第二百四話 ビッグマッチ前夜
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前話(第203話)では、ビッグマッチに備えて花がランスに「仮想マサムネ」としての猛特訓を開始。その姿に感化されたユナもまた、自身の弱点を克服すべく格闘のプロ・スバルへ弟子入りを果たします。そしてログアウト前の静かな夜、風車の丘でユナから「面接に合格した」という現実での大きな前進を報告された花は、彼女の明るい未来を願いながら、アバターに届いた深夜の謎のメッセージに目を通すのでした。
(な、なんで……こんなところに?)
そこには、リサから画像付きのメッセージがきた。
なんと、今日はリサが一人で狩りをしていたのだ。
ピロン
『驚いた??わたし、実は深夜にこっそり特訓してたんだよねー!ま、勉強の息抜き程度だけど!』
『勉強は大丈夫なのか?』
『うん!もう、ドンとこいって感じ!』
『油断するなよ。』
『大丈夫!このゲームのおかげで、メリハリついてる!実際外に出歩けないから、ここで発散するのがちょうどいいの!
花は、もう今日は上がったの?』
『今から上がるところだ。』
『そっか!また、ビッグマッチ前夜で、会おうね!』
『ああ、また会おうな。勉強頑張れよ。』
『はーい!』
「…………」
(あいつ、本格的に受験モードだな。
いつもなら、今から狩りしようって言いかねなかったが、自分の時間とペースを保ってる感じだったな。
リサも成長してるんだな。)
「…………」
(なんか、俺だけ取り残されてる気分だ……ま、そりゃそうだ。すでに前走りきったんだから、それ以上上も前もねえわな。追いつき、追い越される。
ただ、それだけさ。
でも……そんな後ろ向きなこと言ってたら……アユに怒られそうだ……あいつは元気にしてるだろうか……結局連絡はよこさなくなった。)
花は、色々なことを考えながらログアウトした。
◆
ビッグマッチ前夜。
モンスターの村に、皆集まった。
リサは初顔メンバーもいるため、紹介した。
「ゆ、ユナです!よろしくお願いします!」
「リサです!よろしくお願い……む!」
リサはユナを上から下まで見る。
「こ、これは、前にもあったような……リサさん?どうしたの?」
(な、な、な、なにー!?ユナのこのスタイル!……か、完全に負けてる、わたし!)
(や、やっぱり!アユさんの時と同じだ!また落ち込んでいる!)
「ん?どうしたんだリサ?何落ち込んでんだ?」
(花!!絶対にスタイルのことを指摘しちゃダメだ!!)
リサはミントやコリスたちも見る。
するとまた下を向いた。
「なーにやってんだお前は?あ、わかったぞ?」
(ば!花!言うんじゃないー!)
「お前、みんなのスタイルと、自分を比較してるんだな?」
(ああああ!!もう、おしまいだ……)
ランスは恐る恐るリサを見た。
すると、怒るどころか、少し泣きそうな顔になっていた。
(え?リサさん?)
「そ、そうですよーだ!みんな、美人でスタイル良くて、嫉妬しちゃった!」
花はニカっと笑う.
「だとよ、ユナ。良かったな、嫉妬されてるぞ?」
「で?へ!?えええ!?あ、あのリサさんに!?」
「ん?あのって?」
「ま、まさか、ユナ殿!リサ殿を知っているのか!?」
「うん……間違いじゃなければ……少しだけ配信してたよね?歌の。」
「あ、バレてた?そうなの。でももう辞めたんだー。てか、スバルも知ってたんだね!」
「え!?スバルも知ってたの!?まだデビュー前だから、かなりコアなんだよ?」
「ぐ!そ、そうさ!俺はゲーム、アニメ、漫画、アイドル、幅広いんだ!」
(つ、ついに、誰からも"さん"付けで呼ばれなくなった!お、俺はいじられキャラなのかー!?)
スバルが複雑そうな顔をしている最中、女子たち、そしてランスは盛り上がっていた。
「おいスバル、どうした?なんか変な顔してるぞ?」
「は、花殿!お、俺は、そんなに弱そうに見えるのだろうか……」
「お前、みんなからいじられたり、呼び捨てされることが気になってんのか?」
スバルはこくりとうなずく。
「ぶ!!ぶわっはっはっは!お前、それは、慕われてんだ!馬鹿にされてるわけじゃねえよ!
愛されてる証拠だ!」
「え!?お、俺が!?だが、花殿はみんなから尊敬されてるではないか!」
「んなわけねーだろ!あのなあ……呼び方だけで人の価値は決まんねえ。
みんなは、お前なら大丈夫って安心してるんだ!
対等に、距離縮めて大丈夫って思うからこそ、呼び捨てだったり、いじってきたりするんだぞ?
俺は最近ユナにいじられるようになったから、すこしホッとしてるくらいだよ。」
「え!?安心?そ、そうなのか……む、難しい。俺は、同じような奴らとしかつるんだことがないから、その辺のことがよくわからん!」
「まあとにかく慕われてるからお前も安心しとけ。
あと、ユナに稽古をつけてるんだってな?
ありがとうな。」
「それが、思いのほか上達が早くて驚いている!もう、その辺の雑魚モンスターなら無傷で抜けられるだろう。」
「そいつはすげえや!さすが、近接のプロだ!これからも頼んだぜ!?」
スバルは嬉そうに食事に手をつける。
ユナは、すっかりリサにも打ち解けた様子だ。
「みんな、良い顔しているな。」
「ああ、そうだな……って、スバル!お前もあっち側だ!行け!」
花はスバルの背中を叩いて輪の中に突っ込ませた。
ドンガラガッシャーン!
「わ!スバル!危ない!なにしてんの?」
「スバル〜!」
「スバル〜!」
「あははは!スバル様のヘッドスライディング、面白いです!」
「スバル様、大丈夫ですか?」
(おお、心配してくれるのは、ミントだけだ〜!)
花は遠目に座って、皆がはしゃいでいるのを眺めていた。
(いい雰囲気だ……みんないい奴らだな。)
皆の話は、明日のビッグマッチになる。
みんな各々ランスにエールを送った。
「ランス、勝ってこい!あいつの鼻っ柱をへし折ってこい!」
「うん!そのつもりだよ!」
ランスはいつもより気合いがみなぎっている。
「明日は、私も会場でみるからね!
みんなはどうやって観にいくの?」
「ここからコロッセオスタジアムに行く。そこからダイニー大陸の本会場まで繋がってるらしい。大会中だけだが。リサも、前観客で見たろ?あれと同じ原理だ。」
「じゃあ、明日は俺たち仲間で、まとまって見よう!」
「お!いいねスバル。そうするか。じゃあ、みんな、また明日、ここで集まろう。揃ったら会場に行くか。」
ランスへ各々言葉をかけて、集合時間を約束して、解散した。
(リサとユナも打ち解けてよかった。おそらく歳が近え。仲良くなったらいいけどな。)
◆
ヒロシの部屋。
「明日は。頼みましたよ?」
「ああ、全力でやるつもりだ。ヒロシオーナー、とりあえず、契約更新の話は、大会が終わってからにしよう。」
「わかりました。では、明日、ご武運を。」
マサムネは、歓楽街のビルの上に移動して、都市を見下ろしていた。
「さあ、般若の青年よ。明日、私を楽しませてくれよ!」
第二百四話 完
第二百四話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
今回はビッグマッチを翌日に控え、リサとユナという最高に華やかな二人がついに合流し、仲間たちの絆がより一層深まる最高の前夜祭回でしたね!
ユナの抜群のプロポーションを前にして、アユの時と同じように激しくへこむリサのリアクションと、それを容赦なくバラしてしまう花のデリカシーのない(笑)やり取りにはニヤニヤが止まりません。一方で、いじられ役に悩むスバルに「それだけ距離が縮まって愛されてる証拠だ」と優しく諭す花の、大人の男としての格好良さと包容力には改めて痺れました!
しかし、そんな温かい前夜祭の裏で描かれた、不気味な強者のオーラを放つマサムネとヒロシの密談。ランスとの契約更新を保留にし、「私を楽しませてくれよ!」と不敵に笑うマサムネの圧倒的な存在感に、いよいよ始まる決戦へのボルテージは最高潮です!
「リサがユナのスタイルに嫉妬するシーンが可愛すぎる!」「スバルを諭す花の言葉が本当に深くて大好き!」など、今回の前夜祭の感想や、明日への応援メッセージをぜひ届けていただけますと嬉しいです!
皆様からいただく応援の**【コメント】、作品を見逃さないための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、仲間たちの熱いエールを背負って決戦の舞台へ赴くランス、そしてそれを客席から見守る花の次なる無双をさらに熱く盛り上げる最大の力になります。ぜひ、hanaXIII への変わらぬ力強い応援をよろしくお願いいたします!
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『Another Life』の、仲間たちと賑やかに前夜祭を楽しみながら、かつての戦友へ想いを馳せ、強敵との決戦を静かに見守る花の物語とはまた一味違う、才能なしと見捨てられた主人公が己の拳と不屈のソウルだけで宇宙を揺るがす危機に立ち向かい、全人類を救う最強の切り札としてド派手に無双する王道の熱いSFバトルファンタジーです。こちらも魂の底から熱くなれる激闘が満載ですので、ぜひあわせてチェックしてみてください!
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