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第四話  ドロップと換金

※この物語はフィクションです。

ゲーム世界を舞台にしていますが、

ときどき現実の「自立」や「依存」を思い出す描写が含まれます。


もし、

「自立って何だろう?」

と考えたことがある方に、

何か一つでも残れば嬉しいです。

皆さん、自立とはなんだと思いますか?


仕事で稼げるようになること?

一人暮らしの出来る家事スキルがあること?

金銭の把握が出来ること?


どれも正解です。


俺の妻は、母親と二人暮らし

結婚までそうして生きてきた。

そのせいか、家事は「誰かがやることであり。自分は気が向いた時だけ」が当たり前となっている。

自分がしたくないことを親がやってくれるのが当たり前、そのかわり、親の言うことを聞くのが当たり前。互いにそう思っている。

そう、それは依存関係、支配関係の出来上がり。

「してあげてるんだから、言うことを聞け」

「娘にとって必要とされたいから家事は私がやるわ」という、孤独感から娘を手放せないでいるる母親。

親離れ、子離れが出来ない象徴だ。


そんな人と結婚したらどうなるだろうか。


休みの日の朝、スマホが鳴る。

「今日はおかあさん休みだから、どうするか聞いてからね」

その一言で、その日の予定は消えた。


なんで別居なのに、プライベートまで合わせないといけないんだと、つくづく嫌気が差していた。

「いつもおかあさんによくしてもらってるから、言うことを聞くのが当たり前!だからおかあさんが休みの日、私たちとどうしたいのかを聞いてからじゃないと無理!」


なんなんだこれは、、、


これじゃ、人生を支配されてるのと同じじゃないか?


そんなことを、スライムらを蹴散らしながら思い出していた。



このように、俺は過去にされた仕打ちを思い出すことが増えた。

そして、その分をこのゲーム内で発散させる日々。

最高だ。

「そーーーらそらそらそらーー!○ねーーーー!!!」

ぐげーーー!バタバタバタバタ、チャリン。


この世界では、モンスターを倒すと、経験値以外にも、お金が手に入る。

また、アイテムも多少ドロップするのだ。


「なんて良心的なシステムだ。うさばらし出来る上に、給料をもらえるなんてな、、、まあ、使い道なんてないけどな!」


ドロップアイテムもギルドの受付でお金に換金できる。

また自分が所持しているお金も、ギルドで貯金出来るのだ。

「このドロップアイテムはレアアイテムですが、換金しますか?」

NPCは機械的に言う。

アイテムにも全く興味は無かったため、何かまではみていなかった。

「じゃあ、レアアイテムは無し。それは貯金と一緒に保管しといてください。」

「かしこまりました。」


「ふう、今日もうさばらし出来たぜ。いつかこのゲーム作った人に、感謝を伝えてえなあ」


うさばらし目的のため、ゲーム内容についてはついでだ。

だから、やりながら少しずつ学んでいく。


しかし、俺にはそれもどうでもいい。

今は、思い返す理不尽さを、ただ払拭するためだけにこのゲームにもぐる。

それだけで良かったのだった。


しかし、この時の俺はまだ知らない。

この換金やレベル上げが俺の人生を動かすことに繋がろうとは、、、。


第四話  完

今回は少し重めの回でした。


このゲーム世界では、

倒した分だけ経験値が入り、

働いた分だけお金が手に入ります。


でも現実では、

努力しても報われないことや、

誰かの都合で人生が止まってしまうこともある。


だからこそ主人公は、

この世界に「救い」を感じています。


次回からは、

ゲームとしての仕組みや成長にも

少しずつ踏み込んでいく予定です。

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