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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第五章 運営の依頼〜歓楽街潜入捜査ーー異種族との出会い 編

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第百九十九話 ユナの心の中

いつも『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』を応援いただきありがとうございます!

前話(第198話)では、花とユナが新章の舞台となる巨大な学び舎「マジカルカレッジ」を訪れました。そこで花はゲームの常識を無視した驚異の「二段ジャンプ」を力技で発動させ、眼下に広がる壮大な世界の全貌を確かめます。そして帰路のトレインの中、流れる美しい夜景をバックに、ユナが花へ向かって「ある大切な秘密」を語り始めました。

「わたし、花にきちんと過去のこと話してなかった……」

「いや、別にかまわん。辛くなるだけだ。」

ユナは首を横に振る。

「これだけ向き合って、助けてくれてるのに、わたし自身がきちんと自分の過去と向き合わなくっちゃ、前に進めないと思って。だから……」

「はきだすんだな?……わかった。俺はここで聞くから、ユナのペースではきだしてくれ。」

「ありがとう花……わたし、昔から……」

ユナは小さな頃からのことを、以前より細かく話してくれた。

いつも一人で飼育動物を見ていたこと。

そのせいで孤立していたこと。

人と話すことや、群れることが苦手なこと。

気がついたら友達がいなかったこと。

「それでね……高校も辞めたんだ……途中から夜間に通うようになって……」

高校に入り直して、動物系の専門学校を目指したこと。

そして、事件が起こる。

元クラスメイトに見つかり、集まりに呼ばれたこと。

そこで、数人の男の子に乱暴な扱いをされたこと。

この辺りで、ユナは震えていた。

両手で身体を抱きしめるように。

花は、背中をそっとさすった。

「大丈夫か?無理しなくていいぞ?」

ユナは続けた。

服を脱がそうと数人の男子が押さえつけようとしてきたこと。そのせいで一部服が破けてしまい、もうダメかと思ったこと。

しかし、ここからが違っていた。

ユナは、当時パニックになっていたが、実は、あと少しで危ういと言うタイミングで、誰かが入ってきたことを忘れていた。

「驚かないで聞いてね……わたしも、あまりのショックで忘れてたんだ……そこに入ってきたのは……スギオだったの……」

「………スギオ………」

スギオはなんと、乱暴なことをしていた連中を追い払ったのだった。

「わたし、パニックで、その時のスギオの顔しか覚えてないから、わたしはスギオたちに悪いことされたんだって、思い込んでた。」

「それに拍車がかかり、トラウマになったのか……」

「そう……だから、スギオからは何もされてないの。」

「でも、じゃあ、なんであんな口調で、いかにも自分が悪いことをしでかしたような振る舞いをしたんだろうな。」

「わからない……でも、わたしの記憶では、何もされていなかった。」

(もしかして、あのやろうは……)

「スギオとは、高校で知り合ったのか?」

「実は……小学校のときから、一緒だったみたい。この前、たまま部屋を掃除してて、卒業アルバムを見たら……スギオがいたの。しかも、わたしの隣ばかりに写ってた。」

(やっぱりな……あのやろうもこじらせマンだったのかよ。ったく、イケメンが思い通りにならん時って、どうしてこう、変な行動しちまうんだ?やっぱり納得いかねえ気持ちが強く出ちまうもんなのかねえ……俺にはその気持ちは全くわからん……)

「もしかして、スギオと向き合おうとしてるのか?」

「わからない、けど、怖さもある。今日も、あそこでわたしに何を求めていたのかも、わからないから……」

(無理に手中に収めようとしたんだろうよ。犯罪臭しかしないけどな。やり方が変態だ。)

「とりあえず退けた。だから、もう乱暴なことはされないと思う。ただ、これからユナはどうしていくかだな。

このゲームで誰とどうプレイするかは、ユナ次第だ。」

ユナは少し沈黙する。

「そうだね。うん……ここまでが、わたしの過去。聞いてくれてありがとう。花がいてくれて、本当に良かった。みんなにも感謝しかないよ。」

「いいんだ。何かあれば、また俺たちが力になる。いつでも頼っていいからな。」

ユナは花の方を向き、見つめている。

(な、なんだ!?この緊張感は!?)

「そのことなんだけど……その……もう一つ聞いてほしいことがあるの……」

「な、なんだ?」

花は少し赤くなり、静かに聞いた。

ユナもかなり顔が赤くなっていた。

「花が、嫌じゃなかったら……わたし……」

(な!?おい待て!!まさか!!お、俺は今まで一度も!!)

「仲間に、入れてもらえないかな?」

「……………へ?」

花はポカンとした。

「や、やっぱりダメだよね……花たち、とても強いから……わたしがいたら、足手まといに……」

「ぷ、ぷぷ……アッハッハッハー!」

花は大笑いした。いつもの軽い笑いではない。

「え?花?わたし、何かおかしなこと……」

ガシ!

「ふえ!?」

花は、片手でヘッドロックするように、ユナを引き寄せる。そして、頭をガシガシ強く撫でた。

「あ!ちょ、花!?なんか、ちょっと痛いんだけど!」

ガシガシガシ!

「なーに言ってんだ!」

(や、やっぱり突拍子もない相談だったのかな、そうだよね……)

パッ

花はユナを離した。

「今更なに言ってんだ?俺は、前から仲間だと思って行動してたぞ?しかも、うさフレじゃねえか!

当たり前のことを言うから、ギャグかと思ったじゃねえか、カッカッカッ!」

「ふえ?……え?……わたし……みんなの、仲間に……?」

「みんな、とっくにそう思ってると思うぞ?まあ、正式に何かしたわけじゃないから、確かにユナの言葉もわかるけどな。」

「いいの?……わたし……これからも、花たちの仲間でいて……」

ユナは目に涙を浮かべている。そして、その涙はポロポロとここぼれ落ちた。

今度は優しく頭をポンと撫でる。

「ああ、当たり前だ。これからもよろしくな、ユナ。また色々と助けてくれよ。俺は、ゲームは苦手だから。」

「うん!!」

ガバ!!

ユナは満面の笑みで花に抱きついた。

(う!うおお!いかんーー!!耐えろ!耐えるんだ、俺!!!!)

こうして、ユナは自分の口から仲間になりたいと宣言して、人に歩み寄ることができた。ユナの心の成長には、大きな前進だった。

しばらく、二人は笑いながら会話を楽しんだ。

ユナは完全に花に心を開いており、まるで飼い主に懐く犬のようだった。

相変わらず距離が近く、腕に絡まったり、抱きついたり、ベタベタ花を触りまくったり、身振り手振りが多かった。

(この子、こんなに人懐っこいんだ……まるで犬だな。俺みたいな変態に騙されんように、みんなで守らんとな……いや、むしろ俺が一番危ない気がする……これは修行だ……無になれ、さもなくば理性が崩壊するぞ!!)

「なにブツブツ言ってるの?」

「いや、なんでもない……ところでだ。ユナが前テイムしていたモンスターって、どんな子たちなんだ?」

(まあ、きっと可愛らしい姿のモンスター……)

「そうだね、主に幻獣だったよ。」

「え?げ、幻獣って、あのよくゲームとかである、デケエ幻の召喚獣みたいな?」

「そうだよ。でも、この前あっちにログインしたら、ほぼいなくなってた……いたのは一人だけだったけど、召喚自体ができなくなっていたの。

やっぱりアップデートして、一度リセットされちゃったのかも……」

「理屈でいうと、あり得るな。だが、召喚できないだけで、一人はまだいたんだよな?

なら、その子をこっちに移せるか、試みる価値はあるな!」

「うん!わたしも、今度はそれを目標にしようと思ってるの。そのためには、まずは、テイムや召喚の試練をクリアしなきゃ……」

「それな!俺も関係してるから、また教えてくれよ!俺も多分やらなきゃならないからさ!

なんなら、一緒にやらないか?」

ユナは顔を赤くして笑顔になる。

「え!いいの?うん!わたしも、花と一緒がいい!」

花も顔が赤くなる。

(くー!眩しい!耐えろ!20年前の俺なら今の言葉ですでに勘違いしてるぞーー!!)

トレインがビギナ大陸に到着する。

花たちのいるエリアAと表示されたゲートを出て、ワープで村に戻った。

シュン!!

ミントとコリス、そしてラピーが出迎えた。

「おかえりなさいませ、ご主人様!ユナ様!」

「ただいま!ごめんね、花を借りちゃって!」

「いえいえ、楽しい時間を過ごせたのならよかったです。」

花は簡単に経緯を話した。

「まあ、それは素晴らしい!もちろんです、わたしたちも、ユナ様は仲間だと認識していましたよ?

なら、今度パーティをしましょう!」

「お!いいな!」

日時はまた追って決めることとなった。

「またよろしくな、ユナ。」

「うん!よろしく、みんな!」

ピロン!

花のアバターに反応があった。

(ん?あ!こ、これは!?)

皆が花に注目する。


第百九十九話 完

第百九十九話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

今回は、夜景が流れるトレインの中で紡がれたユナの衝撃的な過去、そして不器用すぎるスギオの真実の行動が明かされ、ついにユナが心の底から「本当の仲間」として花たちと結ばれる、至高の感動回でしたね!

ずっと敵だと思い込んでいたスギオが、実は幼少期からユナの側にいて彼女を襲撃から救い出していたという「こじらせた歪な好意」の真相には、物語としての圧倒的な深みを感じました。そして、一大決心をしたユナの「仲間に、入れてもらえないかな?」という健気すぎる言葉に対して、いつもの豪快な笑いとヘッドロックで「とっくに仲間だと思ってたぞ!」と返す花の温かさと器の大きさに、読んでいて目頭が熱くなりました!ラストでは、ユナの元の相棒である「幻獣」を救い出すという次なる目標が決まり、いよいよこれからという瞬間に鳴り響いたアバターへの通知音――。一体、この重要なタイミングで誰から、どんな大事件の知らせが届いたのか、興奮が止まりません!

「ユナが本当の笑顔で仲間になれて涙が出た!」「告白かと思ったら仲間宣言で、花のヘッドロックが最高すぎる!」など、今回の感想や応援をぜひメッセージで届けていただけますと嬉しいです!

皆様からいただく応援の**【コメント】、作品を追いかけるための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、花がアバターに届いた衝撃の通知の謎を解き明かし、新章となる「幻獣復活&マジカルカレッジ試練編」へと仲間たちと共に突き進んでいくための最大の力になります。ぜひ、hanaXIII への力強い応援をよろしくお願いいたします!

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