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37 新たな弟子たち

はっ!

気が付くとワイヤーの下を降下していく。

胸の部分にフックがかかり、上空をすべり降りているのだ。

滑り降りた先で冒険者たちにワイヤーを外してもらう。

彼らは大規模な騎馬隊の一団だった。

急ぐぞ!お前たち!

はああ!

馬が一斉に走り出す

少年の一声で一団は近くの森に逃げ込んだ。

森の奥にある泉で一息つくことになった

俺は言った

レシーヌは!もう一人いたはずだ!

冒険者の少年は答えた

レシーヌ?ああ、あの人なら俺たちを逃がすために戦ってくれたよ。そのあとはわからない。

そうか・・・。ゼロスだ。さきほどは助かった。改めて礼を言おう。

冒険者は言った

俺はルース!このアスピダの団長をしているものだ。あそこにいるおっさんが副団長のプッチョ。

そうだ。これは毎回の儀式なんだ。ようこそアスピダへ!

俺はルース少年から手を出され握手をし互いの生還を喜び合った

こちらこそ、よろしく。

会話に入るようにルースの仲間たちが顔を見せる

エルマーです。

不細工な女の子だ

ガーネットです。

美人の女の子だ

なんとなく見たことのある子たちだ。

ルースに聞いてみる。

以前俺とどこかで会ったことはあるか?

はい?ないけど?

ルースはあっけらかんと答える

気のせいか、すまない。勘違いだ。君たちは何故、城に?

年長者のガーネットが答える

私たちは邪教ティーモスと戦うために旅をしてます。そのために城に入る必要がありました

そういうことか。

これから君たちはどうするんだ?

まずは近くの町で態勢を立て直してからティーモスを追います。彼らの組織はデュシスだけにとどまらず各所に及んでいますから。それにもうデュシスに囚われた仲間は・・・。

仲間・・・。ふと思い出すのは騎士長ダンテと戦っていた名も知らない戦士だ。

それはもしかしてあの戦士のことか?と聞けば

なぜそれを!

看取ったよ。騎士長を相手に一歩も引かず戦って、勇敢な最期だった。

そうですか・・・。ありがとうございます。

皆、落ち込んでいた。

気まずい空気だ。いっそ言わないほうがよかったかもしれない。それで俺はどうするか。

ピュエロスを探さなければならない。そのためにはティーモスと戦いは避けられないだろう。

ティーモスと戦う彼らと行動を共にするのが近道か。

しかし・・・恐ろしく弱いパーティーだ・・・。


ルース


Lv3

HP6

MP6

力6

防御6

すばやさ6

賢さ6


ジョブ

無職


装備

木のナイフ「力+1」


エルマー


Lv3

HP6

MP6

力6

防御6

すばやさ6

賢さ6


ジョブ

無職


装備

木のナイフ「力+1」


ガーネット


Lv3

HP6

MP6

力6

防御6

すばやさ6

賢さ6


ジョブ

無職


装備

ろくでもない杖「賢さ+3」


3人は平均的な無職が少し鍛えた程度のレベルだ。

全員、異世界の住人のようで、その証拠に職業魔法を所有している。

一応確認する。3人は外の世界から来たのか?

ルースが答えた。

俺の親父はティーモスを打倒するためアスピダを結成した。この世界を侵略する気なんてない!

それに・・・親父はティーモスに殺されたんだ。

みんなはティーモス信仰が救いを与えてくれるなんて言ってるけど俺たちは絶対に信じない!

あんなやつら絶対に許せない!

デュシス王国の民のようにすべてがティーモスの信徒ではないのだろう。

彼らはあちらの世界から直接こちらに来ているのかもしれない

となると敵はティーモスか。

そしてその奥にいるのはロザリス・・・。

こいつらにそれは黙っておこう。余計な混乱を招く。

そして謎の天使たち。

ピュエロスをさらった報いを受けさせてやる。

アスピダのアジトに到着した。

多くのテントの中にアスピダの戦士たちがいる。かなり大規模な一団だ。

ゆっくりしていってくれ

ルースとプッチョがそう言ってくれる。

早朝、アスピダのみんなが寝静まっているころ、日課の修練を始める。

この数年でにぶった精神を鍛えなおす。

待っていろ。ピュエロス。必ず助ける。その一心で修行に打ち込む。双剣杖を振るい続け、頃合いを見て岩の上に座り、瞑想を始める。

ルースが寝ぼけまなこでトボトボと俺のほうに歩いてくる。

うう、ゼロス、何してんの?

ルースを無視して双剣杖を構え精神を集中、闇の玉が出現、手のひらを浮遊する。魔術の精度を高める修行だ。

俺の魔法を見て目を見開くルース。当然と言えば当然だ。彼らの持つ魔法は職業魔法、この世界の機械魔法とは違う。

そして俺のいま振るっている魔法は正確には魔法ではなく。魔術だ。

手のひらの魔術を握りつぶす。

気が散る。向こうへ行っていろ。

俺がそう言うと

物欲しそうに魔術を見るルース

なあ、教えてくれよ。

無視しておいた。

それから口説き落としが始まる。

とにかくしつこい。

食事のときも歩いているときもずっと教えてくれと頼みこまれた

振り返ればやつが手ぐすねして教えてくれよと付きまとう。

世話になっている手前、むげにもしにくい。

昼過ぎだったか。

いつものようにルースは言った

なあ、頼むよ。教えてくれよ。

あまりにもしつこいのでしぶしぶ教えてやることにした

わかった・・・でも明日の朝からだ。

本当に!

その代わり修行は厳しい一切容赦しない。それからお前は俺の弟子だ。団長も何も関係ない。俺のことは必ずマスターと呼べ

はい!マスター!

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