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第13話「三法師様を抱き上げろ」

「秀長、こりゃあ無理だて! 壊しちまいそうだわ、こんなちっちゃい子!」

万作は、織田家の正統な後継者である三法師を前に腰を抜かさんばかりに狼狽していた。赤ん坊を抱くという行為そのものは農民時代に慣れているが、この子は天下の重みを背負っている。万作の手は、生まれたての小鹿のように小刻みに震えていた。

「兄上、いいですか。あなたがその子を高く掲げた瞬間、あなたは織田家の守護神になるんです。慈愛に満ちた、しかし力強い笑顔で……はい、どうぞ」

秀長は、機械のような手つきで三法師を万作の腕の中へ滑り込ませた。

「……おおっ、三法師様! このわし、羽柴秀吉が命に代えてもお守りするがね!」

万作は、秀長の指示通り赤ん坊を高く掲げた。三法師が万作の鼻をギュッと掴む。

「痛っ! 痛ててて……この子、力が強すぎるがや!」

万作のボヤきが広間に響くが居並ぶ宿老たちの目には、それが「未来の主君との深い絆」に見えていた。

「……わし、鼻の形が変わってまった気がするわ」

「いいえ、最高に感動的なシーンでしたよ。これで勝家殿の顔は丸潰れです」

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