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16 オッペリアさんの裏の顔

宿屋で受け付けの仕事をすることになった。

オッぺリアさんは言った

店番お願いね?私は買い出し行ってくるから!

えっ!僕ひとりでですか!

手順は教えたでしょ?すぐ戻るから、頑張って!

行ってしまった。

カランカラン

来店を知らせるベルが鳴る

い、いらっひゃいませぇ~、

緊張から言葉を噛む

はん、

鼻で笑われた。

弱そうだとなめられているのだろう。

へ、平常心、平常心だ。落ちつけえ。あとで大けがするよう呪っておこう

次の客

お、お一人様でしょうか?

笑顔を崩さず接客する

物腰の丁寧なよい客だった

次の客

チャリン、お金を投げられた。あとで病気になるよう呪っておこう

次の客

こちらが部屋の鍵になります。

ちっ!

鍵を引ったくられた

お、怒ってはいけない。怒るな。怒るな。

拳を固く握りながら怒りに耐え、男の背が見えなくなるのを待った。あとで呪っておこう

次の客

はい、いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?

はい。

お部屋は~・・・いまですと、そちらの廊下の突き当たりにある部屋になります?

じゃ、それで、おい、お前らいいよな?と仲間たちに声をかける

いいよ。

いーよ。

ごちになります。

部屋の前までお通しする。

ふう、なんだ。簡単じゃないか。

カランカラン

はい!いらっしゃいませー!

それから来店したお客さんを部屋に通し

オッペリアさんも戻り、夜を迎えると

今日はご苦労様。

手料理を振る舞ってくれる。

湯気の立った温かなクリームたっぷりジャガイモほかっほかのクリーミーなシチューだ。

うまそー!

オッペリアさんは両手の指を組むと目をつぶった

主パリョ・テオスよ。

わたしたちに糧を下さり。

日々の恵みと繁栄を下さり。

その大きな御心でわたしたちを包んで下さり。

この地に生けるわたしたちに愛を下さり。

わたしたちに健やかな日々を下さる。

感謝の祈りを捧げます。

オッぺリアさんは死んだ神の名を祈りの対象にしている。

・・・貧しい人に、悲しむ人に、迷える人に、生けるすべての人々に天の恵みをくださり感謝いたします。

お祈りが終わると

はい、どうぞ。

ではさっそく。モグモグ、ううん!おいしいです。

そう?ふふん、これでも私料理には自信があるから。

そうだ。これ初日を頑張った記念にあげるわ。

そう言ってオッぺリアさんは引き出しから奇妙なアクセサリーを持ってくる。

ドリーム・キャッチャー、魔除けよ。

ありがとうございます!


・ドリーム・キャッチャー「オッぺリアさんからもらった魔除け」


さ、食べましょうか。

そう言ってオッペリアさんも食べていく

笑顔になったオッペリアさんの表情が印象的だった。

カランカラン、扉のベルの音が鳴ると

男女の冒険者が入ってくる

いらっしゃいませ~!

二名様ですね?

こちらの紙にサインをお願いします。

嫌な客も極たまに来る程度、最近では馴れてきていた。

カランカラン

オッペリアさん、お帰りなさい。

あー、雨に降られちゃった。

二人で宿屋の裏にある居住スペースに移動する

はい、どうぞ。

僕がタオルを渡すと

ありがとう。

そう言ってしずくを拭き取っていく。

その間に風呂場に移動すると

いまお風呂沸かしますね。

お願~い。

お風呂を沸かして台所に向かう。

何か温かいものでも飲ませてあげよう。

ポッドを火にかけて

廊下に出ると

わっ!

下着が脱ぎ散らかしてあった。

ひとつをつまみ上げる。

で、でかい・・・。

それにしても脱ぎ散らかしてだらしがない人だ。

下着をバスケットに投げ入れておく。

カランカラン、扉のベルの音が鳴る。

すいませ~ん!

は~い!

いそいそと宿屋のほうに向かい接客を済ませる。

受け付けもなれたもので

やりがいすら感じていた。

1か月がすぎようとしていた。

ゼロス、ちょっと買い出しに行ってくるから店番お願いね~。

はい。いってらっしゃい。

カランカラン。と扉のベルの音が鳴った。

いつものように宿屋の経営をしていると

暇だ。

二階の会話に聞き耳を立ててみる。

壁も床も薄い建物だが、声を潜めれば常人には会話内容を判別できない。

そこはフォース・ウィザード足る僕の力量だろう。会話内容を聞き分けて見せる。

つまらない会話からおもしろい会話まで聞き分けていると

マルベリー、首尾は?

順調だ。

男が4人に女が1人。

それにこの声・・・オッペリアさんだ。なぜ?二階から?

会話を聞く。

決行は今夜だ。

予定より早いが大丈夫なのか?

抜かりはない。

オフィーリア様!

やろう!ティス!みんな!

あぁ!

おぅ!

そうだな!

我々サイフォスが国王様のためにこの国を守るの!

オッペリアさんがそう言ったのを最後に会話が終わると

カランカラン、扉のベルの音が鳴り

たっだいま~。

オッペリアさんが笑顔で入ってきた。

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