9時間目 新婚旅行➂
「ナッツー、せっかくの決め台詞なんだ、もう少し大きな声でもう一度!」
「秋本電気グループ社長の孫娘なめんなよ!」
私は信也に言われては今度はやけくそになって叫んだ。
「やけくそになるな!恥ずかしがるな!せっかくの決め台詞だぞ?」
「決め台詞なんて入らないわよ!」
「よし、今日から恥ずかしくなく言えるようにホテルとかで特訓だ!」
「いやいや、しないから!」
私も信也もこのときはすっかりと油断していた。年寄りのおじいちゃんが子分達を倒されては何もできない...そう、思ったからだ。
「ワシを...ワシをなめやがって。死ね、小娘!」
ヤクザの頭であるおじいちゃんは私に向かってナイフを構えてきては勢いよく突進してくる。
「ナッツー!」
信也は私の肩を押した。私は信也に押されては地面に尻餅を付いた。
「痛っ...信也何...。」
ポタポタ。
信也のお腹にはナイフが刺さっていって血が出ていた。
「ナッツー...無事でよかっ...。」
信也はその場で倒れた。
「信也、信也?」
「...。」
私は信也の体を揺するも反応がなかった。
「ざ、ざまぁみろじゃ。」
ヤクザの頭のおじいちゃんはナイフを床に投げては言った。
「お前!」
ガツン!
私はヤクザの頭のおじいちゃんをおもいっきりぶん殴った。
「ぐわっ!」
おじいちゃんはその場に倒れ来んでは動かなくなった。
「信也!信也!」
私は誰一人動かなくなった場所で夫の名前を呼んでは体を揺する。
「信...私のせいだ。私のせいで...いやぁぁぁぁぁぁ!」
私はこの時初めて自分は何一つできない小娘だと思い知らされた。私の悲鳴がむなしくその場に響いた。




