コトネトユウシ
葬式から一週間後、私は優志にツグナイバコについて話すことを決意した。彼は泣いていた。そして信じている。優子は自殺ではなくて殺されたと。
私は優子の家に向かった。最後に行ったのは優子が死ぬ前日だった。そのときはまだ確かに優子は生きていた。明日が初めて働く日だ、悩みはないか、そんなことを話していた。
家に着いた。
インターホンを押すと優志が出てきた。
「あ、やぁ。どうしたんだい?」
「優子の死について話があります。」
「、、、こんなとこじゃ寒いだろ。中へどうぞ」
そう言って招き入れてくれた。
中は見慣れた家具が置かれており、匂いも何度も嗅いだことのあるものだ。リビングに飾っている私と優子のツーショットの写真を見ると胸が締め付けられる。
私はふかふかのソファーに腰をかけた。
「先程の話についてですが、、、」
「あぁ。聞かせてくれ。」
「確かに親指が無くなり頂きましたと書いた紙が置かれてたのですね?」
「そうだ。それがどうした?」
「ツグナイバコを知っていますか?」
「まったくもって分かりません。」
「そうですか。」
私はツグナイバコについて話した。
話し終わると彼は目を大きく見開いていた。
「じゃ、じゃあまさかその箱が優子の命を奪ったのか?」
「恐らくそうでしょう。」
「優子は何か罪を犯したのか?」
「そ、それは、、、」
「頼む!!教えてくれ!!」
「、、、今は言えません。しかし私達は大きな罪を犯しました。許して貰おうとは思っていません。」
「そうか。」
しばらく優志は考えて答えを出した。
「さっき<私達>は罪を犯した、と言ったね?」
「はい。」
「つまり君のところにもツグナイバコは来るということだね?」
私は今気付いた。そうだ優子のところに来たということは私のところにも来るということである。いつの間にか手が震えていた。
「僕は君を助けたい。」
「え?」
「僕は優子の死の真実を見たいんだ。そして優子の友人だった君を守りたいんだ。優子は言ってたよ。私が死んでも琴音は絶対死なせない。一生友達だ。って」
「そうですか。ではまた後日ここに来ますので」
「ああ。待ってるよ。」
彼は微笑みかけてそう言った。
私はさっさと家を出た。
優子が死んでから初めて泣いた。




