ナゾ
次の日、私はバイトを休み優子の葬式に行った。
「この度はご愁傷様で、、、」
「それはお互い様じゃない、琴音ちゃん。」
優子のお母さんは笑いながらそういったが確かに目に涙を浮かべしいた。
私は優子が死んだ後何があったが分からず呆気にとられていた。しかしあの言葉を忘れない。
<罪を償わなければならない>ということはどういうことなのか。やはりあの事件の事なのか。そして優子の死には幾つかの疑問があった。まず、何故あそこで死んでいたのか。目撃者が少なく、事件性がないということで自殺となったが彼女は大きな悩みもなく、順風満帆な日々を過ごしてたので、まずありえない。たとえ自殺だったとしても首吊りや包丁を心臓に突き刺すだけでもいい。何故優子は飛び込み自殺を行ったのか。何故あそこを選んだのか。数多くある場所で偶然にもということもあるが何か引っかかる。偶然、飛び降りたビルは廃棄だったがしかし、、、
ー。そんなこと考えているうちに葬式は終わっていた。
彼女と永遠の別れをしたのに涙が出てこなかった。自分という人間を罵った。
帰ろうとすると優子の兄の優志に出会った。
「琴音ちゃん。だよね?」
彼は不安そうな声を出した。
「はい。なんでしょうか。」
「実は優子の小指が無いんだよね。何か知らないか?」
「小指、、、ですか?どういうことですか?」
「その様子だと知らないようだね。優子の右の小指が無いんだよ。根元からくっきりと。でも落ちたときそこから出血してないらしいんだ。奇妙だろ?」
「え、、、」
私は硬直した。昔流行った噂を思い出した。ツグナイバコ。体の一部が消えた。罪を償う。殺された。
「あとねもう一つ気になることがあるんだ。」
「え?」
「真っ黒な紙に赤い字で頂きましたって」
「きゃっ」
私は小さな悲鳴を上げた。
「どうしたの!?」
「い、いえ。何でもないです。」
ひどく口が渇いていた。間違いない。
ツグナイバコだ。
「優子は殺されたんだ。」
優志は蚊の鳴くような声で言った。
「な、」
「優子の死には裏があるんだ。とてつもない悪が優子を殺したんだ。僕には分かる。優子は自殺なんてしない。」
彼は泣きながら小さく叫んだ。




