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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第五章 運営の依頼〜歓楽街潜入捜査ーー異種族との出会い 編

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第二百十九話 雷神トル

いつも『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』を応援いただき、本当にありがとうございます!

幻想的な「フェアリーランド」を訪れ、妖精王オベロンと「父親同士の友達」になった花。そして行方不明の王子・王女の捜索を引き受けたものの、ラストでトル爺さんが「ワシの強さを見せてやらねば」と雷雲を呼び寄せて……!?

伝説の雷神トルの実力とは!? そして下界で暗躍する「裏の組織」の正体とは――!?

注目の第二百十九話、ぜひお楽しみください!

ゴロゴロ……ゴロゴロ……


花は立ち上がり、ひとまず人がいない場所へ飛んだ。

スタッ

(ここなら大丈夫だろう。くるなら来い!)

ピカ!!

雷鳴と同時に雷が花の元へ落ちる。

(あ……こりゃいかん……やられる)

ズガーン!!

「老師様!!いくら何でも威力が強すぎます!!花は、みんなに当たらぬよう離れたのですよ!?」

シュン

花は再び皆のところに現れた。

シャキン……

!?

大剣をトルの首元へ突き立てる。

「ふう……ちょっとヒヤッとしたぜ。じいさん、ただものじゃねえな?」

花は、距離を取る前に、トルの後ろにワープアイテムを見えないように投げていた。

「ほほう〜、アレを避けたか〜、まあ、そうでなくては、依頼も頼めんわい!ほっほっほ!」

「あ?もしかして、あれは遊びだったのか?」

「当たり前じゃ!ワシが本気を出したら、この辺り一帯に雷を落とせるわい!」

「ぷ。みんなが尊敬するわけだ。参ったよじいさん。」

「おぬしも、なかなかやるようじゃな。強いジョブを設定しているとみた。竜騎士。いや、聖騎士か?」

「ん?いや、俺にジョブはない。ノーマルだ。」

「はあ?おぬし、嘘はいかんぞ?ジョブも無しに、そこまで強いわけなかろう!」

「本当ですトル様、ご主人様はヒューマン、そしてジョブはノーマルです。」

「なんと!?……ミントが言うなら信じよう。」

(このジジイ……)

ジョブ無しについてはオベロンたちも驚いていた。

「異世界人は、たいてい特殊なジョブを持っていて、強さもどんどん増していく、そんなイメージです。花は特別なのでしょうか、老師様?」

「ワシもこんなやつ見たこともない。さっきの瞬間移動も、魔法では無さそうじゃ。」

「ジョブは無えが、俺は鍛冶職人だ。自分でいろんなアイテム作って、工夫して戦ってる。」

「ふふ、アイテムを駆使するのは、珍しいですけどね。ご主人様は攻撃力が高すぎるので、ほとんど素手で倒せてしまいますから。」

それを聞いてみんな呆気に取られている。

「鍛冶……アイテム……そんな戦い方があるのか。」

「雷神とよばれたワシの一撃を避けたんじゃ、大したもんじゃわい!花よ。二人を見つけてくれ、この通りだ。実力を測るようなことしてすまなかったのぉ」

トルも頭を下げた。

「お、おいおい、やめてくれ!オベロンは友達だ!探すのは当たり前だ!」

「わお、二人はお友達になられたのですか?なら、これからはオベロン様と呼ばせてください。」

オベロンは少し顔が赤くなる。

ミントはどうやら、伝承に伝わる妖精族の幻獣と似ているらしい。

伝承について少しだけ話を聞いた。

すると、モンスターの中に、稀に妖精族の遺伝子を持つ個体が現れるとのこと。その個体は様々で、ベースの種族に妖精族の特徴をあわせ持つ姿になると。

「わたしが、この個体ということでしょうか?」

「いかにも……ミントはゴブリンとして進化し、ついにはフェアリクイーンへと進化した。身体能力の高い妖精族、これは妖精族において、理想の姿なのじゃ。」

「よくわかりませんが、運良く私は進化できたと言うことですね?これも何かの縁かもしれません、お二人の子供は見つけ次第連れて帰ります。」

「しかし……どこへ向かったのか、何も情報がないんだ……」

「一つあるのが、裏の組織の存在……妖精族を探しているということ。」

「裏の組織?」

「今、このダイニー大陸で、国ごとに暗躍している集団がいるらしい。そいつらは各国に精通していて、異世界でもやり取りしている可能性があるみたいじゃ。」

「名前とかわからねえのか?」

「裏の組織じゃからな、そう簡単にはわからん。しかし、人攫いや、人身売買、理不尽な契約で拘束するなど、よからぬ噂が出てき始めておる。」

(理不尽な契約で拘束?………それって。)

花とミントは顔を見合わせる。

「ご主人様、それってもしかして」

「ああ、あいつらかもしれねえな。怪しいにおいがプンプンするぜ。」

「花!心当たりがあるのか!?」

花はここ最近の近況を話した。

「そやつらが怪しいのお。しかし、ワシらでは……」

「トルじいくらい強かったら、もうなんも問題ねえんじゃねえか?」

「と、トルじい!?……いや、もうええわい。そうじゃな、単純な戦闘だけなら、おそらく楽じゃろう。しかし、ワシは活動できるエリアが限定されておる。この付近からは自力では出られんのじゃ。」

「なるほどな、その強さに納得がいったよ。」

(こんなんがウロウロしてたらチートだからな。そういう設定なんだろうな。)

「かと言って、わたしたち妖精族が安易に動いて、被害を大きくするわけにはいかない……」

王妃は悔しそうに話す。

「そうか、そうだよな。オベロンはかなり強そうだけど、そんな簡単な問題じゃねえよな。よし、大体のことはわかった。どこにいるかわからねえ以上、闇雲に動けねえ。このことは、俺たちの仲間にも共有して、それぞれでアンテナを張っていくしかねえな。俺たちの冒険の中で、少しでもアンテナにかかりそうな時は、優先するよ。」

「ありがとう花、感謝する。」

「感謝するのはまだ早えよオベロン。無事だといいな、二人とも。」

こうして、花たちはオベロンたちと約束をしてフェアリーランドを去ることになった。

「花、またいつでも来てくれ。見つかったときとは言わない。いつでもいい……また話をしよう。」

「ああ、俺も、今日だけじゃまだ聞き足りねえことたくさんある。また来るよ。」

フェアリーランドを出ると、またトルがミントに粉をかけてくれる。

「すまんミント。今度は俺を抱えて飛んでくれるか?多分、向こうじゃ湖の真上だ。流石に二段目のジャンプだけじゃ渡れない気がする……」

「もちろんです、ご主人様!抱っこがいいですか?それともおんぶがいいですか?」

ミントは少し赤くなってはしゃいでいる。

「いや、任せる。」

「では……後ろから抱きしめてくれますか?」

「へ?……こ、こうか?」

「は、はい!そうです!」

(ああ、なんという幸せ!)

その時。

「あ、すまん!今のはわざとじゃねえ!」

「いえ、大丈夫ですわご主人様、掴みやすいところをしっかり掴んで構いません!ようし、飛びますよご主人様、しっかりつかまっていてくださいね」

ミントは少し鼻息が荒かった。

「……………やっぱり、これはアウトだろ。ミント、俺の後ろから、両脇を引き上げる形で飛べるか?」

「ええ!?そ、そうですか……わかりました。」

(な、なんかしょげてねえか?俺、嫌がることしちまったかなあ?)

「ごめんなミント、苦労かける。」

「へ!?あ、いえ!決してそのようなことはありません!気にしないでください!」

(ああ、いけない!つい、残念さが態度に出ていました!ご主人様に気を遣わせてしまいました!密着できることにドキドキしていて、つい期待してしまっていた……)

フワ……

ミントはゆっくり飛び上がる。

「あら?殆ど重さは感じませんね?」

「この粉で飛んどる相手に触れると、自動的に浮遊できるんじゃ。無駄にしがみついたり、持ち上げたりせんでええ。」

「早く言えよ、ミントに失礼なことしちまったじゃねえか。」

「ナイスなタイミングじゃろ?お前もいい思いができて良かったじゃないか。」

(バカかこのエロジジイは)

(そうだったんですね!ナイスですトル様!)

ゲートを渡り、湖の上空に出た。

ザバ!!

再び大蛇が勢いよく出てきた。

「お?さっきのやつか、懲りねえなあ。もう一発おみまいしとくか。」

ビク!!

ピタ!!

大蛇は花と目が合って固まっていた。

「ん?来ねえのか?案外賢いんだなこいつ。じゃあな〜」

ブルブル。

大蛇は震えていた。

拳骨をくらった直後、その威力で湖の底まで叩きつけられていたからだ。そんな攻撃は今まで受けたことがなく、大蛇には花が巨大な魔物のように見えていた。

(かわいそうに、後でワシが慰めておくか。)

陸まで無事に辿り着いて、トルとも別れる。

「では、また暇があれば来るがいい。」

「ああ、色々ありがとうな。また来るよ。」

花とミントはその場を去った。

「花よ!必ず二人を見つけるんじゃぞ!?」

花は振り向かずに、静かに手を振った。

(確証のない約束は返事をせんか……逃げのようにも見えぬ……あいつの場合は、静かに闘志を燃やすタイプじゃろうな。オベロンとのやり取りでもわかる。花よ……頼んだぞ。)



森を抜け、モンスターの村まで帰ってきた。

「今日は、長旅でしたが、とても楽しかったです!また一緒に過ごしたいです、ご主人様。」

「ああ、今日はありがとうなミント。お前がいてくれると、心強いよ。」

「ありがとうございます。」

(ああ!なんという幸せ!わたしも、もっと強くならなければ!)

「じゃあ、今日は帰るよ。」

「こ、この部屋で異世界へ戻られないのですか?」

「ん?ああ、ちょっとカレッジで調べ物があるんだ。そうだなあ、でも、年末まではここを拠点にしても良さそうだな、ミントもいるし。」

ミントの顔がパッと明るくなった。

「是非!お待ちしております、ご主人様!」

「すまないが、今日はカレッジへ戻るよ。また明日も来るからよろしくな。」

「はい!……あれ?ご主人様、そのポケット、何か光ってますよ?」

花はポケットから、袋を取り出して、中身を見た。

ピカー!!袋を開けると中から光が溢れてきた。

「な、なんだこりゃー!?」


第二百十九話 完

第二百十九話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

「雷神トル」による容赦ない本気の雷撃と、ワープアイテムで見事に背後を取る花さんの圧倒的センス! そして裏の組織の不穏な噂と、密着飛行に一喜一憂するミントの可愛さ、ラストの眩い光を放つ袋まで、怒涛の展開でしたね!

「雷神」と称された伝説の守護者トルの雷撃すらも余裕でかわし、素手とアイテムで戦うノーマル職業の花さん。これにはトルも呆気にとられつつ、心から頭を下げて王子・王女の捜索を託す姿が印象的でした。

そして「人身売買」「理不尽な契約」というワードから、あの怪しい連中の影を感じ取る二人。

さらに帰還の際、トル爺さんの「粉で飛ぶ相手に触れると自動で浮遊する」という事後報告のせいで、ミントの「後ろから抱きしめて」という密着タイムが不発に終わる爆笑の展開も(笑)。

無事モンスターの村へ戻り、ミントとの絆を深めた花でしたが、最後にポケットの中の袋から強烈な光が照射!?

はたしてこの光の正体とは何なのか――!?

「雷神トルの攻撃をかわす花さんマジでかっこいい!」「トル爺さんナイスアシスト(?)だったのに惜しかったw」「大蛇がビビってブルブル震えてるの笑う」「裏の組織とあのブラックギルドが繋がってるのか!?」「ポケットの光る袋って何が入ってるの!?」など、今回もたくさんの感想お待ちしております!

皆様からの温かい**【コメント】、作品を見逃さないための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、hanaXIII の執筆活動を支える最大の原動力になります。これからも熱い応援をどうぞよろしくお願いいたします!

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ポケットの中で光り輝く謎の袋の正体とは!? そしてカレッジへ戻る花を待ち受ける新たな展開とは――!?

気になる次話も、どうぞお楽しみに!

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