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20 サイフォスとしての仕事

オフィーリアさんとグレムさんに集まってもらう

初めまして、トゥアレタです。

ピュエロスです。

私たちも皆さんの力になりたいと思ってます。よろしくお願いします!

グレムさんが笑顔で言った。

こちらこそよろしくお願いしますね。

エリザベートも言った

よろしくねー!

それから僕たちはサイフォスと行動を共にしていくつもの貴族たちと戦いを続け

半年がたとうととしていた

男の一団が路地裏で貴族の令嬢を取り囲んでいた

ぐへへへ!お前さんを人質に身代金を要求すれば大儲けだぜ!

だ、だれか・・・助けて・・・。

大丈夫ですか!

僕はさっそうと屋根の上から現れ

はあ!

飛び降りて双剣杖を振るい男を切り捨てる

ぐは・・・。

サイフォスだ!

僕とトゥアレタとピュエロスとエリザベート、4人で仮面をかぶり参上する

あなたたちお縄につきなさい!

逮捕よ!

逃がさないからね!

ひい!

サイフォスだと!逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおお!

男たちが逃げていくと令嬢は泣きながら抱き着いてきた

怖かったよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!わあああああああああああああああああああああああああああああああ!

もう大丈夫だ!怖かったね。

家族のいる屋敷まで送り届けるから

ありがとうーおにいちゃーん!

サイフォスには称賛の声が贈られた。

影から世界を守る英雄

さすがサイフォス!

俺たちの平和を守ってくれる正義のヒーロー様だぜ!

英雄扱いされるのも悪い気分ではない。

サイフォスとして顔がバレているわけではないので道を歩いていても賞賛されるようなことはないのだが。

噂話でサイフォスを称える声が聞こえると達成感と街を守っている充足感があった

アジトにて

はあ!はあ!

オフィーリアさんが訓練の手を止めると言った

情報によれば今日の夜、モフォック伯爵とヴァート男爵の密会がある。

マルベリーさんが言った

屋敷の見取り図は?

これよ。

オフィーリアさんが見取り図を広げ作戦を説明していく

トゥアレタ!エリザベート!私たちで世界を守りましょう。

ええ、

うん!

ティスさんが言った

ふん、せいぜい足を引っ張るなよ

オフィーリアさんが言った

そうかしら?トゥアレタ、前回の作戦では大活躍だったじゃない今回も頼んだわよ。

はい!

トゥアレタは得意げな顔をしてティスさんに言った

そういうことよ。お馬鹿さん!

なにい!

イラつきを露わにするティスさん

ちっ!

かんしゃくを起こして行ってしまう

ちょっとティス!

やることはわかってますよ!

バン!

と勢いよく扉が閉められた

やれやれ

とマルベリーさんがあきれた顔をしてティスさんのフォローへと部屋から出て行ってしまう

トゥアレタは怒りながら言った

何よあれ!マスターあとで彼を殴ります。

暴力はいけないと思うよ・・・。

冗談だろうことは織り込み済みの会話だ。

冗談だよね・・・?トゥアレタが暴れださないことを祈ろう。

モフォックは以前取り逃がしたので都合がいい。一網打尽と行きましょう。

屋敷の正門の前まで来た。

ティスさんはいまだ不機嫌そうだが、作戦となれば切り替えができる戦士だ。

オフィーリアさんが言った

ティスたちは屋敷の天上から強襲後、合流して

了解!

それとトゥアレタさんとピュエロスさんたちもティスと一緒に行ってくれますか?

トゥアレタが言った

わかりました。オフィーリアさん

ピュエロスも返事をする

ティスさんが意地悪そうに言った

へまするなよな。

ふん、当然よ!

エリザベートもついていてあげて

了解しました!

ゼロスは私と正面から、陽動だから派手に騒ぎを起こして

ティスさんが不満そうにつぶやく

またかよ・・・。

マルベリーさんが言った

ティスそうぼやくな。

だって・・・。

いくよ!みんな!

オフィーリアさんを先頭にサイフォスの面々が突撃をかける

ティスさんが

はあ!

剣を振るい敵を薙ぎ払い

はあ!

マルベリーさんが隣で剣を振るい敵を薙ぎ払う

激しい戦いのさなか

トゥアレタとピュエロスが

カミオン・フォース・スフェラ!

聖術と

カミオン・スコタディ・スフェラ!

魔術

中程度の威力で白と黒の球体が飛び交う

うわあああああああああああ!

わああああああああああああああああああ!

敵が悲鳴をあげ吹き飛んでいく

まだまだ未熟だが二人とも成長したものだ

聖術と魔術で敵陣が吹き飛ばされていく

聖魔の協力関係を尊ぶマスターアカーテスが弟子たちの姿を見たら感動してしまうのではないだろうか。

二人の背後に弓矢が迫る。

危ない!

はあ!

エリザベートが矢をはたきとおした

ピュエロスは言った

ありがとうエリザベート!

僕もオフィーリアさんと共に敵陣を突き進む

はあ!

目の前の敵を双剣杖で投げ飛ばし

でや!

その隣でオフィーリアさんが敵を斬った

俺だってええええええ!

突然、ティスさんが目の前に飛び出してくる

え!ティス!なんでここに!

それと同時弓矢が群れて降り注ぐ

危ない!ティス!

オフィーリアさんが身をていしてそれを防ごうとしたが、とても生身で受けきれるものではない。

僕はオフィーリアさんの目の前に出る、同時に僕の隣にマルベリーさんが現れ迫る弓矢を剣ではたき落とし

僕も双剣杖を振るう

陰魔法・ウンブラ・トイコス!

目の前に瞬時に陰湿な障壁が展開する。

最上位障壁陰魔法、トゲトゲしたスパイク付きの障壁が敵の魔法をその障壁で打ち破る。

マルベリーさんが叫ぶ

無事か!

オフィーリアさんが叫ぶ

ティス!どういうつもり!

こ、これはたまたまで!

なんで持ち場にいないの!他のみんなは?

あの・・・それは・・・!

僕は言った

オフィーリアさん、いまは言っていてもしかたがない。

そうたしなめるとしばらくオフィーリアさんは物憂げにうつむき

・・・わかったわ。ティス、あとで話しましょう。

マルベリー、ティスをお願い。

任せろ。

ゼロス!行こう!

はい!

ティスさんを置いて僕とオフィーリアさんは二人で先へと突き進む

ティスさんは捨てられた子犬のような目をしていた

撃て!撃て!撃て!敵を入れるな!

敵魔法使いたちのリーダー風の男が指揮を取り、魔法の弾雨が飛んでくる。

オフィーリアさんが言った

くっ!これじゃ、進めない!待っていたら援軍に取り囲まれる可能性も、どうしたら!

任せてください。

ゼロス!作戦があるの?

正面突破します!

ええ!?

複数人の魔法使いたちが敵陣を僕一人でゆっくりと歩いていく

敵の魔法使いたちが言った

来るぞ!正々堂々と真正面から突っ込んでくるとはよほど死にたいらしいな!

「「わははははははははは!」」

魔法使いたちが邪悪な笑い声をあげる

無数に飛んできた炎上魔法たちがすぐ横でさく裂するもそれをわずかに角度を避けるだけで避けて見せる。

す、すごい・・・。

と感動するオフィーリアさん

な、なんだ!あいつ!魔法の弾雨の中を歩いてくるぞ!

避けているだと!ありえない!攻撃を集中させろ!撃て!撃て!撃て!撃て!撃て!撃て!撃て!撃て!撃て!

シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!

全然当たる気がしない速度だ。

そのまま敵の背後を取り、ひとりひとりゆっくりと双剣杖で叩き、

ごはっ!

うわっ!

うえっ!

気絶させていく。

鎮圧完了、オフィーリアさん、もういいですよ!

凄まじい力ね!

階段を登り、ヴァート男爵の私室までやってくるとモフォック伯爵と一緒にいた。

一気に走り飛び、膝蹴りを叩き込む

そのとなりで僕も飛び蹴りをくらわせた

とお!

これで終わりですね。

遅れてやってきたマルベリーさんとティスさん、それとトゥアレタとピュエロスも入室してくる

全員集まったわね。証拠を探しましょう。

さ~て、証拠、証拠、

室内を物色すること数分、資料を見つけた。

オフィーリアさん!ありました!

こっちもあったわ!

6人で資料を見る。

これが横流し品のリストのようだ。

ふんふん、なるほど~。

皆が調べているすぐ横で地下室を見つけた。

これは・・・オフィーリアさん!

オフィーリアさんと一緒に降りてみると

大量の水槽が並び、中に人間が浮かんでいた。

何かの研究施設のようだ。

水槽と直結した機械基盤の上に何枚かのファイルが置かれている。

その一文にはこう書かれていた。

強化兵士、サイフォスに代わる新たな戦士と書かれている。

ゼロス!

オフィーリアさんが読んでいたのはずいぶん古い手記のようだ

パラパラと手記の内容を読み込んでいく

大型兵器トゥリスカ・エンポリアーは魔王を模して作られた兵器だ。

しかし巨体を動かすため膨大な魔力を発生させることのできる人間が必要になる。

動力として産み出された強化兵士たちは副次的効果で強靭な身体能力を得ることも認められた。

私はこれをサイフォスと名付け生涯の研究課題として昇華させていくつもりだ・・・。

オフィーリアさん・・・これはいったい・・・。

僕とオフィーリアさんは驚きの表情でその手記を見ていた

そのときだった。

そ、そんな・・・。サイフォスが産み出されたのは人々の平和のためじゃなかったのか!

ティスだった。

彼は頭を抱えて部屋の中をうろうろし始めると水槽の中の人間を次々見て

うう・・・。

声をあげ泣きそうになる。相当取り乱しているようだ

ちょっとティス!

うう・・・ううううう!ううううう!

錯乱するティスさんにオフィーリアさんが手を差し伸べるとティスさんはその手を払いのけた。

何これ、何これ、何これ!何これ!何これ!

凄まじい取り乱し方だ。

いまにも意識が飛びそうな早口言葉だった。

オフィーリアさんが言った

資料を読み込むのはあとにして、いまは屋敷の探索を優先させましょう。私はティスを見てるからゼロスはみんなをお願い。

わかりました。

それから僕が加勢したことで戦いは早々に終わり、アジトに戻るとみんなで祝杯をあげることになった。

かんぱーい!

「「かんぱーい!」」

サイフォス皆で喜び合う。

ティスさんはどうなっただろうか。

はははっ!ゼロス!お前やるじゃないか!

すごいすごいと思っていたけど敵の集中砲火を前に前進するなんてすごすぎますよ!

ああ、お前はすごいよ

と、マルベリーさんも認めてくれる

次期サイフォスが認めてくれたのは大きい功績だ。

いた!オフィーリアさん!ティスさんはどうなりました?

ティスなら部屋にこもって出てこなくなったみたい。

そうでしたか。

マスター飲んでます?

飲んでますか!

うわっ!

頭から肩にぶつかってきたのはトゥアレタとエリザベートだった

ふたりとも相当酔っているようで顔が真っ赤だ。

トゥアレタもエリザベートもお疲れさま

あははは~!オフィーリアさんもいつもお綺麗ですね!

ええ、トゥアレタありがとう。

トゥアレタもエリザベートも飲みすぎよ。

ピュエロスが注意する

ピュエロス、ふたりを頼む

はい、マスター。

そう言ってピュエロスがトゥアレタを連れていく

祝福の言葉を受け流しながら僕とオフィーリアさんはグレム戦士長のもとへと向かった

お疲れ様です。オフィーリアさん、ゼロスさん、

グレム戦士長、お話があります。

何でしょう。

実は・・・

僕たちは地下室で見たものと資料の内容をグレムさんに話した。

グレムさんは言った

サイフォスのこと・・・私は知っていました。

そんな!

それを聞きオフィーリアさんが狼狽する。

ごめんなさい。言えば皆サイフォスに誇りを持てなくなってしまう。そう思うととても言葉にできなくて

グレムさんがつらそうに言っている

それはそうかもしれないですが・・・。

オフィーリアさんたち現場の戦士からすれば信じてほしかったのだ。

グレムさんは言った

そう、私たちサイフォスは本来、禁断の兵器を動かすための動力、戦士として能力は偶発的に生まれた力にすぎません。

ですがそれは自分たちの生き方を決めることとはまったく違う。そう信じて私は今日までサイフォスとして戦い続けてきた。

サイフォスを組織し維持する理由は単なる王国の平和ためだけではない。

二度とあの忌まわしき兵器をこの世によみがえらせないための組織なのです。

そのために私は国王様と約束しました。

サイフォスを二度と兵器として扱わず、サイフォスを生み出す技術もこれを破棄するものとすると、

王国はもはやサイフォス製造方を持ち合わせていません。

サイフォス化手術は私たちだけが扱える代物なのです。

オフィーリアさん、ゼロスさん、真実を知りこの組織を去るかはあなた方の自由です。

オフィーリアさんは重苦しい表情で言った

私は・・・このまま・・・戦士として正義のために戦う。あなたのことも変わらず師として崇めるつもりです。けれど、もう秘密はなしにしてください

約束しましょう。我が友よ。

重い話を済ませ。

僕とオフィーリアさんは祝杯の場に戻ると

弟子たち3人が僕を祝ってくれる

少し酔いがさめたのかトゥアレタが改めて言った

ああー。マスター、おめでとうございますーー。

ピュエロスが言った

おめでとうございます

エリザベートが言った

おめでとうございます!

トゥアレタとピュエロスもエリザベートもありがとう。

それからしばらく飲み続け、足を建物のテラスへと向ける。

外に出ると夜風が涼しかった。

あ~いたいた!

オフィーリアさんが酔っ払い手すりにもたれかかる

しばらくそうしていたが見ていて意識がもうろうとしてのがわかる。

僕はオフィーリアさんを抱えて部屋へと向かった

ほら、オフィーリアさん着きましたよ。

うーん、ありがと~。

彼女をベッドにおろし、寝顔を見て、少しくすぐったい気持ちになった

自室に帰ると今日一日のできごとを考えながら窓の外を見た

街の通路を若者たちがワイワイと騒いで歩いている。

サイフォスのみんなからはよくしてもらっている。

それは僕自身もそれがうれしく、ありがたかった。

ただ、心血を注いで育てた弟子たちとはまた違うのだ。

僕にもあんな仲間たちがいたんだ。

そう思ってなくしてしまったものの大きさを改めて感じるとなんだが気分が落ち込んだ。

いまも彼らと彼女たちの怨嗟の声が聞こえる気がした。

トン、と足音がして向かいの建物を見るとマスターアカーテスが立っていた。

マスター!いつの間に!

ゼロス、戻ってきて早々すみませんが、また私は別の世界の魔王から人々を救うため行かなければならなくなりました。

そんな!また行ってしまうのですか!

ええ、残念ながら。

できれば一緒にいてほしかった。

マスターと話をすると弟子たちのことも気が楽になれたからだ。

そうも言っていられないのもわかってはいるが。

僕は、ない元気を振り絞って強がって笑ってみた。

トゥ、トゥアレタとピュエロスはこのまま僕が請け負います。マスターはご自分の使命を果たしてください。

ありがとう。ところでゼロス、さきほど親しげに話をしていたあの女性は誰でしょう?

彼女はオフィーリアさんと言っていまお世話になっている方です。

そう、オフィーリアさんと言うの。彼女がいればあなたはきっと大丈夫。

え・・・そうでしょうか?

そうですよ。自分だけではない。あなたを愛してくれる人を信じなさい。あなたはひとりではないのだから。

すっ、と心の中に入り込むような言葉だった。

そうだ。言われてみればオフィーリアさんといるとどこか、ほっ、とすることが多い。

妙にふに落ちた。

はい・・・マスター・・・アカーテス・・・。

僕は言葉少なくそう返事をした。

ゼロス頼みましたよ。

天使型魔法生物であるキュクノスに手を引かれマスターは行ってしまった。

マスター、頑張ってください。僕も頑張ります。

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