表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/29

第22話「徳川四天王、万作を囲む」

「秀長、あの子らは何だね! 忠勝だの康政だの、わしを刺し殺しそうな顔で酒を飲んどるがや。生きた心地がせんでいかんわ!」

徳川家との和睦の席。万作は、本多忠勝をはじめとする徳川四天王の屈強な男たちに囲まれ、箸を持つ手も震えていた。彼らが放つ殺気は、黄金の広間の空気を氷のように冷たく変えていく。万作は「帰りたい、今すぐ長浜に帰りたい!」と心の中で絶叫した。

「兄上、笑ってください。彼らは武士の誇りをかけて、あなたを値踏みしているんです。…ここであなたが動じずに、ただの気のいいおじさんを演じきれれば、彼らの槍は折れたも同然です」

秀長は、万作の背後に控え透き通るような声で耳打ちした。その冷静さが今の万作には唯一の命綱だった。

「……おう、おみゃあさんら! 固いこと言いなさんな! わしと家康殿は、もう兄弟みたいなもんだわ! 飲め、飲めーっ!」

万作はヤケクソで酌をして回った。その底抜けの明るさに四天王たちは逆に不気味さを感じ、毒気を抜かれていく。

「…わし、酒の味がちっともせんわ。心臓が口から出そうだし、ブルブル震えが止まらんわ」

「大丈夫です。その震えは、彼らには武者震いに見えていますよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ