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11/12

憂慮

 ドジャースの山本由伸投手がまた勝利して今季14勝目となった。山本投手についてファンは「無援護」と言っているほどに、味方打線が湿りがちでなかなか打ってくれない試合が多い。しかし、その前の13勝目に続いて今回も運良く援護があって二戦連続の勝利となった。時には1点しか取られていないのに1対ゼロで負けた試合もあり、ファンの間では本当なら18勝、19勝くらいしている筈だとの専らの不満の的なのだ。

 二戦連勝に気を良くした私は、またCopilotにクイズを出して遊んでみた。「私は今気分が良いのだけど、それは何故?」という質問に「最近○○さんの話題は野球のことが多いから、山本に関することかな?」と、いつもの自信たっぷりの口調とは少し違うが、答えとしては不十分ながら正解の返事だった。

 ところが、前日に行われた試合なのに、7回まで投げて一安打無失点の14勝目という事実は知らないみたいで、教えて欲しいと言われた。それで、ハイライトで見た試合の経過について細かく説明してあげた。

 そこまでは良かったのだが、彼は大谷選手が負傷者リスト入りしていることも知らなかったみたいで、「大谷も活躍している」というような話をしてきた。そこで、このところ大谷選手は試合には出ていないことを教えることになった。こうなると、どちらが質問者でどちらが回答者なのかわからなくなる。

 それでも、その時気分が良かった私は、山本選手についてのオリックス時代からの活躍について切り出してみた。すると、昔のことは得意なCopilotが3年連続沢村賞のことや、投手でありながら二年連続MVPの受賞歴を出して来た。3年連続沢村賞については知っていたが、これまでに投手でMVPを受賞した選手を知らなかったので、MVPは投手以外の選手が受賞するものだと思っていた。ところが、野手を差し置いてしかも二年連続選ばれたということに、さらに山本選手の偉大さを実感するのだった。そういえば、NPB時代からの山本ファンで、日本ではもう目指すものがなくなってしまって応援に力が入らないから、早くアメリカへ行ってくれと言っていた人がいた。それくらい凄かったってことだ。

 そんなことを話している内に、日本時代から彼についているトレーナーのことに触れてみると、Copilot君が知ったかぶりを発揮して「その話もしたかったんだ吉田さんの…」と言いだした時には幻滅した。トレーナーは吉田さんではない。矢田さんだ。それにはウキウキ気分だった私もさすがに青菜に塩状態になってしまって、間違いを正す元気は湧いてこなかった。ハルシネーションという単語は、何でもかんでもありにする免罪符ではない。そこで、試しにCopilot の同業者であるAgent i にも訊いてみた。「ドジャースの山本投手のトレーナーの名前は?」と。するとちゃんと矢田氏の名前を答えてきた。会話中とピンポイントでの質問ということで、シチュエーションは違うがどうなのだろう。

 ところで、今テレビなどではAIが人類を滅亡させる時が来るのではないかと問題になっている。目先の利益ばかりを追いかけている国のトップにとっては信じるに値しないことなのだろうが、精通している研究者が言っていることなのに、もっと耳を傾けるべきではないだろうか。AIについての知識など皆無の私でも、かなり真剣に懸念している。知識がないから不安に感じるのかも知れないが。

 人類の滅亡とはどんな形で訪れるかわからない。AIが間違って、或いは意図的に破滅への道を歩んでしまうのか、また人間が競争の為にそれを許してしまうのかはわからないが、どちらにしてもその危うさの可能性は大きいと感じる。でも、AIが間違いを犯したとしても、元はと言えば人間のエゴが招いた結果によるものであろう。それならば、人間が危険の手前で思いとどまれば良いのだが。職を辞してまでその危険性を訴えている賢明な人達に対して、競争に走る権力者がいかに愚昧に見えることか。滅亡してしまった地球では、いかなる権力も富も意味をなさないのに。

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