第二百二十九話 準備開始
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ヒロシたちの怪しげな企みが示唆される一方、VR世界では花とロットが砂漠のダンジョンを目指して本格的な準備を開始!
重い鎧を脱いだロットの「14歳で1つだけカップを大きく設定した」という衝撃の告白に、動揺して鼻からコーヒーを噴き出す花など、二人の微笑ましいコミカルなやり取りが描かれました。
そして花の手によって、防御力はそのままに可憐な踊り子風の衣装へと生まれ変わったロット。さらに花が余った素材で追加作成したプレゼントの正体とは……!?
新たな冒険への期待が高まる第二百二十九話、ぜひお楽しみください!
シャキン……
「ロングソード!こ、この模様、もしかして、わたしの防具で作ったの!?」
「ああそうだ、元々ロングソードは俺も腐るほど持ってたからな、ロットの防具のいいとこどりで掛け合わせた。そして、これも。」
「腕当て!?」
「そうだ、盾だと片手が塞がるだろ?だから、いざという時は腕当てでガードすればいい。
元々防具だったのを、俺の余ってる盾を何重にも重ねてこの形状にしたから、強度はまあまあだと思う。」
「ほ、本当だ!この防具、ステータスがとてつもないよ!ありがとう花ー!!」
ガシ!
ロットはあまりに嬉しくて花に抱きついた。
(ぬ、ぬおおお!!や、やめろー!)
「ふ……落ち着け、旅はまだこれからだろ?」
とりあえず、昨日ある程度の準備はしたんだ。
だから、戦闘の準備ができたから、後は向かうだけだ。
とりあえず、エリア5にいって、情報を集めてみないか?」
「そうだね、場所もまだ噂程度だから、行ってみようか!」
二人は小型トレインに乗り込み、エリア5に到着した。
「ここがエリア5か……なんか、アラビアンな感じだな。」
「ここだけ、文明レベルがあまり行き届いてない雰囲気なの。砂漠に面しているのもあってか、こんな雰囲気なのかも。」
二人はターミナルから出て街へ入る。
街並みは果物屋や肉屋など、普通に買い物ができる雰囲気が広がる。
「お?ここ、ギルドか?」
「そうみたい。入ってみよう。」
二人はギルドに入る。
ギルド内は至って普通のこぢんまりとした雰囲気。
防具をつけた冒険者たちがゾロゾロいた。
花は掲示板に張り出されてあるクエストを眺めた。
「ふーん……お尋ね者を捕まえるクエストもあるのかー。」
ロットはダンジョンへの行き先を受付に聞いて回っていた。
その格好を周りの冒険者がジロジロ見ていた。
ロットは情報を聞き出したのか、スキップしながら戻ってきた。
「花!行き先わかったよ!」
「お!早えな!」
ギルド内の隅の方の一画に座って、マップを展開する。
「今いるのがここ、そして、私たちが目指すのはここみたい!やっぱりダンジョンの街はあるみたい!」
そこに、他の冒険者がやってくる。
「おいおい、そこのねえちゃん!ダンジョンの街に行くんだって?あそこまで何キロあると思ってんだ?そんな軽装じゃあ、砂漠は渡れねえよ。どうだ?俺らと一緒にクエストにでもいかねえかい?」
みるからに筋肉マッチョが防具を着た感じの冒険者。
「ごめんなさい、わたしはダンジョンの街に行きたいの。行こう、花」
「お、おう。」
二人は立ち上がり、ギルドを出ようとした。
「ちょいとまちな!なあねえちゃん!俺たちと一緒に行こうぜ!」
マッチョの冒険者がロットの肩に手をかけようとした。
バシ。
「おっと、そこまで。それ以上は無理強いだよ。」
花はマッチョ冒険者の腕を掴んで制止する。
冒険者は鼻で笑い、花を見下ろした。
「ふん、連れのあんたはなかなか威勢がいいな。俺に喧嘩でも売ろうってのかい?」
「は?おたくらがうちの仲間にちょっかい出そうとしてたんで、止めただけさ。」
マッチョ冒険者は腕を振り解こうとするが、掴まれた腕が動かないことに気がつく。
「な!?腕が!」
「もうちょっかい出さないと約束してくれるかい?」
「わ、わかった。」
パッ。
マッチョ冒険者は、その場を去る。
「ち!なんなんだあの冴えない男は!馬鹿力が!」
「……………」
「ごめん花!良かったよ、喧嘩にならなくて。」
「そうだな。揉め事は面倒だからな、すんなり去って良かったよ。」
二人はギルドから出て、喫茶店に入る。
「なかなか雰囲気のある喫茶店だな。アラビアンな空間に喫茶店……」
「ぷ。ちょっとアンバランスだよね。けど、ゲームの世界だから、プレイヤーたちに過ごしやすい設定になってるのかもね!
さっきの話の続きなんだけどさ、あいつらが言ったように、距離があるんだ。何キロも砂丘を越えなきゃならない。それをどうするかが問題なんだ。
あと、ある程度の位置はわかったけど、詳しい人が一緒じゃないと、砂漠で迷ってゲームオーバーになっちゃう。」
「ゲームオーバーになったら、どうなるんだ?」
「そのアバターは使えなくなる。と言っても、その場で動かなくなって、ログアウトする形になるかな。誰かが復活薬で助けてくれるなら、また使用可能になるけど。あとは、課金か、Gを払ってログアウトポイントまで転送して復活させるかだね。」
「PKされるときとは少しちがうんだな。」
「うん……さすがに運悪くHPが尽きちゃうプレイヤーもいるからね。せっかく育てたキャラを、無かったことにするのは少し酷だから、運営も配慮したんだと思う。」
「じゃあ、アイテム必須だな、後はガイドか……まあいざとなりゃあ、自力で探索すりゃいいさ。」
「あははは!花って結構出たとこ勝負なんだね!」
「まあ、ゲームなんだから、それくらいじゃないとな!楽しまんと損だ。」
「後は移動手段だね。馬を借りて馬車を引くか、ラクダかなあ。」
「なんか、一気に原始的になったな。砂漠ならやっぱりラクダだろう。もしかして、ラクダにもステータスとかあるのか?」
「もちろん!生き物と同じ扱いだから、ラクダにも水や食料が必要だよ。」
「なんか、それも面倒だなあ。なんかいい方法は……あ。」
「どうしたの花?」
「ちょっといいこと思いついた。ロット、一旦宿屋都市に戻ろう。やれるかわかんねえけど、試したいことがある!」
「へ!?戻るの?う、うんわかった!」
二人はターミナルへ向かった。きた道を戻り、街を通過しようとしたその時だった。
「ど、泥棒ー!!誰か捕まえてくれー!!!」
シュパ!タタタタ!!
ものすごい速さで走り抜ける小さな影があった。
「なんだありゃ?泥棒って。」
「盗人だよ。ゲームの世界ではよくあることさ。盗人はプレイヤーかNPCかはわからないけどね。」
「ロット、ちょっと寄り道してくか。」
「そうだね、何かのイベントが発生してるのかもしれないし、後をつけてみよう!」
ドン!
花はすぐに後を追う。
「は、早ー!!ま、待ってよぉ!あ!でも、かなり早く動ける!軽装になったからだ!本来の攻撃力や力のステータスが活かされてる!」
「ほう、なかなかやるじゃないかロット。ついてくるとはな。」
盗人は、とある建物に入っていく。
窓からこっそり覗く。
「上出来だー!お前、なかなかいいぞ!」
「あ、ありがとう。こ、今度また、冒険に連れて行ってくれる?」
「ああいいさ、連れて行ってやる。荷物持ちとしてな!」
「僕は、バトルを教えて欲しいんだ!だめ?」
「おいおい、そんなちびっ子に、バトルはまだ早えよ。今は俺たちのバトルをよく見て学ぶんだなぁ。」
窓の外から花とロットは盗み聞きする。
「あいつら、子供に盗みをさせてたのか。」
「うん、そうみたいだね。しかも、嘘ついてる。ん?ねえ花、あいつら見てよ。」
「な!?あいつらは!?」
第二百二十九話 完
第二百二十九話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
花から手渡された追加のプレゼントは、余り素材を組み合わせた強力な「ロングソード」と「腕当て」! 格段に軽くなった装備のおかげで、本来のステータスを発揮して軽快に走れるようになったロットの喜びが伝わってきましたね。
ギルドでは、絡んできたマッチョ冒険者の腕をサラッと掴んで制止する花さんの圧倒的な地力の強さが相変わらず頼もしい限りです!
そして砂漠越えの移動手段について「いいことを思いついた」と一度戻ろうとした矢先、街で遭遇した泥棒事件。幼い子供を騙して盗みを働かせていた不道徳な悪党たちの隠れ家を突き止めた二人でしたが……ラストで目撃した「あいつら」の正体とは一体!?
「花さんの作った装備が凄すぎる!」「絡んできたマッチョを軽々制止する花さんカッコいい!」「砂漠越えの『いいこと』って何を思いついたんだろう?」「子供を利用するなんて許せない!」「ラストの『あいつら』って知ってるキャラ!?気になりすぎる!」など、たくさんの熱い感想をお待ちしております!
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子供を利用していた悪党たちの正体とは!? そして花が閃いた砂漠越えの移動手段とは一体何なのか――!?
気になる第二百三十話も、どうぞお楽しみに!




