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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第五章 運営の依頼〜歓楽街潜入捜査ーー異種族との出会い 編

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第二百二十二話 ぶらり旅

いつも『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』を応援いただき、本当にありがとうございます!

成長したランスとの対戦と深い対談を経て、「一人の行動なら危険が少ない」とダイスリー王国への単身潜入を決意した花。

最新のメッセージを受け取り、ターミナルへ向かった花を待っていたのは……まさかの「受付嬢(人間プレイヤー)」からの極秘情報共有!?

そしてトレインを乗り継ぎ、前人未到の広大な森へと足を踏み入れた花が目撃した、恐るべき「懸賞金クエスト」の真相とは――!?

注目の第二百二十二話、ぜひお楽しみください!

第二百二十二話 ぶらり旅

花はログインして、ターミナルへ向かった。

「あの、メッセージ読みました。」

「花様。どうぞこちらへ。」

受付嬢は、花を別室へ案内した。

(やっぱり、ゲーム内とはいえ、キャラがリアルだな。とてもテンプレ通りに動いてるとは思えねえ。)

ターミナルの受付からターミナル内のカフェへ移動する。

防音設定を完了させて、受付嬢が話を始めた。

「これをみてください。」

受付嬢は、ここ最近の問い合わせ情報を花へ見せる。

表記は、出身地が書かれており、異世界と記載されているものがプレイヤー、ゲーム内の地名はおそらくNPCであるとの説明をしてくれた。

「なるほど、月毎の問い合わせと、種別か……って、え?あなた、もしかして、NPCじゃないんですか?」

「はい。NPCのフリをして働いております。花様からの問い合わせの後、上司と相談して、情報開示をする運びとなりました。花様の今のストーリー進捗状況から、この最近の問い合わせ状況がリンクする可能性があると判断しました。」

「たしかに、俺の案件はNPCっぽいが……共通してるかもしれないのか。これをみると、NPCの問い合わせがほとんどだな。」

「その通りです。わたしとしても、この不自然さは何か意図があると踏んでおります。」

「プレイヤーに手を出したら、悪事が表に出やすくなる。ということか。」

受付嬢は驚いて花を見る。

「そ、そこまですでに推測されていたとは、わたしもその線が強いと思ってました。」

「何かあるとすれば、これは意図したものだろうな。だから、プレイヤーの仕業の可能性が高い。」

「花様は、すでにそのプレイヤーにも目をつけている。という顔をしておりますが……」

「え?あ、ああ、いや、そうじゃないのかなーと思っただけさ!」

(迂闊に話して、この子を巻き込んじゃダメだ。それにしても……なんかこの子見たことあるような……いや、受付嬢はみんな同じ服だ。気のせいだろう。)

「実は、これからダイスリー方面に行ってみようと思ってるんだ。だから、情報があるとありがたいです。ありがとうございました。」

「いえ、お力になればと思って、お時間をとらせてしまいました。あの、わたしには、敬語ではなく、自然に話してくださって大丈夫です。」

「え?ああ、ありがとう、じゃあ、普通に話すよ。仕事だと思うけど、俺にも、普通に話してくれ。その方が会話しやすい。」

「かしこまりました。じゃあ、今からは普通に話しますね。」

受付嬢と別れて、花はさっそくトレインへ乗り込み、自分の契約している部屋へ行った。

「…………HANA room……?」

部屋の前にネームプレートが表記された。

このフロアの受付へ聞くと、仲間のだれかが名付けたとのこと。

仲間とスタッフにしか表記は見えない仕組みなので、個人情報は大丈夫とのこと。

(…………差し詰め、コリスたちか。ぷ。イタズラっ子め。)

花は窓際のソファでくつろぐ。

(あのターミナルの受付嬢の子、どこかで会ったことあるか?なんだか、懐かしいような……あの細身の感じと素朴な顔……んー……思い出せん……あ、名前も聞いてない……冒険のことしか考えてなかったな……何やってんだ俺は……どこにでもアンテナ張っとけっての……まあ、現実じゃアウトだがな。なんにせよ、親切な人でよかった。)

花はトレインでの移動中、海を見ながら修行時代のことを思い出した。

離島での仕事で利用者様が亡くなったことをきっかけに、その後、知識と技術を身につけるため、単身県外へ修行に行ったことを思い出していた。

(いろんな人に助けてもらったなあ……近辺では一番でけえところだったから、当時の俺は、もう実力も底辺で……プライベートも充実してたなあ……いい感じになった子もいた……今思えば、あん時の選択が全てだったな……タイミングって怖えなあ、今こんだけ詰んでる……あの時、違う選択をしていれば……)

花は景色を見ながら絶望していた。

(あの時、あの人には失礼なことしてしまったなあ……もし、また会うことがあるなら、純粋に謝らないと……でも、もう連絡すら取れねえ……もしあの子を選んでいたら……いや、選んだとしても、それはそれで、何かあるだろう。モテる子を選んでうまくいったとしても、きっと浮気されたり、苦労があるはずだ。結局、誰と一緒になっても、俺には向いてねえってことだ。それが理解できただけでも収穫って思わねえとな。)

ダイニー大陸へ到着して、小型トレインへ乗り継ぎをする。

建設中の歓楽街エリアを通り過ぎて、ダイワン王国領土の端まで到着した。

「なるほど、コロッセオスタジアムが遠くに見える。マップを更新して……よし。どうやら、ダイニー大陸のコロッセオスタジアムは3カ国の国境を跨ぐように設置されてんだな。」

花は線路を見渡す。

「あっちはダイフォー王国、開通間近か。既に線路も出来上がっている。ダイスリー王国方面から……向こうはまだ途中で止まってるな。」

花はマップで方角を確認する。

「この森を抜けたらいいってことか。よし、行くか。」

ドン!!

花は超加速して森へ入っていく。

ズバババ!!

(見たことのあるモンスターばかりだな。みんな一撃だから強さとかわからん……)

スタッ。

花は一旦ステータス画面を開く。

「そういうことか。経験値は確かに多めに入ってるな。金はもう増えたかどうかまでよくわかんねえな。アップデート前の五年間で貯め過ぎちまった。」

ぎぎゃぎゃー!

ゴブリンキングの叫び声が響き渡る。

「お?二、三匹まとめてか?」

ドドドド!

一斉にゴブリンキングが襲いかかる。

シャ。

ロングソードから大剣に切り刻む。

トン!

花は三匹の上を軽やかに飛び越え、背後に回る。

ギュン!!

ズバババ!!

その後急加速して三匹を切り刻む。

バシューーン!!

「…………ま、こんなところか。しかし、ゴブリンキングを狩ると、経験値の増え方がすごいな。まあ、少し前ならボスクラスだったからな。」

花は再びステータス画面を開く。

(…………何が起こるかわからねえ、か。なら、これと……これをほんの少しだけ上げとくか……これでもまだポイントは有り余ってるなあ……)

花は森を突き進む。

(どこまで行っても森……ちょっと飛んでみるか。)

グググ……ドン!!

花は、森の中から飛び上がり、二段ジャンプをする。

あたりの景色を見渡す。

右を見ると、巨大な山が広がっていた。

左を見ると、かすかに海が見える。

森はまだ続く様子だ。

スタッ。

(自分で飛んだ時は衝撃が少ない。)

花は少し考えた。ちょうど今いる地点が森の中心なのではないかと思い、どう進むのかを考えた。

(右に見えた山はおそらく山脈がこっちまで伸びてるんだろう。妖精族の国と反対側って感じだな。ん?何かいるのか?)

花は回避を少し伸ばしており、スキルクリエイションの効果か、危機察知スキルをいつのまにか習得していた。

花は、木の影に隠れる。

すると、ゾロゾロと人が歩いてきた。

「本当にこの辺りか?」

「ああ、ギルドの依頼では、この森で見たとの情報だ。」

「1億Gとは、破格だぜ。」

花は木の影に隠れて会話を聞いた。

(誰か探してる?……あの様子だと、ギルドのクエストってとこか。……ざっと10人くらいか……面倒だからバレずに素通りするか。)

「だがよお、妖精族を捕まえたら、俺たちゃ王国で英雄扱いだぜ!?ある程度の地位になれば、すげえ防具やアイテムも手に入る!」

(!?……妖精族!?やっぱり捕まえるようなクエストが出てるのか……)

ガサガサ!!

ガバ!!

一斉に音のする方へ振り向く。

「誰だ!!誰かそこにいるのか!?」


第二百二十二話 完

第二百二十二話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

NPCのフリをして働いていたターミナル受付嬢との密会、トレインの移動中に蘇る花さんの「過去の甘酸っぱくも苦い修行時代と恋愛観の悟り」、そしてダイスリー王国への道中で出くわした「1億ギルの妖精族捕獲クエスト」という衝撃的な展開!

受付嬢の「どこかで会ったことがあるような細身で素朴な雰囲気」という表現が非常に気になりますね……! 現実世界の過去の知り合いなのか、それとも……?

そして、トレイン内で語られた花さんの過去。

離島での挫折、単身県外への修業、いい感じになった女性との思い出と失礼な選択……。現実で詰んでしまった花さんだからこそ語れる「誰を選んでも俺には向いてねえ」というリアルな達観には、切なさと深い味わいがありました。

後半では、相変わらずゴブリンキングを一瞬で切り刻む圧倒的な強さを発揮しつつも、新スキル「危機察知」で怪しいプレイヤー集団の会話を盗み聞き!

「妖精族を捕まえれば王国で英雄扱い」「賞金1億ギル」という、オベロンたちの懸念が現実となった悪質なギルド依頼の存在が発覚しました!

そこへ鳴り響く「ガサガサ!!」という音……! 花さんの気配が察知されたのか、それとも別の誰かが潜んでいるのか――!?

「受付嬢の子、絶対に現実で縁があった人じゃん!」「トレインの中の花さんの現実の過去の愚痴と絶望、哀愁があって好き」「ゴブリンキング瞬殺でステータス余りまくってるの花さんらしくて笑う」「妖精族に賞金1億ギル!?黒幕はダイスリー王国かアンダーシャドウか!?」「ラストの音でバレた!?次回が気になりすぎる!」など、たくさんの熱い感想をお待ちしております!

皆様からの温かい**【コメント】、作品を見逃さないための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、hanaXIII の執筆活動を動かす最大の原動力になります。今後とも熱い応援をどうぞよろしくお願いいたします!

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音の正体とは一体!? 妖精族を狙うハンターたちを前に、花はどう動くのか――!?

気になる第二百二十三話も、どうぞお楽しみに!

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