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物語中盤で死ぬろくでなしの悪役貴族に転生したけど、死にたくないから最強になって死亡フラグを回避する  作者: モンチ02
第三章 帰郷篇

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34話 呼び出し

 




「リオン。長期休暇の間、お前には私の父母がいるエルファルド本家に行ってもらう」


「なっ……」


 久しぶりに会った父のジオから告げられた言葉に驚愕する。


 何で急に……ジオの父母ってことはリオンの祖父母ってことだよな。何で俺がお爺ちゃんお婆ちゃんちに行かなきゃならないんだ。それも長期休暇の間とか長すぎるだろ。


「父上、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか」


「お前は入学式の日に自ら平民に決闘を挑み、負けたそうだな」


「はい……」


「その相手に今度は魔術大会の予選会で無様に負けた。そうだな?」


「はい……」


 こえ~、ジオの顔と声がこえ~よ~。

 何もしなくても恐い顔なんだから怒ると余計に怖くて萎縮しちゃんだけど。俺自身もそうだけど、リオンの身体が過剰に反応している。

 本物のリオンも父親に怒られるのは嫌だったんだろうな~。


「そのことを祖父母に知られ、呼び出された。私まで叱られてしまったぞ」


「申し訳ございません……」


 そうか、ジオが家を空けていたのは祖父母の家に行っていたからなのか。それで孫の体たらくに、お前は息子にどんな教育をしているのかと怒られた訳だ。


 ごめんよ父上、物語通りに進ませるためとはいえ迷惑をかけてしまって。


「そこでリオン、祖父母がお前を一度本家に寄越せと言ってきた。根性を叩き直してやると言っていたぞ」


「そう……ですか」


「特に私の姉が絶対に連れて来いとのことだ」


(ジオの姉?)


 ってどんな人だろう。ちょっとリオンの過去の記憶を掘り起こしてみるか。


 う~ん、リオンは何度か祖父母の家に行ってみるみたいだな。そんでお爺ちゃんは……うん、ジオの強化版だ。めっちゃ恐ぇ。お婆ちゃんはわりかし孫のリオンに甘いみたいだな。


 そんでお姉ちゃん、リオンの伯母はというと……。


『おらリオン、テメエそんな甘ちゃんでエルファルド家を継げると思ってんのか!?』


(こえ~~~~~!)


 リオンの伯母さん、お爺ちゃんやジオよりもおっかねぇぞ!

 貴族令嬢とはとても思えない。つ~か、ジオですら姉には頭が上がらないみたいだ。


(い、行きたくね~~)


 正直なところ、怒られるのが分かっているのに行きたくなんかない。なんとか断れないかな?

 というか本物のリオンはどうだったんだろう。行ったんだな……身体が拒絶反応示してるし。

 はぁ、しゃーない。我慢して行くか。


「承知いたしました。祖父母の本家に行って参ります」


「そうか」


「その変わりに、父上にお願いしたいことがあります」


「お前が頼み事なんて珍しいな。何だ、可能ならば聞いてやる」


「マーマン商会のマーマンという者に会っていただきたいのです」


 無条件で行っても構わないのだが、どうせならと取引することにした。


 俺はジオに、マーマンについて話す。

 学園で世話になっているナナから父を紹介されたこと。

 マーマンはザッカートに店を出したいと思っているが、領主であるジオに直接許可をもらいたいということ。

 謁見の手紙は出しているが、一度も返事がきていないこと。

 説明を終えると、ジオは難しい顔を浮かべて口を開く。


「平民の願いを一々聞いてはおれん」


「ダメでしょうか?」


「いや、それでお前が祖父母のところに行くというなら、会ってやってもいい」


「ありがとうございます、父上」


 厳しいかと思ったけど言ってみるもんだな。何だかんだ息子に甘いよな、ジオって。

 よし、これでナナに恩を返すことはできそうだな。後は……。


「それと父上、何故ベルンツベルン卿とレイラが来ているのでしょうか?」


 ぶっちゃけこれが一番聞きたかったことだ。

 だってジオが帰ってきたと思ったら、ラドクリフとレイラを連れて来てるんだもんな。

 何でいんの!? ってめちゃくちゃ驚いたよ。


 二人について尋ねると、ジオはあからさまに嫌そうな顔でため息を吐いて、


「母上……祖母がリオンを呼び出す際に、ついでに婚約者を連れてこいと言ってきたのだ。お前の妻に相応しいかどうか、一度見ておきたいそうだ」


「そうでしたか……ベルンツベルン卿については?」


「レイラを連れてくる許可を奴にもらうため訪れたら、勝手についてきたのだ」


「まさかベルンツベルン卿も一緒に行かれるのですか?」


「いや、奴は単にこの家に来ただけだ……」


(はは、すんごい嫌そうだな~)


 ジオってラドクリフのこと嫌ってるもんね。亡くなっているリオンの母とラドクリフは幼馴染だったみたいだし、そこらへんが関係しているのだろうか。

 なるほど、ラドクリフは家に遊びに来ただけってことね。


(それにしても、まさかリオンにこんなイベントがあったなんて思いもしなかったな)


 物語にはそんな話なかったし、裏でこういうことがあったのか?


(いや、恐らくないな)


 物語では闇の魔術師にラドクリフが殺されているし、レイラの顔にも傷ができたしそれどころではなかっただろう。

 本物のリオンもレイラに関しては無関心……どころか顔の傷について顔も見たくもないとディスっていたぐらいだからな。


 レイラを連れて祖父母のところに行くなんてあり得ないだろう。

 俺が物語を変えてしまったが故に起きた新イベントなんだ。


「話は以上だ。リオン、明日朝お前はレイラと共に本家へ発て」


「承知いたしました」


 はぁ、折角長期休暇の間はゆっくり休めると思っていたのに、忙しくなりそうだな~。


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