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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第四章 現実の絆〜激闘コロッセオ――境界線の夏、守るべき者のために 編

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第百二十七話 森での遭遇

物語は十六年の時を遡り、とあるバーの片隅から始まります。

そして現代、カレッジを目指す森の中では、新たな二人の戦士が拳と剣を交えていました。

「引きこもり」のスバルと「前作プレイヤー」のランス。

交わるはずのなかった点と点が、巨額の賞金が懸かった「コロッセオ」という舞台へ向かって走り出します。

16年前。

カラン……。

「おう! いらっしゃい花ちゃん! 来てくれたんか?! こっち空いてるぞ!」

隣の中学出身の友達で、このバーのマスター。隣の中学はかなり荒れており、花の中学の生徒はよくカモられていたそうだ。中学時代は四天王と呼ばれていたらしい。

統括と花は幼馴染で、統括は友達が多い。花はその周りとも顔見知りになっていた。

陰キャの花はとうてい友達になるような相手ではないが、統括といると自然とこの手の友達も増えていった。

ストン。

花が座った隣には、大男がいた。

ギロリ。

花は視線を合わせない。こんな時は“空気”になるスキルが発動している。

「はな……ちゃん? ……そうか、お前があの……」

(ダニィ!!? 俺の存在を知ってるだと?! 一体どこで!! ……お、終わった。こんなヤバそうな大男に睨まれてる。嫌だな……今まで絡まれることはあっても、華麗に逃げてきたのに……)

大男は花に振り向き、手を前に突き出してきた。

(や、やべえ!! 胸ぐら掴まれるのか!!? いや、でもこちらから反応したら正当防衛が! へ、平常心だ! ここだけ耐えろ!)

スッ。

(へ???)

なんと、その手は握手だった。

「お前が噂の花か、名前はずっと前から知ってた! 俺は岩川、よろしくな!」

(ダニィ!? だ、誰だ?? ……あ……一人しかいないわな……)

花は毅然と振り向き、手を差し出す。

ガシッ。

「こちらも、名前はずっと前から知ってた。こちらこそよろしく」

花の足はガクガクしていたが、なんとか悟られないように耐えた。胸ぐらを掴まれたらおそらく漏らしていただろう。

こうして二人は偶然にも知り合いになった。

「そりゃあ!」

ズババン!

「思った通り! これは回しやすい! ハンマさんありがとう!」

ランスはカレッジに帰るため、森で剣を試していた。

「ん? あそこはモンスターが溢れてるところだ。誰か囲まれてる!」

「ぬどりゃあああ!」

そのアバターは、いかにも格闘技ゲームのキャラのような胴衣を着ていた。

蹴り、正拳突きなど、空手技を繰り出してモンスターを倒している。

が、リーチが短いため、徐々に群れに押し込まれる。

「ぐぬぬ! いかん! このままでは!」

ズババン!

キキャー! バシューーン!

「大丈夫ですか?! 助太刀しても構いませんか?!」

「お、おお! 助っ人! 助かる! よろしくお願いします!」

即座にパーティ設定を繋ぐ。

「うおりゃ!」

「ぬどりゃあ!」

ズドドド! ズババン!

二人は一気に森を抜けた。

「はあ……はあ。ありがとう、通りすがりのものよ。俺はスバル」

「ランスです。いやあ、危なかったですね。あそこは何故か湧いて出るポイントなんで、僕も警戒してるんです」

「あんなポイントがあったなんてな。あれは一人で通過するのは不可能だな」

「ちょっと隙を見ないと難易度が高いですね。まあ、僕の仲間は一人でスイスイいっちゃうんですけどね。自信無くすよ、あははは」

(くっ! この青年もなかなか眩しいぞ! 爽やかだ! 陰キャの俺には眩しい!)

「その仲間は、そんなにすごいやつなのか……上には上がいるものだな」

「スバルさんもかなり強いですよ? 僕は前作プレイヤーで、そこそこやるつもりなんですが、その彼が異常なんです」

二人はカレッジ方面に歩いて行く。

「スバルさんもカレッジに?」

「ああ、たくさんスキルが欲しくてな。だが、習得するにはマスター金が必要だ」

「ああ、だから森へ」

「うむ。なかなか金は貯まらんのだ」

「スバルさんは“モンク”ですか? なら、それはあるかもしれないです。モンクはスキルの組み合わせも強いし、武器があまりいらない分、極めるとチート級に強いので、その代償みたいなものだと思います。これは前作でも同じでした」

「ドロップアイテムは普通なんだが、金だけ少ないと思ってたんだ、やはりそうか」

「だから、パーティを組んで効率よくやる方がいいですね! どうでしょうか、日中はなかなか他のプレイヤーも少ないので、時々一緒にやりませんか?」

(ぬあにぃ!? なんてスムーズに、そして爽やかに話を持って行くんだこの青年は!? しかし、嫌な気分はしない。俺にもメリットしかないな)

「よ、よろしくお願いする! ランス殿!」

「ぷっ! 殿はやめてよ〜!」

「ああ! ついクセが! 仲良くなると、つい変な呼び方をしてしまうクセが! す、すまない!」

「大丈夫! 好きに呼んでよ!」

スバルは、ランスが花の仲間だと知らない。

それを知るのはまだ少し後だった。

引きこもりのスバルは、基本的に日中はログインしている。

前作の引き継ぎと、驚異のログイン時間で、すでにアップデート後のプレイヤーに匹敵するレベルになっていた。

カレッジへ到着する。

「ん? 掲示板になにか書いてある……コロッセオ? あ、賞金もあるぞ!」

「なに?! 賞金も?! 各ブロックで50万円! さらに優勝はプラス50万円?! ギルも同等だと?!」

「どうしようかなあ、けど、下手に目立って他のプレイヤーに目をつけられたらどうしよう……スバルさん、こういう大会はしっかり考え……」

「よーし! ランス殿! 俺は出るぞーー!」

(ええええ! 即決ーー??!)


第百二十七話 完

第百二十七話をお読みいただき、ありがとうございます!

花の過去、そしてスバルとランスの共闘。

引きこもりから一歩踏み出し、眩しい世界へ飛び込もうとするスバルの決意は、高額賞金の懸かった「コロッセオ」で試されることになります。果たして、二人はどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。

【読者の皆様へお願い】

スバルの即決力に驚いた!岩川と花の初対面にハラハラした!と思っていただけましたら、ぜひ下部のブックマーク・評価(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)・そしてレビューや感想コメントをいただけると、執筆の何よりの励みになります!

皆様の声が、物語に新たな熱量を与えてくれます。応援よろしくお願いいたします!

【コンテスト&他作品告知】

現在コンテストに参加中です。一票の重みが励みになります。

また、宇宙の運命を背負う少年の戦い**『Ultimate Wars 〜 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる 〜』**(Nコード:N6980LM)も絶賛連載中です!

『Another Life』と併せて、ぜひ熱いドラマをお楽しみください!

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