第百二十二話 ランスの武器
舞台は移ろい、新たな冒険の予感が世界を包みます。
「はじまりの都」で出会った一期一会の縁は、遠く離れた大陸へと繋がっていく。
一方、鍛冶屋の村では、忘れ去られた剣が再び光を取り戻そうとしていた。
かつての英雄の名残と、未来への可能性。
交錯する二つの物語が、確かな鼓動となって響き始めます。
はじまりの都。
「ふう、そろそろ上がるか……だいぶこのゲームにも慣れてきた」
受付嬢と目が合う。
「あー! あの時の! 元気にしてましたー?? 久しぶりですねー!」
(うぐあー!! 眩しい!! よせ!)
「ど、どうしたんですか? なんだか、わたしの友人と同じ反応ですね」
(スバルさん、また変なリアクションして。どうしたのかなあ)
「い、いや、なんでもないんだ。すまない!
ところで、そろそろビギナ大陸に行こうと思うのだが、何か気をつけることは……」
スバルは、リサから一通りの説明を受ける。
「なるほど、カレッジか。スキルを習得できるのは魅力的だ。
さて、どのステージにしようか……」
「Aはどうですか? わたしも、わたしの仲間もAですよ! たまーにプレイしてるから、どこかで会うかもしれないですね!」
「一番難易度が高いという場所か。よし、そこにしよう。では」
「あ! もし良かったら、ビギナ大陸までご一緒しましょうか?」
「な、な、な、なにぃ!? ……オホン! ……す、すまない。つい取り乱してしまった。
ほ、本当に良いのか?」
「ぷぷっ、面白い話し方ですね!
いいですよ! いつにします?」
「じゃあ、今からはどうですか?」
「オッケーです! では、行きましょう〜! レッツゴー!」
(どぉぅあああ!!!! 眩しいー!!!!)
◆
鍛冶屋の村。
ランスは一通り見て回り、鼻息荒く興奮している。前作と違い、武具の見た目なども洗練されており、大興奮した。
残るはハンマ工房のみ。その門を叩く。
「ごめんくださいー」
ビリビリ!
(くっ。なんだこの威圧感、花??)
「ほう、威圧耐性か? お前が花の仲間か?」
「はい、ランスロットと言います」
「めんどくせぇからランスな。村は見て回ったか?」
「はい、とても素晴らしい村です」
「んで? お前は俺に何の用だ? ……と、言いたいところだが、花から聞いてる。その背負ってる剣、それを鍛えたいんだろ?
ちょっと見せてみろ」
ランスは大剣をハンマに手渡す。
ハンマは鑑定アイテムで武器を見る。
「お、お前、これどこで手に入れた?!」
「前作からの持ち込みです。でも……」
「ああ、退化してる。素材と器は一級品だが、中身がスカスカ。つまり、なんの特性もまだついてない。
お前、もしかして“アーサー”か?」
!?
「心配するな、個人情報は漏らさん。名前を変えているには理由があるんだろう?」
「ありがとうございます。どうすれば、また元の剣に戻りますか?」
「これは、道のりは長えぞ? アップデートの時に設定が変わったからな!」
「これから、どうすればいいんでしょうか?」
「お前は、また昔の剣を使いたいのか?」
「はい、“聖剣エクスカリバー”は僕の象徴でもありましたから。今作でどんな剣なのかはわかりませんが」
「わかった……これを見てみろ。スキャンによると、まずお前の剣を一段階進化させる必要がある。一番相性が良さそうなものは……これか?」
「アロンダイト(大剣 ver)?」
「何の因果かわからねえが、お前の名前にぴったりだな! ぶわっはっはっ!
当面、今の剣からの進化で一番つええのはこれだ!
水の鉱石と、光の鉱石を手に入れねえとな!」
「素材集めが必要なのか……また、どこにあるのか探すところからということですね」
「そうなるな! まあ、ALOの醍醐味かもな!
書物がある場所にヒントが書かれてるかもしれんぞ?」
「ですね。前作もあらゆる書庫に行って、各地を見回って探しました。よし! ひとまず目標ができた!
ありがとうございました!」
「ぶわっはっはっ! 清々しいやつめ! どれ、特別にサービスしてやろう! 見とけ!」
(な、何が始まるんだ!?)
第百二十二話 完)
第百二十二話をお読みいただき、ありがとうございます!
いよいよランスの剣が真価を発揮する時が近づいてきましたね。水と光の鉱石、そして「アロンダイト」という名前が、ランスにとってどんな意味を持つのか。師匠が見せる「特別サービス」にも要注目です!
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