17 秘密警察のような武装集団
夜、窓の外を見張っているとオッペリアさんが扉から出ていくのが見えた。
途中馬車が現れ荷台のテントから手が伸びる
オフィーリア!
ええ!
そう返事をしてオッペリアさんが手をつかみ馬車の荷台に飛び乗った。
流れるように乗り込んでいる。何度も経験した乗り方は完全にプロの動きだ。
彼女は国王のために存在する何かの組織に所属しているようだ。
組織名はサイフォス・・・だったか?
まさか僕に気がつかれているとは思っていないだろう。
ついでにコードネームのようなものがあり彼女は仲間たちからオフィーリアと呼ばれていることがわかった。
はっ!
窓から飛び降り、ストンと地面に着地するとオフィーリアさんの背後を追いかける。
シュバ!
オフィーリアさんたちを乗せた馬車は屋敷の前に来る。
中から全身フルメイルの騎士たち降りてくる。
間違いない。オフィーリアさんたちだ。
マルベリー!俺、不安だよ。
そのマルベリーが言った
ティス安心しろ。俺とオフィーリアがいる。
オフィーリアさんは言った。
ティス、しっかりしなさい!
は、はい!
よし、みんな行こう!
こそこそと壁をよじのぼり、監視の雇われ兵を背後から切り捨てていく。
見事なのは建物内にいた8人の監視をそれぞれのメンバーがそれぞれ暗殺したことだ。
はああーー!
マルベリーが目にも止まらない速さで切り裂き、瞬時に4人を叩き斬る
はあ!
ティスも言動に似合わず敵を難なくぶった切り
でや!
オフィーリアさんも背後からの一撃であっさりと殺害、さらには目の前にいた敵を殴って昏倒させる
はあ!
あと・・・名前わからない4人目の人も奮闘しているようだ。
ん?見間違いでなければフー・ヴノの城にいた。キツネの魔物だ。人の中にまぎれて生活しているようだ。
マルベリーさんが言った
これで、エントランスは制圧した。伯爵は二階だ。急ぐぞ!
それからさらに侵入し通路をすぎ、階段をすぎ、また通路をすぎ、扉の前まで来た。
マルベリーが扉を蹴破ると
狼狽する貴族の男が現れる
な!なんだ!お前たちは!
オフィーリアさんは机の上に土足で乗り上げると剣を突きつけた
サイフォスだ!
サイフォスだと!王直属の番犬どもが!
オフィーリアさんが言った
エドガー伯爵だな!貴様の悪行はすべて知っている。
国家にあだなす反逆罪で貴様を国王陛下のもとに連行する!
オフィーリアさんの後ろにいたティスが言った
とっとと観念しろ!
くっ!くそぉ!誰か!誰かいないか!
無駄だ!お前の護衛は全員始末した!
突然、エドガー伯爵は目を大きく開け、口を大きく開いて、まぬけな変顔をすると言った。
ほな、さいなら~。
ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!
爆発!貴様正気か!
この国のため、妻、子すら焼いて見せよぉぉ~こんがりとな~!
次の瞬間、エドガー伯爵もろともイスが爆発した
はあ!
マルベリーがティスの前に飛び出すと爆発の残骸をすべて剣で弾き飛ばす
危ない!
僕も瞬時に姿を現すと
双剣杖を振るう
黒魔法・メラース・トイコス!
黒魔法最上位障壁が何重にも出現、全方位に張り巡らされた。
ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!
爆炎は晴れず黒い結界の外は炎に包まれていた。
マルベリーが言った
ティス大丈夫か
ああ、ありがとうマルベリー。
ゼロス!と言ったあとに、オフィーリアさんはなぜ見ず知らずの僕の名前を知っているのかという矛盾に気がつき、しまった!と顔を歪める。
オフィーリアさん、大丈夫ですか?
何者だ!
ティスが僕に剣を向けると背後でマルベリーも僕に剣を向けた
やれやれ、助けたのに剣を向けられるとは、なんにせよその前に一度避難しましょう。
そう説得してメラース・トイコスで炎を地面に押し付け、鎮火
道を作り火の海を抜け、人が集まる前に場所を移動した。
人気のない道の隅に来る。
改めて自己紹介するとゼロスです。そこのオフィーリアさんのお世話になっている同居人です。
人違いだ。
即答で否定された
オッペリアさんバレてますから。
即答で言い返した。
オフィーリア!お前の連れか?
オフィーリア様!いつの間に!
だがそれなら身元はしっかりしているようだな。
甘いですよ!マルベリー!
ティスが叫ぶと剣を抜き、いきなり斬りかかってきた。
よせ、ティス!
オフィーリアさんが止めようとするが立ち位置が遠く間に合わない。
まぁ、心配はないのだが。
はい。
双剣杖を抜き、平然と刃を受け止めた。
遅すぎる。ハエが止まりそうな速度だ。
それを見たオフィーリアさんが驚愕する。
ウソ!ただの人間が、サイフォスの剣を受け止めた!
サイフォス、察するに平均よりはるかに強い戦士なのかもしれない。
くっ・・・くうううううう!
ティスさんが力を込める
なぜかすごい形相でにらまれている。
はい。
わっ!
いくら力を込めてもおかまいなしに双剣杖をひねるように振るい、ティスさんの剣を巻き込む。
ティスさんの体が上下反転して床に叩き伏せられた。
カンカラカーン!
剣が床に転がり落ちる。
僕はできるだけ敵意を込めず笑顔で言った
まだやります?
ただそれが意図せず嫌みに聞こえることもある。
激昂したティスさんは果敢にも立ちあがり挑んできた
ふぬ!
剣で救い上げた石つぶてが弾丸となって飛んできたので手の平で受け止める。
グサ!グサ!
1のダメージ
刺さったが小さく血が出るのみ。
ほぼ痛みはなく。顔色ひとつ変えずに石を投げ抜いて捨てる。
それを見たティスさんは素早く回転するように体勢を立て直すとまた襲いかかってくる
タフな!つもりかあぁぁぁぁぁぁ!
ティス!
オフィーリアさんが間に割って入り
ティスさんの動きが止まる。
オフィーリア様!
いいから、向こうに行ってて!
しかし!
いいから!
・・・くっ・・・わかりました。
戦意を削がれ、トボトボと行ってしまう。
改めてゼロス、ごめんなさい。いまの戦いを見てあなたの力、普通じゃない。あなたは・・・いったい。
しがない魔法使いですよ。




