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第30話「刀狩りはいかんがね」

「秀長、これはいかんわ。農民から鎌や刀を取り上げるなんて、わしは自分の親兄弟を裏切っとるようなもんだが。みんな、泣きそうな顔しとったがね!」

万作は、集められた錆びた武器の山を見て胸を締め付けられるような思いでボヤいていた。かつての自分なら床下に刀を隠し、役人の目を盗んで舌を出しただろう。その気持ちが痛いほど分かるからこそ、今の自分の立場がひどく残酷に思えた。

「だからこそ、あなたにしかできないんです。あなたは農民を苦しめたいのではなく彼らが二度と戦に巻き込まれず、田を耕すことに専念できる世を作ろうとしている。その真意をあなたの言葉で伝えるんです」

秀長は、没収した鉄を大仏の釘に再利用するという言い訳を用意し、万作の背中を静かに押した。

「大仏の釘にすれば、みんな極楽へ行けるって……そんな上手い話、わしが農民なら絶対信じんにゃあわ! でも、こうせんと喧嘩はなくならんのだわな……」

万作は、集まった村人たちの前でわざと明るく振る舞った。

「おみゃあさんら! 刀なんぞ持っとると怪我するでよ、わしが預かって仏様にしてやるわ!」

その言葉の裏で万作は心の中で何度も彼らに謝り続けていた。

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