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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第三章 王都クエスト依頼〜新たな出会い――守護者とゴブリンキングの激闘 編

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第八十七話 アユの過去

アユが突発的に見せた、心の「隙間」。

それを埋めたのは、花がふと思い出した懐かしいメロディでした。

圧倒的な歌唱力の裏に隠された、彼女の挫折と再出発。

一方、現実ではランスと共に「ゴブリンキング」討伐の作戦会議が始まります。

少しずつ、でも確実に、物語の歯車が噛み合い始めます。

「今日から働く子だよ。みんな、仲良くしてやりな。」

ここは、小さなスナック。

年齢層高めの客が多く、歌好きが集まるスナックだ。

客層も良く、変な絡み方をしてくる客はおらず、純粋に歌を楽しみに来ている客ばかりだ。


スナックのママは、70代だが、とてもパワフルで、歌唱力は抜群。

「あ、ほら、次、歌えるかい?あたしゃ酒を使わなきゃならないんだよぉ、お願い!」

マイクを渡される。


平成半ばに流行った曲だった。


みんな、ママの歌声を聴きに来ている客ばかり。

そんな中、とんでもない歌唱力で歌いきる。

少しの静寂の後、スナックは大盛り上がり。

これが、彼女の再出発の初日だった。



ガバ!!


「うお?!アユ?」

「少しだけ……」

花は、会話の中からある程度察した。

過去に辛いことがあったこと。

おそらく、誰かに裏切られたこと。

花はそっと頭に手を置き。

何も言わずにそのまま受け止めた。


パッ


「ごめんなさいね。酔っちゃってたのかな、わたし!」


「ああ、随分酔ってるみたいだな。」

冗談混じりのやりとりだが、二人は察していた。


その後、二人は解散した。


それからしばらく、平日はこうして狩りの後、アユと話した。



週末。

珍しく妻が、子供の習い事に連れていけるらしく、午前中はフリーとなった。

ランスにメッセージを送り、ゴブリンキングの討伐の打ち合わせを予定通りすることとなった。


「すまんな急に。時間早めちまって。」

「いいよ、前は連休だったし。今日は普通の休日だからね。みんな、プライベートがあるのはわかってるから。」

(こいつはつくづくできたやつだな。将来モテるだろうな。)


「時間が無いから、端的にやろうか。

花、愚問だと思うけど、雑魚の方は……」

「ああ、とっくに終わった。」

「だろうね。ごめん、きっとそうなんじゃないかと思って、僕は特訓してたんだ。

今回はパーティ登録制みたいだから、だれが討伐してもカウントされるからね。」

「謝る必要はねえよ。狩りは俺の生きがいだからな。後は、ゴブリンキングをぶっ倒すだけだな。」

「そうなんだ。兵士に聞いたら、何人もやられてるって。けど、この時点のボスだから、そこまで強くないと思うんだ。とは言っても、並のプレイヤーは苦戦する程度に設定してあるだろうけど。多分花ならすぐ終わると思う。

後は、どうやって見つけるかだけど、川の近くに現れるらしいんだ。」


「みたいだな。なら、川沿いに歩き回って、出会したらやればいいか。」

「いや、ゴブリンキングは賢いからね。

人間の匂いで、隠れながら近づいてくるらしい。

だから、二手に分かれて行動して、一人が囮。もう一人がとどめを刺す。」

「よし!じゃあ、俺が囮だな。」

「なんでそうなんの?!防御の高い僕が囮で、攻撃の高い花がとどめが普通でしょ!」


「ん?そうなのか?俺を囮にして、きたらぶっ倒す。無理そうだったらランスが加勢する。

かと思ったぜ。」

「でも、確かに花の実力だと、それもありな気もするな。反応速度も加味すると、ゴブリンキングの初動に対応できるのも、花の方が確実か。てか、僕いらないじゃん!」


「そんなことはねえぞ?

川を移動する時、カレッジ付近から登るとする。

なら、俺のすぐ前をランスが走ってくれ。

なら、後ろにいる俺を狙いにくるんじゃねえか?」

「なんでそう思うの?」


「前のやつと出くわしたら、後ろから増援が来るだろ?だが、後ろのやつは消えても前のやつは気づきにくい。

多少賢いなら、そうなんじゃねえかなと思ったんだ。」


「な、なるほど……言われてみればそうかも。」

「おい、意外そうな顔すんな!」

「え?いやいや、そんなことないよ。

じゃあ、それでいこうか!いつにする?」

「来週の土曜日は確か、リサが少し顔出すんじゃなかったか?

俺もちょうど空いてるから、リサが来る午後までに、2人で討伐しに行くのはどうだ?」

「わかった!じゃあ。また来週の土曜日に!」


二人は解散した。ランスは花に勝つために、猛特訓しているらしい。



王宮屋上。


「アユ、時々鼻歌まじりでいるが、歌好きなのか?」

「ええ、歌は好き。わたしの特技なの。何か歌ってみせようかしら?」

「じゃあ、平成半ばに流行った、よくゲレンデで流れてた、バラードを歌ってみてくれ。」

アユは目を丸くした。

「あ、すまん、古かったら謝る。つい思い出の曲がその時期でな。

歌いやすいのでいいぞ?」

「大丈夫……わたしも、その頃の曲で、思い出の曲があるから。もしかして、こんなメロディの歌だったりする?」

アユは鼻歌で確認する。

「そう!それだ!」


アユは立ち上がり、サビを歌って見せた。

花は、その歌唱力に驚き、拍手した。

「す、すげえ……すげえのを聞いちまった。」


「ふふっ。今の歌、500万円になりま〜す。」

「高えなあ!けど、ほんとにすげえよ。プロ顔負けだ。」

「ま、一時期目指してましたからね。

事情があって……その道を辞めて、再就職した先で、初めて歌った曲だから。わたしにとっては思い出の曲なの。」


(その事情ってのが、トラウマになってるってことか。少しわかってきたぞ。)


「花になら、いいかな。全部は言えないけど。

話してもいいかもしれない。」

(な、なに?!自分から話すのか?)


第八十七話 完


第八十七話をお読みいただき、ありがとうございます!

アユの意外な特技が判明しました。花の思い出の曲と一致するあたり、運命的なものを感じますね。

そして久々のランス登場! 花の戦術眼には彼も脱帽のようです。

【感想・評価のお願い】

二人の会話や、ランスとの掛け合いが面白いなと思っていただけたら、ぜひブックマークやポイント評価をお願いします!

皆様の応援が、完結までの大きな力になります。

【コンテスト参加中!】

現在、コンテストにエントリーしております。

「この作品を応援したい!」と思っていただけましたら、ぜひアナウンスへの反応や支援をお願いいたします!

【もう一つの作品もぜひ!】

壮大な宇宙の戦記、

『Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる ー』

Nコード:N6980LM

こちらでは、才能なき者がどう立ち上がるのか……もう一つの「やり直し」の物語を描いています。ぜひ併せてご覧ください!

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