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第17話「関白就任、貴族の言葉は…???」
「秀長、あのおじゃる丸たち何言っとるかさっぱり分からんがね!わしゃあ、宇宙人と喋っとるんかね!」
宮中から戻った万作は、烏帽子を床に投げ出し、畳の上を転げ回っていた。農民出身の万作にとって公家たちが操る古風な京言葉は、呪文か何かにしか聞こえない。万作は、「もう嫌だ! 名古屋に帰してちょうーーっ!」と絶叫した。
「兄上落ち着いて下さい、あの方々は言葉を武器にしているんです。あなたは今日から天下の関白、高貴な血筋を演じる必要はありません。むしろ、その泥臭い言葉で彼らを圧倒すればいいんです」
秀長は、余裕の笑みを浮かべて、万作の首に再び烏帽子を乗せ直す。
「圧倒って言ったって……『ほーほっほ』とか笑えばええのかね?」
「違います。あなたがわしがルールだがね!と凄めば、彼らは勝手に震え上がります」
万作は、秀長に背中を押され再び公家たちの前へ。
「……ええい、おみゃあさんら! 難しいことはええ! わしがやるって言ったらやるんだわ! 文句あるかね!」
万作の怒声に、公家たちは「……なんと野性的で、力強い関白様だ」と勝手に感服し平伏した。
「……秀長。わし、意外とこの、おじゃる丸界隈でやっていけるかもしれんがね」




