第百九十八話 どこへいこうか
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激動のホストクラブ潜入調査を終えたメンバーたちが無事に合流しました。スバルが獲得した巨額の賭け金と引き換えに「変態お面」と指さされる屈辱を味わうコミカルな一幕もありつつ、一行はそれぞれの戦果を報告し合って解散します。そんな中、トラウマを乗り越えたユナは花と残ることを希望し、無自覚で真っ直ぐな超至近距離アプローチを連発。翻弄されっぱなしの花と共に、二人は壮大な学び舎「マジカルカレッジ」を見下ろす山頂ターミナルへと到着するのでした。
周囲は山や森で囲まれているが、そこには巨大な都市が広がっていた。
中央にそびえ立つ巨大な城がマジカルカレッジ。
花は口を開けたまま立ち尽くしていた。
「あ、アレがマジカルカレッジ……な、なんつうでかさだ。」
「そして、あの森を抜けた先が、獣人の村だよ!コリスやラピーの故郷。」
(あの森の向こう……遠いな……見えるか?ちょっと飛んでみるか。)
「ユナ、少し離れててくれ。ジャンプして向こう側見てみる。」
「え!ジャンプ!?このまえみたいに?」
「まあな。よし、飛ぶか。ん?」
ガシ。
「おい。ユナ?何してる?」
(また!こ、今度は背中にー!!)
ユナは花の背後から抱きつく。
「花にしがみついてたら、わたしも高く飛べるんだよね!?」
「…………いや。そのくっつき方だと、振り落とされるぞ?」
「え!?じゃあ、一緒には無理なのか……」
ユナは下を向いて、しょんぼりしている。
花は頭をかいて、ため息をついた。
「………これならいけるぞ?前みたいに、怖い思いをするかもしれないが、嫌じゃないのか?」
花は、お姫様抱っこのジェスチャーをする。
ユナはパッと笑顔になる。
「うん!大丈夫!しがみつくから!」
(それじゃあ、俺が景色を見れねえだろーー!しがみつくと顔を埋め尽くされる!)
花は観念して決意する。
(まあ、抱っこは初見じゃないからあんなしがみつき方はしねえだろう。少しなら景色も見える。)
ヒョイ!
花はユナをお姫様抱っこする。
「わ!あ、ありがとう。」
ユナは少し顔が赤くなる。
「よし、いくぞー…………そら!!」
ドン!!!!
花は真上に飛び上がる。
グーーーーン……
「わ、わあーー!!た、高い!」
ガバ!
(おわ!!また!顔を覆い尽くしやがって!)
「ゆ、ユナ!もご!
この前と同じだ、怖くねえ!もご!」
花は顔を埋め尽くされながらも必死に顔をずらしながら声掛けをする。花の顔はタコのように真っ赤だ。
(いかん!柔らか……じゃなくて、やばい!このままだとまた落下する!この前も飛んだのに、ダメだったかー!)
ユナは花の声に気がついて、目を開ける。
「ほ、ほんとだ!すごい!すごいよ花!」
花は顔をずらして景色を見た。
「んぐ!よっと…ぷはあ。お!」
マジカルカレッジ自体が、巨大な都市だった。森の向こうにもまだカレッジの領土が広がっており、複数の建物がそびえ立つ。
そのずっと奥に、かすかに村が見えた。
(くそ!もう一段階上に行けりゃ見えるのに!)
最高到達点から落下し始める。
花は少し足をばたつかせた。
(げ、ゲームなら、二段ジャンプとかあるのになー!ダメ元で足を真似してみるか!……ふん!!)
ターン!!
「へ?」
ギュイーーン!
花は、さらに上に飛び上がった。
「おお!よく見える!ユナ、あそこか?」
「うん!見える!あそこだよ!」
二人は見事に着地する。
ズドン!!
ハイジャンプによる着地は失敗しない限りダメージ判定はない様子。
「すごい!花、あんなに高く飛べるんだね!ありがとう!」
ぎゅ
ユナは抱っこされたまま、また花にしがみつく。
(ま、また!は、早く下ろさなければ!)
グイ
引き離すようにユナを下ろした。
(な、なんか、二段ジャンプできたのか?まぐれかもな。)
「マジカルカレッジまで行ってみる?」
「いや、今日はここまででいい、どんなところか見てみたかっただけだ。
ここは、ミントもコリスも行ってみたいそうだ。行くならみんなで行こう。」
「みんな魔法に興味があるんだね!そうだね、またみんなで行こう!」
二人は小型トレインに乗って引き返した。
(それにしても……この変わりようは……この前までビクビクしてたのに……)
小型トレインのターミナルからクリスタルの塔まで、歩いて戻る。その間も終始くっついていた。
(ユナ……本当は人懐っこいのか?変わり過ぎだろう。)
すれ違う男性の肩がほんの少しユナに当たる。
トン。
ビク!!
ぎゅ。
(ん?やっぱりまだこんな反応するのか……慣れてる人にだけは、克服できたということか……けどまあ、一歩前進だな。)
二人は、トレインに乗り込み、契約した部屋に入る。
ユナはとてもリラックスしている様子だ。
(ついこの前は、俺と二人になるだけで怯えてたのに……ユナは、これからどうするんだろうな。とりあえず、トラウマには打ち勝った。これからは、テイマーを目指していくんだろうか……)
花は、窓際のソファに座る。
ユナは、花の横に腰掛ける。
(正面じゃなくて、横か……これだけ広いのに……すっかり懐かれたもんだ。)
「ありがとう。」
「ん?どうした?」
「花のおかげだよ……こんな短期間で、ここまでトラウマを克服できたなんて……」
「いや、俺だけじゃないよ。」
「うん……そうだね、みんなが支えてくれた。
でも、やっぱり花が、わたしと向き合ってくれたからだよ。」
「俺は大したことはしてないよ。ただ、一緒にゲームしただけさ。」
ユナは花をみてニコリと笑った。
(ぐ、眩しすぎる!)
「花……聞いてほしいことがあるの……」
「んぐ?おう、なんでも聞くぞ?」
「ありがとう……わたしね……」
トレインは静かに走り出す。ゲーム内も、今は夜。
ダイニー大陸の夜景が流れていく中、ユナは静かに口を開くのだった。
第百九十八話 完
第百九十八話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
今回は、圧倒的なスケールでそびえ立つ「マジカルカレッジ」の全貌と、花とユナの心の距離が静かに、そして深く繋がっていく描写が本当に美しく尊い回でしたね!
背中にしがみついたり、お姫様抱っこで顔を埋め尽くしたりと、無自覚に花を翻弄し続けるユナの可愛らしさにニヤニヤが止まりません。内心で大パニックになりながらも、ゲームの常識を無視した「二段ジャンプ」を身体能力だけで発動させてしまう花の規格外っぷりも健在で最高です。しかし、他人に少し触れただけで「ビクッ」と怯える描写を入れることで、ユナのトラウマの深さと、それを花の温かさだけが癒しているという絶大な信頼感がより一層際立っています。ラスト、夜のトレインに流れる美しい夜景の中、ユナが静かに紡ぎ出そうとする言葉――。一体、彼女の口からどのような真実が語られるのか、次回への期待が最高潮に膨らみます!
「無自覚なユナにタジタジな花が最高にニヤニヤできる!」「流れる夜景とユナの告白の引きが美しすぎる……!」など、今回の感想や応援をぜひメッセージで届けていただけますと嬉しいです!
皆様からいただく応援の**【コメント】、作品を追いかけるための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、ユナが過去のすべてを花に打ち明け、二人の絆が本物になり、次なる「マジカルカレッジ編」で花がさらなる異次元の無双を披露するための最大の活力になります。ぜひ、hanaXIII への力強い応援をよろしくお願いいたします!
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