第百九十六話 竜
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別班としてホストクラブへ潜入したミントとユナの前に、因縁のクズであるヨシオとスギオ、そして店の悪質な拉致の罠が迫りました。一方、地下闘技場では、ひょっとこのお面を被った花が圧倒的な強さで二十連勝を果たし完全優勝!大口を叩いたヨシオの脳天へ上空から強烈な拳骨を叩き込み、一撃で粉砕しました。
しかし、勝利の余韻に浸る花の前に、「ちょっと待った。私ともやらんかね?」と謎の人物が声をかけます。
「ん?あ、お前は……」
「おや?私をご存知かな?」
(やべ、仮面してたんだったな。)
「知らん。俺は忙しいから、そこどいてくれ。」
「私はマサムネ。この娯楽都市の用心棒。
先ほど、大剣を持った仮面の青年と手合わせをしてなあ。とても気分が高揚している。
是非、地下闘技場の優勝者と手合わせしたい。」
!?
「…………」
(なに!?ランスか!?……ということは、あいつ、負けちまったのか?)
「気分が高揚しているとか、そんなの俺には関係ない。帰る。」
ブォン!!
マサムネは矛を振り下ろし、出口の前で構えた。
「何の真似だ?もう試合は終わった。」
「あの仮面の青年たちといい、君の仮面といい、何か繋がっているとみた。うちのスタッフらがやられてねえ。少し話をさせてもらうよ。」
「おい。そこどけって言ったよな?どうなっても知らねえぞ?」
「望むところ、では、参る!!」
マサムネは頭の兜から顔にスライドさせて顔を隠す。
「装備といい、竜騎士モチーフか?」
「その通り、私のジョブは竜騎士!」
ドン!!
マサムネは勢いよく飛び出した。
(ぷ。チャンス。早く行かねえと、あいつら捕まっちまう。)
花はガラス張りを見る。すると、中でバトルが始まっていた。
「よそ見するとは余裕だな!」
ブォン!!
マサムネは矛を振り下ろす。
スカ!
花は華麗に避けて背後を取る。
(な!?早い!しかも無駄な動きがない!背後を取られたらいかん!急いで振り向……)
シュ!
マサムネは振り向きざまにガードしたが、花の蹴りがガードした矛ごとマサムネを後方へ吹き飛ばした。
ドガーーン!!!!
「ぐおあ!!」
マサムネは壁に叩きつけられた。
「じゃあな!今日のはノーカウントだ!またゆっくりやろう!」
花は、何かを投げ、目にもとまらぬ速さで逃げ去った。
「ぐ……なんという攻撃力と威圧。PvP未申請だった……危うくPKされるところだったな。」
ヨロ。
(ん?これは……回復薬。)
シュイン。
マサムネは回復した。
「あいつ。なんて清々しいやつなんだ。あんなプレイヤーがいたとは、またどこかで会えるのを楽しみにしているぞ。」
◆
「おう!きたか!てめえ、めちゃくちゃだろあの強さは!」
「ふ。許せ。俺とお前なら、これからも、存分に遊びまくれるだろ?」
「うっひゃっひゃー!お前、気に入ったぜ!!そうだな!さあ行こう!!」
スギオと花は、廊下を抜けて、VIPルームにたどり着く。
「そろそろ捕まえ……え!?な、なんだ!?まだ戦ってる!?」
そこでは、湧いてくるスタッフをミントが一人ずつ蹴散らしていた。
ドガン!バキ!
「ぐぼあ!」
ズザザザザ!
スギオの足元にスタッフが転がる。虫の息だ。
やられたスタッフはPKを恐れて近づけない。
「テメェら!なにモタモタしてんだ!早く捕まえろ!!」
「こ、この女が強すぎて!」
「俺がやる!大人しくしてろよー!」
ドガガガ!
ミントとスギオの攻防が始まった。
「あなたは、少しマシですね。」
「んなに!?後悔してもしらないよ?君たちはこれから俺たちと遊ぶんだ!なあ、ひょっとこの……え!おい!お前、何やってんだ!?」
「うぐおあーー!!」
バシューーン!!
「ん?ああ、ゴミ掃除だ。」
「スタッフをPKしやがって!」
「ん?俺たちで楽しむんだろ?あいつらは邪魔じゃないか。」
「お、お前、なかなか狂ってるな!へへへ、まあそう言うことか!」
(こいつ、俺たちよりもやべー奴かもしれねえ!)
「ふへへへ、じゃあ、俺はそこのへたり込んでる、スタイル抜群の子にしようかなぁ!昔、好きだった子に雰囲気がそっくりだ!」
「ん?昔好きだった?」
「ああそうだ!なんとか捕まえれたんだがなあ!あん時は逃げられたからな!」
(あん時?楽しかったって言わなかったか?まさか、こいつ……)
「あん時、そうか、昔楽しんだのか?」
「違う!!俺のツレが、先に手ェ出してたんだ!服とか引きちぎっててよお!だから俺は引き離して……お、俺のものにしようと思ったんだよ!」
「ほう……なら、そのツレも、途中で終わったと言うことか、は!情けねえやつらだな。お前も、まんまと逃げられたのか?」
「し、仕方ねえじゃねえか!」
(ようやくわかったぞ、ユナの過去。)
「なら、今日は決着つけねえとな。」
クル
スギオはユナの方に向き直す。
「ああ!これからだ!よーし!」
ガシ
花は、スギオの前に立ち、首を掴む。
そのままダッシュして、壁にめり込ませた。
「な!?」
グン!
ドガン!!メリメリ!
スギオは大の字に壁へめり込んでいる。
「み、身動きが!お、お前、騙しやがったな!?」
「騙してなどいない、俺たちで楽しむんだろ?今から、楽しいことが始まるのさ。」
「ま、まさか、お前ら!」
「悪いな。お前の気持ちはわかるが、やり方がダメだ。そんなアプローチの仕方じゃ勘違いされて当然だ。相手はトラウマになってんぞ?」
「な、何を言ってやがる!?」
「だからな、今日のところは一旦責任をとっておけ。これから先は、お前がどう悔い改めるかだ。」
「お、俺は、俺は、ただ!カンドリと!」
「距離を縮めたかった、違うか?」
「な!なんで、お前にわかるんだ!?」
「わかるさ。だがなあ、さっきも言ったが、やり方が強引すぎたな。」
「じゃ、じゃあ!どうしろっつーんだ!どーしろってんだよ!」
「それは、お前自身で考えろ、モテるからといって、全てお前になびくとは限らない。もっと、相手を愛しめ。」
「あ、相手を……」
「わからないなら俺が相手になってやる。ここにメッセージを送ってくるんだな。」
花は後ろを振り向く。
「花!……ありがとう。」
そこには弓を引くユナがいた。
ググググ……
「お、お前、まさか!!?」
花は射程範囲を空け、離れた。
(いけ、ユナ!!)
(ユナ様!!)
(いけ!わたし!!)
「リベンジアロー!!!!」
パーン!!ピカ!!
ズギューーン!!
矢がまっすぐにスギオに向かって飛んでいく。
「や、やめ……ぐおあーー!!」
ズドン!!!
バシューーン!!
スギオはポリゴン状の塵となった。
第百九十六話 完
第百九十六話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
今回は、前大会覇者マサムネとの驚愕のスピード決着、そしてホストクラブでの大乱戦から、ユナをずっと縛り続けていた過去のトラウマへの「真の決着」が描かれた、最高に熱くて感動的な回でしたね!
マサムネに対してPvP未申請の隙を突き、一蹴りで壁に叩き込んで「ノーカウントだ!」と回復薬を投げて去る花の圧倒的な戦闘IQには最高に痺れました。さらに、ホストのクズだと思っていたスギオの本心を巧みな会話誘導で暴き出し、「距離を縮めたかった、違うか? やり方が強引すぎたな」と、大人の器で本質を諭す花のカウンセラーのような格好良さも堪りません。そしてラスト、花の作った射程範囲から、自らの意志で過去の恐怖を打ち破り「リベンジアロー!!!!」を撃ち抜いてスギオを粉砕したユナの覚醒には、胸が熱くなり最高のカタルシスを感じました!スギオが最後に叫んだ「カンドリ」というユナの本名にまつわる伏線も非常に気になります!
「ユナが自分の力でスギオを撃ち抜いて本当に感動した!」「ただ倒すだけでなくスギオの本心を見抜いた花が格好良すぎる!」など、今回の感想や応援をぜひメッセージで届けていただけますと嬉しいです!
皆様からいただく応援の**【コメント】、作品を追いかけるための【ブックマーク登録】、および【ポイント評価】や【コンテスト】**への応援が、過去を乗り越えて強くなったユナと花たちが無事にランスたちと合流し、新エリアのさらなる巨大な陰謀へと立ち向かっていくための最大のモチベーションになります。ぜひ、hanaXIII への力強い応援をよろしくお願いいたします!
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もう一つの作品『Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機に人類の切り札として無双するー』も絶賛更新中です!
ALOでの仲間を想い、トラウマすらも共に乗り越えて戦う花たちの熱い絆とはまた一味違う、才能なしと見捨てられた主人公が己の拳と不屈のソウルだけで宇宙を揺るがす危機に立ち向かい、全人類を救う最強の切り札としてド派手に無双する王道の熱いSFバトルファンタジーです。こちらも爽快感抜群の展開が満載ですので、ぜひあわせてチェックしてみてください!
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