第二百二十五話 ロット先生
いつも『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』を応援いただき、本当にありがとうございます!
目的地の「ダイスリー王国」へ無事に入国を果たした花。
ロットの案内で向かった冒険者ギルドの「冒険者試験」では、前代未聞の巨獣を難なく撃破! 最高ランクである「Aランク」を獲得し、見事「納税免除」の特権を勝ち取りました。
無事に冒険者の証を手に入れた花は、さらなる情報を求めてロットと共に街の探訪を続けることになりますが……!?
注目の第二百二十五話、ぜひお楽しみください!
「え!花、これは!?」
「見ての通り、ポーチだ。」
「も、もしかして、アイテムBOX!?」
「そうだ。すまん、そんなものしか持ち合わせてなくて。」
「いやいやいや!これはこの国ではかなり貴重だよ!?ほら、みんなを見てよ!」
「……………」
「みんな、リュックや大きな袋持ってるでしょ?便利アイテムは普及してないんだよ。」
「ほう、なら、ロットにとっては便利グッズということか?」
「もちろん!ただ案内してるだけなのに、こんないい物をもらえるなんて。」
「確かに、ロットも戦闘のときに、そのリュックを置き捨ててたな。その中身、移せるか試してみるといい。」
ロットは一つずつポーチへ収納した。
「な、な、なんだこのポーチは、いったいくつ……そして、どの程度の大きさのものが入るの?」
「んー……測ったことはねえけど、ある程度でかいものもいけるぞ。俺の仲間は武具をしまったりしてる。」
シュン。
「すごい、これなら軽装で動きやすい。」
ロットは見るからに騎士の格好をしている。腰には剣があり、背中にはリュックを背負っていたが、武器も含めて全てポーチへ収納できた。
「まあ、これは試作品だからな、ポーチが気に入らなかったら申し訳ない。もっと小さなものでも作れるんだがな。」
「作る?花はそんなスキルを持ってるの!?」
「ああ、鍛冶スキルってのを持ってる。ビギナ大陸に、鍛冶屋の村ってのがあってな。俺は創作が好きだから、弟子入りしてるんだ。」
「せ、戦闘もおかしいのに、アイテムまで作れるなんて……」
二人は会話しながら中央ギルドへ向かった。小型トレインも利用して、ようやく辿り着く。
「ここが中央ギルド。王国の中枢だよ。この中には図書館や役所もあるから、情報を集めるにはちょうどいい場所だよ。」
「おお、すげえ。さっきのギルドより遥かにでかい。ロット先生に聞けば、サクサク前に進むな。まるで玄人のゲーマーといるみたいだ。」
ビク!
「い、いえいえ、先生だなんて!たまたまダイスリー王国でのプレイが長いだけだよ!さあ、マップ更新しに行こう!」
(なに動揺してんだ?褒められて照れてんのか?)
ギルド内のカフェに入った。
「お、ここでもできるのか?」
「プライベートな空間には、オプションで付いてるよ。」
ブン……。
マップが展開され、花のマップと同期させる。
「あ、フレンド登録したから、わたしのマップとも同期できるけど、する?」
「おお、それはありがたい、よろしく。」
花は更新されたマップを眺める。
「ほう、王都はこんな感じになってるのか……複数のエリアに分かれてる。」
「そうだよ。ちょっと説明するね。」
ロットは丁寧に説明してくれた。
王都は5つの都市で構成。王都内部を中心に円形に都市が広がる。
それぞれの都市単位で強さのランキングがあり、統一戦なども行っている。
また、王都ランキングもあり、国王直下で強さのランキングもある。そのランキングには単なる強さだけではなく、国への貢献度、クエスト討伐難易度など、あらゆる評価のもとでランキングが決まる。
「………なんか、本当に、戦闘大好きって感じだな。」
「そうなんだ。このダイスリー王国が元祖のゲームに一番近いかもしれない。結構単純だよね。」
「国土はかなり広いな。この王都全体のエリアから、さらに北にも大陸が続いている。」
「そこには砂漠が広がってるらしいんだ。噂ではダンジョンがある。わたしはまだ行ったことないけれど、何人かの冒険者はチャレンジしてるって噂になってる。」
「ダンジョンか、それはまたゲームっぽいな。」
「他にもこんな噂がある。この大陸以外にも、複数の大陸があるみたい。」
「まじか、まだあるのか、未開の大陸が?」
「そうなんだ。この大陸のすぐそばにも孤島があって、そこはモンスターたちが住処にしているって噂もある。そこへ行って狩りをするプレイヤーもいるって噂だよ。」
「ロットはすげえな、さすがだ。ロットはフリーのソロプレイヤーって言ってたよな?もうずっと一人で行動してるのか?」
「うん。前作ではギルドにいたんだけど、仲間との行動がメインで……あんまり自由もなかったからね。それに、仲間に何かあると、やっぱり心配になる。楽しい部分もあるけど、今回は自由にやろうと思ってね。」
「ふーん……うちの仲間にも似たようなこと言うやつがいるんだが、やっぱ窮屈になるもんなんだな。」
「花はギルドに所属しているの?」
「いや、そんな面倒なことは、まだする予定はない。仲間と言っても、普段話したり、一緒にイベントに参加する程度だ。特に義務付けられてることは何もない。俺がそういうの不向きなんだよな。」
「それくらいがちょうどいいよね。ここのプレイヤーたちは、やっぱり上を目指していたりするし、ゲームを楽しむためにギルドに加入したりするから。わたしはずっとソロプレイヤーとして行動してるんだ。勧誘してくれるのは嬉しいんだけど……」
「ルールや束縛が窮屈ってことか。ぷ、俺と似てるな、ロット先生は。」
「に、似てるかなあ。なかなか合う人がいなくて、本当はこうして誰かと和気藹々とゲームしたいんだけど、やっぱりみんな所属感が強くて。なら、いっそのことソロを貫くスタンスの方がいいのかなあって。」
「まあ、話聞く限り、ここの連中はガツガツしてそうだからな。まあロット先生、俺みたいのでよかったら、暇な時に誘ってくれよ。タイミング合えばまた狩りにでも行こうぜ。」
「え!?いいの?」
「ん?フレンド登録してるんだからいいよ。でも、俺も予定があったりするから断る時もある、それはお互い様ってことで気楽にやろう。カッカッカッ。」
「あ、ありがとう花。」
「さっそくなんだけど、とりあえずログアウトできそうなところを探したい。どこかいいところはあるか?」
「あるよ。森の中に自営するのはもちろんのこと、中央広場の噴水、あとは特定の宿屋。それ以外となると、特殊な場所かなあ。」
「特殊な場所?」
「例えば、国王の部下になれば、王都内部の居住区や王宮内。コロッセオや王都ランキングの上位者は、ダイスリー王国へ隣接しているコロッセオ領土の一画にある専用ルーム、とかかなあ。」
「へぇ……そんなところがあるのか……国王の部下……それは面倒そうだな。この国の配下になったら、他の国へ関わる時に面倒なことになりかねん。とりあえず、宿屋を借りるか。ロット先生、このダイスリー内の宿屋で、どこかオススメはあるか?」
「そ、その先生ってのやめてよぉ!えっとねえ……」
ロットはパネルを巧みに操作して、宿屋のリストを提示する。
「はい!これが、ダイスリー王国内の、宿屋やログアウトできる場所だよ!」
「ありがとうロット、やっぱり手際がいいな。どれどれ……」
花はホログラムのパネルをひっくり返して自分の方に向ける。そして、その一覧を見て一瞬で驚いた。
「………だ、ダニィ!?な、なんじゃこりゃ!?」
第二百二十五話 完
第二百二十五話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
花からロットへ贈られたまさかの「試作品・収納ポーチ」! 鍛冶スキルで作られた超激レアな便利アイテムに驚愕し、身軽になって喜ぶロットのリアクションが可愛らしかったですね。
そして、中央ギルドのカフェでのまったり世界観トーク! 5つの都市構造、ランキング制度、北の砂漠のダンジョン、そして未開の大陸やモンスターの孤島など、広大な世界の広がりを感じさせるワクワクの設定が盛りだくさんでした。
また、「ギルドの縛りが苦手」「気楽にやりたい」という似た者同士の二人が打ち解け、フレンドとして「暇な時に誘ってくれよ」と言い合える関係になったのも心が温まるシーンでした。
しかし! ラストシーンで提示された「ダイスリー王国の宿屋一覧」パネルを見た花さんが「ダニィ!?なんじゃこりゃ!?」と大驚愕! 一体パネルにはどんな衝撃の事実が記載されていたのでしょうか……!?
「ロットちゃん、収納ポーチで超身軽になって良かった!」「花さんの鍛冶スキルの有能さがヤバい」「ダイスリー王国の世界観、めっちゃゲーマー心くすぐる!」「ラストの花さんのリアクションで爆笑w」「宿屋の価格が物凄いことになってるのかな?」など、たくさんの熱い感想をお待ちしております!
皆様からの温かい**【コメント】、作品を見逃さないための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、hanaXIII の執筆活動を支える何よりの原動力になります。今後とも力強い応援をどうぞよろしくお願いいたします!
ーーー
【別作品のお知らせ】
もう一つの作品『Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機に人類の切り札として無双するー』も大好評更新中です!
圧倒的な魂の力で脅威を薙ぎ払う王道爽快SFバトルファンタジー! 熱狂のバトルロイヤルをぜひチェックしてみてください!
ーーー
花を驚愕させた宿屋一覧の正体とは!? そしてダイスリー王国での拠点は無事に確保できるのか――!?
気になる第二百二十六話も、どうぞお楽しみに!




