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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第五章 運営の依頼〜歓楽街潜入捜査ーー異種族との出会い 編

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第二百三十二話 どうせなら

いつも『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』を応援いただき、本当にありがとうございます!

宿屋で目覚めたお尋ね者・タイカマクスからエリア5の治安や物流の裏側を聞き出した花とロット。彼が孤児院にお金を流すために悪事を働いていたというベタすぎる事情に呆れつつも、捕まった彼を「後で雇ってやる」と約束しました。

さらに目覚めた少年・アルがダンジョン都市の出身であることが判明! 最強の案内人を得て出発しようとしたその時、背後から「ちょーっと待ったーーー!!!」と呼び止める声が聞こえ……!?

気になる展開から始まる第二百三十二話、ぜひお楽しみください!

「あ、いけね、すっかり忘れてた。」

「絶対わざとだろ!お、おれも解放してくれ!絶対暴れたりしねえから!」

花とロットはお尋ね者をジッと見る。

「お、お前らを目の前にして暴れるわけねえだろ。おれもそこまでアホじゃねえよ。」

花はお尋ね者を解放した。

「そんで、お前はどうするんだ、お尋ね者。」

「俺の名前をお尋ね者にするな!俺は、タイカマクスって言うんだ。みんなは俺を、タイカかマクスって呼んでる。ま、好きに呼んでくれ。」

「じゃあ……二文字とって、カスって呼ぶのはどう!?」

「変な場所の文字抜き取ってんじゃねえよ!!」

「ぷ!カッカッカッ!ロット、なかなか斬新だな!」

「わたし、この子にしたこと、まだ許してないから、いくらこの子が喧嘩ふっかけたからって、あそこまですることないじゃない。」

「だ、だから、それは悪かったって……」

「カス、お前、美人に弱いだろ?」

「だ、か、ら、その、カスってのはやめろー!頼むー!」

「ぷ。あははは。」

少年は我慢しきれずに笑った。

「お?やっと笑ったな。」

「うん、やっと笑った!良かった!」

「へ?お前ら……」

タイカマクスはキョロキョロしている。

「あのなあ、いくらなんでも、カスってのはねえよ、カッカッカッ!悪かった。タイカか、いっそのこと、タイガーにしたらどうだ?」

(そう、お前は孤児院の出身なんだろ?こいつの名前設定した運営、確実に年輩だな。)

「お!タイガー、虎っぽくてカッコいいじゃん!」

「そ、そうか?なら、今日からタイガーって名乗ることにするぜ!」

タイガーは顔を少し赤くする。

(ま、ロットは全く気がついてねえよな。中年か年輩じゃねえとピンとこねえわな。オタクなら知ってそうだが。)

「タイガーさん。僕、もう気にしてないから大丈夫だよ。元々は僕が悪いんだし、僕のほうこそ、ごめんなさい。」

「お、おう。ありがとよ。えっと、お前、名前は?」

少年は、首から下げたプレートを見せる。かなり古いものだ。

「アルトリウス?って読むのか?」

「うん。多分。僕、孤児なんだ。だから、誰が付けたのかもわからないんだ。」

(こいつ孤児か。コリスといい、出生がわからないキャラが多い気がするのは気のせいか?)

「なげえな。じゃあ、アルって呼ぶが、いいか?俺は花、こっちはロット、こいつがカスだ。よろしくな。」

「だ、か、ら、タイガーって今言ったとこだろーがー!!」

「ぷ!あははは!お腹痛いよ花!勘弁してー!」

「て、てめえらー」

その光景を見て、アルも笑っていた。

ギルドにて。

「な!?あなたは、お尋ね者になっていた、タイカマクス!捕まえたのですね!?」

「ああ、俺たちが捕まえた。なあ、こいつはこの後どうなるんだ?」

「わたしたちが引き取り、報酬をあなた方にお渡しします。」

受付嬢は淡々と答えた。

「もし、報酬がいらねえって言ったら?」

「え?それはまだ実例がないですね。どういうお考えか教えていただけますか?」

花は簡単に事情を説明した。

「そうでしたか、ですが、どんな事情があろうと、窃盗をした罪があります。」

「じゃあ、こいつから出た報酬で、窃盗したところに全て支払うってのはどうだい?別に、命は取ってねえんだろう?報酬金で支払っても、こいつが窃盗した額より安いのかい?」

「い、いえ、報酬金の方が三倍ほど高いです。」

「なら、倍返しということで、今回は釈放してくれねえか?」

「わかりました。今回は特別に、釈放します。」

タイガーは無事に釈放された。

「じゃあ、俺たちはダンジョン都市へ向かう。タイガーも気をつけてな。釈放されたら俺に雇われろなんて言ったが、アルがいるから大丈夫だ。もう悪さすんじゃねえぞ?」

「タイガー、その強さは、こんな子たちを守るために使ってね、約束だよ?」

「お、おう!約束する!」

(なーに顔赤くしてんだコイツは、まあ、歳知っててもこの顔とスタイルに言われたら赤面するわな。)

花、ロット、そしてアルの三人はタイガーに背を向け、アルの指示の通りに歩き出す。

エリア5の最北端に到着した。

「場所はここが一番近い。後は、どうやって渡るかだけど、コツがあるんだ。」

花はタイガーにもらった地図をアルに渡す。

「この矢印、実は少し違ってる。スタート地点もズレてる。この地図で言うと、こっちなんだ。」

「ん?遠回りってことか?」

アルは首を横に振る。

「違うよ。ここらは見た目は砂だけど、山になってるんだ。この山のこのあたりに、秘密の通路がある。ダンジョンで言うところの、隠し部屋みたいなものさ。中に入るといくつか魔法陣があって、ここに転送されるようになってる。」

「ほほう。これならすぐに到着しそうだな。」

「うん。歩いても2時間くらいで到着するよ。」

「よし、じゃあ行くか。」

「花、準備が必要。ここからは砂漠だから、初めて行く場合は……」

シャ!

花は、購入したというアイテムを取り出した。

「こ、これは何!?はじめて見る……もしかして、ラクダの代わりにこれに乗るの?」

「ああそうだ。何処でも浮いて走れるっていってたからな。多分早く着くぞ。」

花は、浮上型の移動車を購入していた。

「さ、乗った乗った。」

ロットとアルは乗り込んだ。その時だった。

「おーーーい!!待ってくれーーー!!俺も乗せてくれーーー!!」

タイガーが走ってきた。背中には巨大なリュックを背負っている。

「タイガー?どうしたんだ?」

「ゼェ。ゼェ。俺も、ダンジョン都市に、連れて行ってくれ……頼む!」

(く!頼んだはいいものの、やっぱり無理だよなあ……)

「いいぞ?乗れ。早くしろ。」

「へ?」

タイガーはすぐに乗り込んだ。

「そんじゃ、いくか!」

移動車は軽快に発進した。

「わ!す、すごい、これならすぐ到着するよ!」

アルは目を輝かせていた。

しばらく走ってから、タイガーから質問があった。

「なんですんなり乗せたのか?まあ、別に断る理由は無かったからかな。移動車は割とでけえし、どうせ一人増えても同じだろ?」

「え?いや、邪魔じゃねえのか?」

「そうだな、じゃまと言えば、その巨大なリュックだな。ほれ、これに詰め替えとけ。」

花は試作型のポーチをタイガーとアルに渡した。

「な、なんじゃこりゃ!?全部収納できた!」

「すごい!都会にはこんなアイテムがあるんだね!」

アルとタイガーは目を輝かせている。

タイガーは連れて行ってほしかった理由をみんなに話した。

これからまともに生きるためには、自分で稼がなくてはならない。そのため、また冒険者からやり直そうと言う理由だった。

一度お尋ね者になっているため、エリア5や中央にはしばらく顔も出せないため、ダンジョン都市でしばらく暮らそうと思ったのだ。

「目的地が一緒だからな、どうせだからみんなで行けばいいさ。」

「ありがたい、俺にできることがあれば、なんでも言ってくれ!」

砂丘を遠回りする最中。

「あ、この辺りに魔物が出るから、でも、倒しちゃダメだよ!」

(ん?なんで倒したらいけねえんだ?)

その時だった。

ザバーーー!!!

砂の中から、巨大なワームが飛び出してきた。

「ぎゃあーー!!で、でけえ!!」

タイガーは叫んだ。

花とロットは武器を構える。

「ダメだ二人とも!お願いだから、あの子と戦わないでー!」

すると、ワームはこちらを睨みつける。

(あんにゃろう。)

キッ!!

花も威圧を発動した。

ビクー!!

ワームは怯んで砂に伏せた。

「僕だよ。アルトリウスだ。わかるかい?」

アルはワームに話しかける。

「あ、アルトリウス!?おお、久しぶりだな!

少し大きくなったか!?」

「な!?魔物と会話!?こいつ、話せるんだな!」

「そうだよ。個体によっては話せるものもいる。この子は僕らと同じ言語で話せるけど、違うのもいるからね。」

「ふーん、なあ、アルはこいつと知り合いらしいが、もし俺たちじゃ無かったら?」

「多分、足止めされてた。この子は、悪いのが来ないか、見張りも兼ねてるんだ。けど、この子が伏せたのは、はじめて見たよ。花たちは強いんだね!」

しばらく進むと、アルの指示で移動を止めた。

「ここだよ。このポイントを地図で記憶しといてね。ここからは合言葉が必要なんだ。合言葉を言うと、門が現れて、中に入れるんだ。」

花はアルに話しかける。

「まさか、その合言葉って、ひらけごま、とか言うんじゃないだろうな。」

「え?なんで知ってるの!?」

「え?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。

「………………」

山が形を変えて、大きな門が現れて開いた。

「すげえ、映画みてえだ。」

(ひらけごまって……まんまじゃねえか!)

移動車で、中に入ると、魔法陣がいくつもある。

そのうちの一つが、ダンジョン都市の魔法陣。

アルの指示通りに魔法陣に立ち、すぐに転送された。

魔法陣の空間を出ると、自動的に門は砂の中へ消えた。

目の前には、巨大な都市が広がっており、中央には巨大な塔が建っていた。

ロットは目を輝かせている。

「わたしたち、ダンジョン都市についたんだね!」

「さあ、あっちが入り口だよ。行こう!」


第二百三十二話  完

第二百三十二話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

お尋ね者・タイカマクス改め「タイガー」の釈放から始まった今回。花さんの機転の利いた交渉により無事に罪が雪がれ、まさかの「ひらけごま」というコテコテな合言葉や、浮上型移動車での爽快な砂漠越えなど、コミカルでテンポの良い大冒険が描かれました!

アルと巨大ワームの心温まる再会や、花の威圧にビビり散らかす魔物の様子、そして試作型ポーチに感動するタイガーとアルなど見どころが盛りだくさんでしたね。

そして一同はついに、中央に巨大な塔がそびえ立つ目的地「ダンジョン都市」へと足を踏み入れました!

「タイガー改名の流れと花さんのツッコミが面白すぎる!」「『ひらけごま』が本当に合言葉で草w」「花の威圧にビビるワームが可愛い」「浮上型移動車での移動が快適そう!」「ついにダンジョン都市に到着!これからの攻略が楽しみ!」など、たくさんの熱い感想をお待ちしております!

皆様からの温かい**【コメント】、作品を見逃さないための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、hanaXIII の執筆活動を支える何よりの原動力になります。今後とも力強い応援をどうぞよろしくお願いいたします!

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ついに到着したダンジョン都市! そこで花たちを待ち受ける新たな冒険と試練とは――!?

気になる第二百三十三話も、どうぞお楽しみに!

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