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スマホ中毒転生  作者: しいな ここみ
第二部 ようやくのはじまり

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黒いチビ

「よし、ろうか!」


 馬から降りてきた黒い女性が言った。


 ハリウスは何も言わず、ただ光の剣を背中の後ろに構えている。


「アネキ! やっちゃってください」

 アマゾネスたちがリーダーを応援してる。

「人間なんて、アネキの敵じゃないッスよ!」

「頑張れ、頑張れアネキ!」


 アマゾネスは七人いた。

 でも後ろのひとたちは闘う気なんてないようだ。リーダーにすべてを任せている。


 あたしは震えが止まらない。

 自分の体じゃないみたい。ブルブル勝手に震えてる。これが武者震いってやつ?


 アマゾネスのリーダーさんが、背中から弓を──


 矢につがえようとした瞬間、ハリウスの光の剣が、その首をはね飛ばした。


 ぽーん! と、月夜に高く飛び上がるリーダーさんの黒い首──


 あっけなかった。

 勝負はあっという間にハリウスの勝利──


「ハハハッ!」

 リーダーさんの首が、笑った。

「なかなか素速いじゃねーか、坊や」


 アマゾネスさんたちも大笑いしてる。なんだこれ……


 ハリウスもびっくりして、ただ月夜に浮かぶリーダーさんの首を見つめた。その首が、ハリウスめがけて降ってくる。


 なんだかわからないけど、あたしの出番だ。

 あたしは覚えたての上級呪文『ファイヤイヤー』を唱えると決めた。

 攻撃呪文にすべての魔力を集中させる。

 あたしの変身呪文が解けた。

 金髪そばかすブサイクに変身していたあたしが、黒髪、黒い瞳の、転生者の姿をあらわにした。


「おっ……?」

 リーダーさんの首が、空中であたしを見て、かたまった。

「おまえ……」


「ファイヤイヤーーーっ!」


 印を結んだあたしの手から、リーダーさんの首めがけ、青い炎が飛んだ。


 ぼーーーん!!


 森が大火事になった。




「ハハハッ!」

 我に返ると、目の前でリーダーさんが笑ってた。

「すげーな、リエ! おまえ、リエなんだろ?」


 見るとハリウスが、彼女らの馬の後ろに乗せられていた。気絶しているようだ。まるで狩られた獲物のように──


「ファッ!?」

 あたしも一瞬、気を失っていたようだ。


 でも縛られたりはしてなかった。威嚇する猫のように後ろに飛び退くと、「なんだこれ」と口が勝手に喋った。だって本当に、心から、何が起こったのかわからなかったから。


「リエだよな? やっと会えた! 嬉しいぜ!」

 リーダーさんが熱烈にあたしの顔を見つめながらそう言うけど、わけがわからない。

「わからないか? まぁ、わからないよな? オレだよ、オレオレ」


「ど……」

 あたしは単刀直値に、聞いた。

「どちらさまでしょう?」


「オレの名前はクロ。クロ・チビだ」

 リーダーさんがワイルドな顔をフレンドリーに笑わせた。

「あんたに助けられた黒猫だよ。覚えてないか?」


「え……」

 あの時、大型トラックに轢かれそうになって、あたしが助けた、あの……

「黒猫ちゃん!?」


「おうよ」

 色の黒い顔が、にっこりと笑った。

「ずっと会いたかったぜ。ずっと探してたんだ。ようやく会えた! あの時助けてくれて、ありがとな!」


 猫も死んだら転生するんだと知った。

 しかも人間……っていうか、魔族の女性に。



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― 新着の感想 ―
 しいな ここみさん、こんにちは。 「スマホ中毒転生 黒いチビ」拝読致しました。  やる気満々な、アマゾネスのリーダー。  部下は7人。みんな、応援に回っている。  た、戦う、の?  ほ、本当、…
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