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38 スパルタ教育

次の日から修行が始まった

ルース!集中しろ!

はい!マスター!

早朝の修行をしているとエルマーとガーネットが俺たちを見つけた。

何あれ!すごい!

嫌な予感がする。

エルマーが言った

ねえ、マスター。

ガーネットが言った

マスター。

し、しつこい・・・絶対!嫌だ!ルースだけで手いっぱいだ!

そこをなんとか~。

そしてエルマーとガーネットも俺の弟子になった。

不様だ。

それから数日後

修行をしていると草葉の影からサイフォスの戦士が現れた。

マルベリーからの伝令だ。

ピュエロスが見つかったのか!

はい!西のバルバルにあるバルバル城に留置されているものかと

その情報をもとに俺たち一団は移動を始める。

早朝の修行はここまでにする!しばらくしたら出発だ!

「「はい!ありがとうございました!」」

3人とも頭を下げる。

目的地は西の街バルバルにあるバルバル城だ。

待っていてくれ。ピュエロス!

俺たちアスピダの一行は中継地点として大きな街、ロンポスを目指す。

うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

レシーヌ!

燃え盛る炎の向こうでレシーヌが悲鳴をあげる

レシーーーーーヌ!

はあ!

目が覚めると寝汗でいっぱいになっていた

夢か・・・。

俺がもっとあいつらを強く育てられていれば違ったかもしれない。

くっ・・・。

自分への怒りで俺は拳を握りしめた

夢を見た日から俺の教育方針は180度転換した。

エルマーとガーネットが弟子入りして1か月がすぎようとしていた

早朝の修行が始まる

3人が目の前にそろっていた

いままでは俺が甘かった。戦いになれば命を落とす!半端な術を教えるつもりはない!いいな!

数瞬あまりの豹変ぶりに驚くルース達だったが

「「はい!」」

返事をする

よし、そこに並べ!

3人が指示どおり一列に並ぶ

タリズマンを出せ!

3人が書き溜めておいた幾何学的な模様の護符を取り出すと目の前に構える

スフェラだ。昨日も見せたろ。やってみろ!

「「はい!」」

「「タリズマンよ!我が呼び掛けに応えよ!」」

「「スコタディ・スフェラ!!」」

小さな闇の弾が直進していった

俺はスフェラが消えた場所、3か所のえぐれた地面の土を右から順につまみあげ指ですりつぶしてみる。

その中の二つは土のキメ細さがあったが、一つだけキメが荒いものがあった。威力が他よりも出ていない証拠だ

ルース!

は、はい?

何だ?このスフェラは!お前だけ!できていないぞ!

見ろこの土を!キメが荒く威力が出ていない証拠だ!

ガーネット!教えてやれ!

はい!

ガーネットがルースに護符魔術を見てやる

あの人どうしちゃたんだよ。

ぶつぶつとつぶやくルース

これでいい。半端なやつは死ぬのだ。俺にできることをするしかない。

俺の特段に厳しい修行は常習化していった

アスピダのアジトを出てから半年後、新たな街、ロンポス街に到着した

ルースが街娘に話しかける

姉ちゃん、俺とお茶しない?

いきなりナンパを始める弟子、放っておこう。

プッチョが騎馬を預けている姿が見えた。

先代のリーダーであるルースを影から支えている立派な吾人だ。

プッチョは俺の存在に気が付くと振り返り

おお、これはゼロス殿、

ここまでの旅感謝している。何か手伝えることはあるか?

でしたらルースに稽古をつけてやってください。

あいつはいずれアスピダを率いる、私たちもルースの父親である先代には大変お世話になりましたから。

そうか。ではそうしよう。

これからはさらにルースを厳しく鍛える決意をした。

ルースが帰って来ない。

あいついつまでナンパしているつもりなんだ。

路地が見えて来る。

そのとき奇妙な感覚になる。既視感があるのだ。

そうだ。あそこの路地を曲がると悲鳴が聞こえて来る。それで・・・俺はどうした・・・。

路地裏を曲がったとき

わあああああああああああああああああああ!

ルースの絶叫する声が聞こえて来る。

見れば人の顎が無尽蔵に伸び、ルースの頭をすっぽりと丸のみにされていた

天使だ!

ルース!

慌てて双剣杖を使い天使を切りつけると体に裂傷を負わせる

天使が言った

ば、馬鹿な・・・絶対防御を持つはずのこの私が!

暗黒の鎧・スコティノース・パノプリアの胸に手を当て精神を集中させる。

鎧が黒いオーラで満たされる。

鬼畜魔法・ドラゴ・ヘロストラトス!

空から巨大な漆黒の鎧の指が現れると

天使に巨大なオイルをふりかけ巨大なマッチを着火させた。

天使を焼き殺す一撃がさく裂する

ぐぼああああああああああああああああ!

断末魔の悲鳴をあげる天使

目の前で燃え盛る天使、両断された首からルースがはい出して来ると地面に落ちた

わ、わあああああああああああ!

悲鳴をあげるルースに声をかけた

ルース。

マ、マスタ~!

俺を見て安心したのかへこたれてしまった

何をしている!

俺はルースを立ち上がらせると

貴様ああああああああああ!歯を食いしばれえええええええええ!

怒鳴り飛ばしたあとでルースを殴り倒す

ぐああ!

ルースが地面に倒れると口の端から血が流れていた

死ぬことは許さんぞ!

は、はい・・・。

ルースからは俺に対する怯えが見えていた。

冷や水を顔にかけられた思いだろう。

口できつくしかりつけつつも俺は内心で胸を下ろす思いだった。

ひそかに襲撃を受けた次の日

職業魔法、職業は魔法なのである。

就職しないことには魔法が使えない。

ルースたちを引き連れ、神聖な聖堂前まで来た。

正門の扉を開くと開口一番に女神官が笑顔で言った

恵まれない子供たちを救うためお布施をお願いします。

俺はろくに金などなかったので旅の途中倒した魔物の牙を入れる。

い、いいでしょう。

苦笑いする女神官を横に

この3人に職業を与えてほしい。

ではこちらに

奥に通されると幾何学模様の陣が石に彫られている。そこに聖水が満たされている。聖法陣だ。

女神官は笑顔で言った

では聖法陣の中に・・・。

ルースは希望に満ち溢れた目をして陣に入ろうとすると

バチィ!

聖なる力が聖なる雷となってほとばしった

女神官は言った

これは!聖法陣が拒絶している・・・魔!

そうだった・・・陣は魔術や魔法を扱うものを拒絶するんだった!

へキサセクスか!きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!

奇声をあげ急激に激昂する女神官、怒り狂うあまり自分の服を引き裂いている。

本来、聖なるエイレースケイアの施設を乗っ取ったティーモスこそ邪悪な存在のはずなのだが。狂人にそれを説いても意味はない。

俺は状況を瞬時に判断して女神官の腹に拳を叩き込む

ドゴ!

女神官が、ガゴオオ!とうなり声が上げ、そのまま俺の腕に倒れ込み意識を失った

きゃああああああああああああああああああああああああああ!

一連の事件を目撃していた別の女神官が悲鳴をあげた

しまった!お前たち一度逃げるぞ!

は、はい!

全員で急いでその場を後にする。

カンカンカン!カンカンカン!

おそらく非常事態を知らせる鐘の音だ。街中の人間が俺たちを捕まえようとするはず

まさかこんなことになるとは。

そう言えばこの世界の魔法は聖法だった。

聖法と魔法は別々のもので、それよりもこの街はこの世界であっても侵略されているだけの機械魔法の世界であって。

ややっこしくなってくるが。デュシスと同じように向こうの世界の勢力に侵略された拠点がいくつも存在しているのだ。

以前のように聖法陣を魔法陣に無理やり書き換えることも可能だがさきほどの騒ぎで近づかないほうがいいだろう。

アスピダと合流し騎馬に乗って逃げようとすると大勢のティーモスの信徒たちが馬に乗って追ってきていた。

ものすごい数だ。

弓矢が雨となって降って来る。

プッチョが盾をかざし弓矢を弾いでいた

ここは引き付ける!ルース!お前たちは逃げろ!

ルースが叫ぶ

ダメだ!プッチョ!

エルマー、ガーネット!ルースを頼む!

はい!おじさま!

と、ガーネット

必ず!

とエルマー

ゼロス殿も頼みますぞ!お前たちに俺に続け!

はああ!

ヒヒーン!

騎馬たちが加速していく

プッチョは馬を操りアスピダの戦士たちと共にティーモスの誘導を買って出た。

俺はルースたちを引き連れて道を突っ切った。

うう・・・。

目まいがする。

それはどこかで見たような光景だった。

さっきのもそうだ。ここ最近の奇妙な既視感、どこかで見た風景に感じらるようなことばかりが起きている。混乱して考えてもしかたがない。

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