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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第五章 運営の依頼〜歓楽街潜入捜査ーー異種族との出会い 編

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第二百十三話 里帰り

いつも『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』を応援いただき、本当にありがとうございます!

風車の屋上でまさかの遠距離射撃の自主練をしていたユナと遭遇! 花の規格外な鍛冶技術によって超高性能なズーム連動スコープ弓が完成し、ユナの可愛らしい勘違いに花が爆笑する一幕も。さらにダイニー大陸には「ダイワン・ダイツ・ダイスリー」など4つの王国が存在することが明かされ、現実世界でも花の覚悟や謎の開発部長の思惑が交錯していくのでした。

仕事納めを終え、一人で年末年始を迎える花。はたして、VR世界で待つ仲間たちとの年末はどのような展開を見せるのか――!?

注目の第二百十三話、ぜひお楽しみください!

年末年始。

公休の調整と有給を使い、花は早めに仕事納めとした。

「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。早めの仕事納めになりますが、もし何かあれば連絡をお願いします。」

花は、皆に挨拶を済ませて帰宅した。

(今回の年末年始も一人で過ごすか……もし仕事で何かあれば出なければならないからな……安易に県外までは行けない……だが、向こうはそう良く思ってないだろうな。とくに義母は。

俺が義親族のために尽くすこと、頭を下げたり、気を利かせて動くこと、これを求めてる。

仕事や、何か都合があれど、年末年始に顔を出さないのは誠意がないと思ってやがる。

こちらの理由なんか聞きゃしねえ。)

花は、相手の考えていることも、手に取るようにわかっていた。

単純で自己中心的、そして、高飛車。世間知らずで、筋を通さない。

そういうやつは、何を言っても変わらないし、モラハラしてくることもわかっていた。

(どうせ、いくら頑張ってもこっちを認めねえし、次々要求してくるんだ。現に、向こうに住んでたとき、義祖父母連れて何度も出かけたりしてたが、それでも義母は納得してねえ。

なら、はなからしないほうがマシだ。俺はお前らの奴隷じゃねえ。時間の無駄だ。

そもそも、そんな扱いしたり、考え方や価値観が、うちの親戚に対して失礼だと思わねえのか。

そこが世間知らずっていうんだよ。自分の身内のことしか考えてねえ。

そんな狭い世界の中で、人は生きてねえんだよ。)

花は価値観の違う者との共同生活に絶望していた。

(まさか、ここまで価値観がズレてるとは思わなかったよ。小出しにしてくるんじゃねえよ。

結婚前に全部出してくれよ。

ちくしょう……。)



カレッジ。

「さてと、飯も済ませたし、とりあえず憂さ晴らしすっか。」

(そういえば、コリスは何時ごろ村を出るんだ?ちょっと聞いてみるか。)

花は憂さ晴らししながら村に向かった。



「ご主人様!おかえりなさい!」

「おお、コリス……お前、その荷物持ち歩くのか?」

コリスとラピーの前には巨大なリュックが二つ置かれていた。

「途中で何があるかわかりませんから!」

「……………」

シャ!シャ!

「これを使え。そんな大荷物じゃあ、何があっても対処できんぞ?」

「これは?」

腰に装着できるポーチを渡す。

仲間内ではすっかりお馴染みの試作品だ。

花は、遊び半分で鍛冶をしまくっているため、予備も作りすぎていた。

「二人にあげる。試作品で悪いんだが、ないよりマシだ。」

「わ、わたしにも?」

ラピーは申し訳なさそうに手に取る。

「ああ、あげるよ。コリスのこと頼んだよ。」

「あ、ありがとうございます!」

ラピーはポロリと泣いて喜んだ。

(な、泣くほどのことか?)

花は少し焦りながらラピーを見ていた。すると、それに気がついたコリスがフォローする。

「わたしたち獣人は基本的に裕福じゃないんです!自給自足で毎日生きるのも精一杯!

だから、みんなで力を合わせてるんです!」

「…………」

(ラピー……身体は人型だが、顔とかみると、見た目はほぼうさぎが二足歩行してるみたいな感じだな……もしかすると、テイムしたら進化するのか?)

「ご主人様?もしかして、ラピーのテイムを考えてますか?」

ミントが花に問いかける。

「よくわかったな。だが、ラピーにはラピーの人生がある。俺の冒険に付き合わせるわけには……」

「ご主人様!ラピーはテイムされないのですか?」

ラピーは慌てた。

「チビ!あ、コリス!なんてことを!花様にそんな無理を!」

「………俺は別に大丈夫だ……ラピーはどうしたい?俺に気を遣わなくてかまわない。ラピーにはラピーの人生がある。」

「わたしは……テイムしていただけるなら……ですが、テイム数が増えると、花様に負担がかかるのでは……」

「……ミント、テイム数が増えると、何かデメリットはあるのか?」

「詳細まではわかりません。ユナ様なら、何か知っているかもしれませんね。」

「そうか、まあ、俺は全然平気だ。だが、テイムすると、俺たちの冒険に付き合うことになったり、こうして共に過ごすことになるかもしれない。ラピーのこれまでの自由がなくなるかもしれない。それでもいいのか?」

「かまいません。わたしたち獣人は、自分で進化しようとすれば、途方もない時間を要します。進化しなければ能力も低く、できることも限られています。テイムしていただけることは、わたしにとって夢なんです。」

「……………」

(まあ、デメリットについては、後でいっか。目の前で望んでるなら、叶えてやろう。)

「わかった。なら、また同じようにテイムする。本当にいいんだな?」

ラピーはパッと明るくなる。

「ほ、本当によいのですか!?あ、ありがとうございます!」

「良かったね、ラピー!」

「じゃあ、この短剣と、服を与える。あと名前だが……ラピニ。愛称ラピー。これで、前と同じ名前だ。どうだ?」

ラピーは深々と頭を下げ、膝をついた。

「ありがとうございます。救ってくださった時から、心に決めておりました。テイムしていただくなら、ご主人様しかいないと。

本当に光栄です。感謝します。」

ラピーの目には涙が光っていた。

「そんな大袈裟な……俺は、みんなでワイワイやりたいだけだから、気楽にいこう。」

花はラピーに手を差し出して、立ち上がらせる。

ラピーはニコリと笑って装備を整えた。

(やっぱり目の前で着替えるんだな。まあ、まだ獣の部分が強めだから、あまりなんとも思わないが……)

コリスがあることに気がつく。

「ご主人様?ラピーの服、少し大きい気がします!」

「コリスのことがあるからな。もしかすると背が伸びるかもしれん。」

ミントも感心する。

「確かに、コリスも人型から、より人に近い見た目になりましたからね!」

ラピーはとても装備を気に入っている。

「念のため、出発は明日にしたらどうだ?何か変化するかもしれん。」

「わかりました!ポーチにも荷物を入れ替えないといけないし、そうします!」

「ラピー、これで、私たちは同じご主人様の眷属です。皆で力を合わせて、ご主人様を支えましょう。」

「はい!よろしくお願いします!」

花は、仲良く手を取り合う3人の様子を見ていた。

(なんて平和な光景だ。バランス型のミント、おそらく魔力が今後伸びるコリス。さて、ラピーはどんなステータスになるのか……)



翌日。花は目を覚ますなり、すぐにログインした。

カレッジからはお馴染みの狩りをしまくりながら、村へ向かった。

この時期は、年末ということもあり、プレイヤーが多かった。

「うわあ!!でた!!悪魔だ!」

「…………」

素早く通り過ぎる花の顔は認知できない。

噂ばかりが飛び交うのだった。

ミントの部屋。

「ご主人様!!おかえりなさいませ!」

「…………まさか、ラピーか?」

「はい!!ラピーです!」

「女の子だとは思っていたが……一晩で進化しすぎじゃないのか?」

ラピーは、コリスより少し背が高く、花より少し低い程度まで背が伸びた。

元々コリスより少しだけ背が高く、人型になっていたが、完全に人の姿になり、うさぎの要素は丸い尻尾と耳が生えているだけ。

そして、昨日渡した服は、すでにパツパツになっていた。

「念のため、伸縮性のあるものにしたが、体のラインが出過ぎだな……恥ずかしいだろうから、交換しようか。」

「いえ!これで大丈夫です!」

コリスとラピーの服は、薄い着物テイストがベース。コリスは袖付き。ラピーの服に関しては、ノースリーブタイプで、インナーは、すでにはち切れんばかりになっていて、谷間が見えている。

(ほんとにこれでいいのだろうか……本人がいいといっているのだから、もうスルーしよう。)

「気をつけてな。また31日に行くから、その時案内してくれ。それと……」

「どうしました?ご主人様。」

「本当に、二人で大丈夫か?」

「はい!ご主人様にテイムしていただいてから、かなり戦闘力が上がりました!」

その時、部屋にユナが訪れた。

「コリス!ラピー!」

「ユナ!どうしたの?」

「今日、戻るって聞いたから……気をつけてね。」

「ユナはどうするの?」

「え!?わたし?」

「たしかに、ユナは元々獣人の村でプレイしてたんだよな?帰らなくていいのか?」

「…………」

(もしかして、向こうで何かあったのか?)

「そうだね……たしかに、向こうにもしばらく帰ってないし、わたしも一緒に戻ろうかな。

花……少し話せるかな?」

「ん?ああ、いいぞ?」

「ごめんね二人とも、少しだけ待っててね。」

「はーい!ごゆっくり〜!」

二人はモンスターの村の山頂の展望台へ移動した。

「あのね……聞いてくれる?わたし、まだゲームの中のことについては、花に何も話してなかったんだ……」

花は、下を向くユナを見ながら、ゆっくり話を聞くことにした。山頂では、心地よい風が吹き抜ける。

そして、ユナは、静かに語りだすのだった。


第二百十三話 完

第二百十三話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

現実世界の義親族との重苦しい価値観の剥離から一転、VR世界での温かい仲間の絆、ラピーの予想を超えた劇的進化、そしてラストに訪れたユナとのシリアスな語り合い……! 今回も感情が大きく揺さぶられる見どころ満載のエピソードでしたね!

現実世界では、早めの仕事納めをしつつも「俺は奴隷じゃない」「自分の身内のことしか考えていない」とモラハラ義母たちへのやるせない思いを抱える花。そんな彼だからこそ、VR世界での「みんなでワイワイやりたいだけ」という言葉が胸に刺さります。

そして、ついに実現したラピーのテイム!

前回のコリスの時と同様、テイムされたことで一晩で驚異の美少女化を遂げたラピー。完全に人の姿となり、ノースリーブの着物風衣装を「パツパツ」に着こなす姿には、花さんも思わず目のやり場に困る事態に(笑)。

しかしラストでは、帰郷するコリスたちを見送りつつ、今まで自身の「ゲーム内での過去」を語ってこなかったユナが山頂の展望台で花に切り出します。

「わたし、まだゲームの中のことについては、花に何も話してなかったんだ……」

かつて獣人の村や召喚士の村エリア(ダイツ王国)でプレイしていたユナに、一体何があったのか!? 重厚な引きに次回への期待が止まりません!

「ラピーちゃん一晩で進化しすぎ&可愛すぎる!」「ノースリーブでパツパツ衣装は花さん毒毒すぎるw」「相変わらず『悪魔』扱いされてる花さん笑う」「ユナちゃんのゲームでの過去って何!?すごく気になる!」など、今回の感想や考察をぜひメッセージでお寄せください!

皆様からの熱い**【コメント】、作品を見逃さないための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、hanaXIII の執筆活動を支える大きな力となります。ぜひ温かい応援をよろしくお願いいたします!

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山頂の風が吹き抜ける展望台で、ユナが明かす「過去」とは……!?

気になる次話も、どうぞお楽しみに!

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