしまい、数万を超えるユーザーを持つ心世界オンラインに悪い噂が流れることになってしまった。

 そしてその事件は今なお完全には解決しておらず、被害者は日に日に増え続けている。


「失礼します社長。会議……お疲れ様です」


 重苦しい雰囲気で口を開く睦月。

 まるで何かを言いたげなその口ぶりに、神十郎は特に懸念することもない。

 部下が何を思おうが、"これが世界の決定だ"。と……神十郎は目で睦月に促す。


「あぁ、してこんな時間に何の用だ。下らぬ話なら聞く気はないが」

「……私はずっとあなたの下で働いていました。昔のあなたは自らが作った娯楽をどう楽しんでもらうかと、目を輝かしていた」

「くだらぬ、何が言いたい?」


 いつまでも昔話に浸るつもりはない。

 神十郎はあえて本題を振る。それを聞いた睦月は神十郎のプロセス通りにその話題を口にした。


「いつまでこんな事件を起こし続けるつもりですか!?心世界オンラインにおける意識不明者は近々一千人を超えます!!すぐさま公共の場にて全てを公表し、意識不明者達を!!」


 睦月の必死なその意見に対し、神十郎は眉一つ動かさない。

 くだらない話、神十郎からすればそれ以外に感じるところがないのである。


「また……その話か。だから言ったであろう……それが"世界の決定"だと」

「社長……っ!」

「我々神園一族……"ゴッドエデンの末裔"はこの長い時を準備し続けてきたのだ。全ては崩壊の未来を回避するため、真の平和を世界に築くためだ」

「いつまで……そんな作り話を……」


 睦月からすれば、神十郎の言っている事は何一つ理解できていない。

 最も、それを理解してしまえば彼は世界を敵に回すことになる。

 神園一族、ゴッドエデンの末裔による長きにわたる計画。そのプロセスの一つがこの"シャーデンフロイデ計画"である。


「一般人たるお前には何一つ知る権利などない。気にいらなければお前も足掻けばいい。あのゲームの中でな」

「ぐっ……あなたと言う人は……、"自身の娘"すら犠牲にして!!」

「我が娘、"亜理栖(ありす)"もまた神園の一族。だが娘の犠牲はより多くの結果を残したぞ。心怪……そしてシャーデンフロイデは娘無き上に成り立たなかった。父として誇りに思う」

「………」


 返す言葉もなかった。その本気の眼から発せられる言葉の数々。

 自身の娘すら顧みない彼に、もはや輝いていたころの創作者としての魂はない。

 彼は自身が作り出したゲームを、

 それを心から楽しんでくれているプレイヤー達を、

 全て世界の平和という戯言のための贄としているのだ。

 もう、彼に対する尊敬心など、睦月の中から消えうせていた。


「私は……私なりにこの事件を終わらせます。神園一族も世界統制軍も関係ない、例えこの身を犠牲にしてでも……私は……」

「心世界オンラインの開発者の一人としての罪悪感か……面白い。だが気をつけろよ睦月、"知りすぎれば"消されるのはお前の方だ」

「……失礼します」


 そう言って、唇をかみしめながら彼は部屋を出た。

 睦月が去った後、神十郎は左にあるデスクに飾られている写真を見遣る。

 そこには若かりし頃の神十郎と妻の姿、そして小さいころの娘の姿。

 綺麗な金髪が輝かしい、かわいらしい色白の子供の姿。その表情からは笑顔が漏れている。

 そう、その笑顔を奪ったのは、父である神十郎なのだ。


「……もう私は戻れない。それに、私とて戻る気はない」


 神園神十郎、神園の名を持つ彼は世界に動かされるだけでない。

 彼自身が、この世界に対し変革を求めているのである。

 彼の弟だった人物は、世界の悪意によって命を絶った。

 優しさもない、軽い気持ちで引き起こされた悪意が、彼から大事な物を奪い去った。

 それにより彼は神園の名を手に入れ、世界のために余生の全てを捧げることを決めた。

 その覚悟が、彼に一つの真実を見せた。それが……ゴッドエデンの意思。


 ―――心世界オンライン。


 ゲームによる感情コントロールの実験。人の本質を引き出す仮想世界と言う名の実験場。

 ゲームに持ち込まれる人の感情一つが"武器"となり、"怪物"にもなり果てる。

 力なき者が抱く妬みや憎しみ、不条理に抱く空しさ。現実世界ではどうにもならない力関係。


 ゲーム内ならば弱者でさえどこまでも強くなれる。仮想の世界ならば人は剣を振り、素性の知らない誰かと接しあい、それがやがてその人のもう一つの現実となる。


 だがそれ対を成すように、仮想世界ならばどれだけ人を殺しても罰せられない。

 力が全てだと人は改めて理解し、それが"人の本質"をさらけ出す。


「シャーデンフロイデ計画。人の悪意の上に世界を成り立たせるか……」


 神十郎は家族の写真を片手にそう呟く。

 彼が背負うは神園の性、偽りの世界を知り、本当の未来を知る権利のある人間。


「二十一世紀、この時代にあなたは今何を思うのかね。"未来人"ギルバート・ゴッドエデンよ……」

あらすじをもう少し簡潔に、尚且つわかりやすくした方がいいですかね。

多少なりとも物語の核心とか入れた方がいいですかね?どなたか意見をくれる方お願いします。

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