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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第三章 王都クエスト依頼〜新たな出会い――守護者とゴブリンキングの激闘 編

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第八十一話 同族

いつもご愛読ありがとうございます。

ついに語られた、花の抱える現実の痛み。

それを聞いたアユは、自分の秘密を抱えたまま、花の手を強く握り返します。

「同族」であると確信した二人の間には、ゲーム内という枠を超えた、特別な空気が流れ始めていました。

数年前。


「絶世の美女!歌姫降臨だ!この子、間違いなく、メジャーデビューできる!」


「本人の希望で、まだ素顔は晒してませんが、このまま成長すれば、大物になります!」


「うちの秘蔵っ子だ。大手の会社だが、この人材は50年に一人だ!とくに歌声がとてつもない!」


「知ってました?これは内密ですが、今世界で人気爆発中バンドの、ドラムの方と、すでにお付き合いしてるそうです!

音楽はその影響だと!

噂では婚約したとかしないとか。」


「だからまだ顔出ししねえのか!なるほどな!

まあ、そんなの、関係ない!アイドル的な魅力もあるが、この子は歌唱力だ!アイドル路線は本人を縛ってまでやるもんじゃない!」


それから一年。

歌姫は、その姿を業界から消した。



花は、今の現場を包み隠さずに、端的に話した。

「ふっ。笑えるだろ?そこで憂さ晴らしへ、という流れさ。

自分自身、判断の遅さ、未熟さには、呆れ返っている。

そこまでされて気づけよってな。」


アユは、笑わなかった。むしろ、触れた花の手を、いつのまにか強く握っていた。

今度は、アユが震えていた。


「ごめん……想像していた以上だったから。

もっとこう。彼女にフラれた。とか、そんなありふれたことだと思ったの。

軽く聞いてしまって、本当にごめんなさい。思い出したくないから、ここにいるのにね。」


「いや、いいんだ。こうやって、ネタにしてでもやり過ごさないと、いくらゲームの世界に入っても、現実からは逃げられない。

向き合うしかないんだ。」


アユは、目の前のお酒を飲み干した。

「お、おい、大丈夫か?リアルの体調には影響なくても、バイタルスキャンで酔いとか誘発されるって聞いたぞ?」

「ふーん、そういうのは詳しいんだ〜。」

(え?もしかして、そこまで強くない??)


「なんちゃって!

実は、お酒は強すぎるから、多分酔いを誘発されることは稀だと思うなあ。

じゃあ……わたしも話さないと、フェアじゃないよね。」

「いや、気にするな!無理に話さなくていい。

人それぞれ事情があるんだ!

アユにとって辛いなら、話さなくて構わない!

もし、気が向いたらでいいから!アユのペースでな!」


「花は、優しいね。これで見た目が良ければ、もうハーレムだな。」

「それを言うな。一番落ち込む。………ぷ!」


二人は笑い合った。

いじりと自虐が上手いネタとして二人のツボに入る。

「ありがとう、花。けど、これだけは言わせて?

わたしとあなたは、同族よ。

それだけは言える。

ゲームの中で、こんな気持ちになったのは、初めてなの。

あの……その。花が迷惑じゃなければ、フレンド登録させてもらえない?

やっぱり、いくらゲームの中でも、異性との交友は、ダメ?」

「いや、かまわん。俺の交友なんぞ、気に留めてなどない。むしろ、俺も同じことを考えてた。

アユ、これからまた色々教えてくれ。

俺、このゲーム、まだ進み出したばかりなんだ。アユがいると、心強いよ。」


アユはドキドキしていた。

今まで数多のイケメンたちに告白されてきたが、そのどれとも違う感覚だった。

恋愛なのか、なんなのかすらもわからない。

顔は真っ赤になっていた。

「と、とんでもない。ありがとう。……よし、これで登録できたわ。」

「ん?なんか赤いぞ?ついに酔いがきたか?」

「そ、そ、そ、そうかしら?気のせいよきっと!さぁ、夜はまだ長いわよ?」

(え?!まだ飲み続けるの??)


ひと段落したかと思えば、酒はまだまだ進むのだった。


第八十一話 完

第八十一話をお読みいただき、ありがとうございました!

互いの傷を認め合い、フレンドとなった花とアユ。

二人がこれからどう歩んでいくのか、そしてアユの隠された過去が物語にどう絡んでくるのか……。

次回もぜひお見逃しなく!

【応援のお願い】

物語が核心に迫っています!

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