表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
27/50

第27話「鬼島津は、恐ろしい」

「秀長、島津豊久とかいう小僧は正気じゃにゃあて!みんなバタバタ死んどるのに、なんであんなに嬉しそうに突っ込んでくるんだね! 薩摩の衆は、みんな鬼の親戚か何かかね?」

九州平定の最中、万作は本陣の奥深くでガタガタと震えていた。島津軍の釣り野伏という狂気じみた戦法を目の当たりにし、万作の農民としての生存本能が警報を鳴らし続けている。降伏を勧める使者さえ、首を跳ねられそうな殺気が漂っていた。

「兄上、あれが鬼島津と恐れられる所以です。理屈では動かない相手こそ、理屈を超えた圧倒的な力で屈服させるしかありません。あなたは今、何十万という大軍の頂点。山が動くような威圧感を見せるのです」

秀長は、戦況を冷徹に見極めながら万作に軍配を持たせる。秀長にとって九州平定は、天下というパズルを完成させるための、ピースの一部にしか過ぎなかった。

「威圧感って……わし、島津の義弘殿や豊久と目が合っただけで、腰が抜けそうなんだがや!」

「笑って、ただひたすら傲慢に笑ってください。それが彼らには底知れぬ余裕に見えます」

万作は、引きつった顔で空を見上げ、声を枯らして笑った。

「……カカカカッ! しょせん、島津もわしの掌の上だわ!」

その笑い声の震えを九州の猛者たちは大いなる余裕と読み違えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ