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第41話「奇跡か、それとも破滅か」

「秀長、信じられるかね! また生まれたんだわ、わしの息子……秀頼だて。この子の手、見てちょうよ。わしの指をギュッと握って離さへんのだわ!」

還暦を過ぎた万作の腕の中に再び小さな命が舞い降りた。かつての鶴松の時よりも万作の喜びは激しく、どこか狂気を孕んでいた。秀長を亡くし、秀次を葬った。孤独の果てに辿り着いた万作にとって、この子はもはや世継ぎという以上の神仏からの最後の救いに見えた。

「秀頼……おみゃあのためなら、わしは地獄の鬼にもなるでよ。この日本の半分……いや、全部おみゃあにやるからな。誰にも邪魔はさせんがね!」

万作の瞳には、かつての農民らしい穏やかさはなく我が子を守るためなら世界をも焼き尽くさんとする執念が宿っていた。秀頼への偏愛は、周囲の大名たちを震え上がらせ豊臣の終わりの始まりを告げる。

「秀長。おみゃあさんがおらんで良かったかもしれん。おったらきっと兄上、その愛し方は間違っとるって、わしを止めるに決まっとるからな。……でも、わしはもう誰の言うことも聞けんのだわ!」

万作は、秀頼を抱いたまま黄金の広間で高笑いした。その背後には、滅びへと向かう巨大な影が忍び寄っていた。

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