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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第四章 現実の絆〜激闘コロッセオ――境界線の夏、守るべき者のために 編

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第百十五話 最終日

沖縄での修学旅行も、いよいよ最終日を迎えました。

終わりの時間が近づく中、二人は何気ない時間を惜しむように街を歩きます。

まばゆい光に包まれて、二人の心に少しずつ灯る、言葉にできない温かな感情。

何気ない掛け合いの裏側で、二人の距離がそっと近づいていく、そんなひとときです。

早朝。

花の携帯に着信が入る。

「おはようございます、花峰です。

ええ、いや、特に皆とのスケジュールは……はい。

二人はおそらくまだ寝ていると思います……はい……え? あ、そ、そうなんです。なんだか気にかけていただいていて……はい……実はあの後からメッセージもいただいてまして……はい……そうなんです。今日の午前中も、ですが、あくまで仕事で来ているので、それは皆の同行次第だと伝えておりまし……ええ?! いや、さすがにそれは……いいのですか?……わかりました。

ありがとうございます、所長。

二人には、メッセージで伝えておきます。

失礼します」

(…………………いいのか?………まじか)

花は統括と春馬の二人に、お昼頃に事業所集合するため、それまでフリー。花峰は所長指示でそれまで出てくる。ホテルの下で所定の時間に集合、とだけメッセージを入れておく。

戸井はもちろん、早朝から所長と出かけている。

(さて……メッセージ送るか)

花はアユにメッセージを送った。

『フリーの許可が出た。行けそうか?』

すると、数秒で返信があった。

『ええ、もちろん! どこに行けばいいかしら?』

(早! 待ち構えてたのか? いつから起きてたんだ?)

『とりあえず、迎えに行く。1時間後で』

『そんなに待てないわ〜』

『じゃあ、30分後で。今から向かう』

(準備とか大丈夫なのか?……まさか、本当に待ち構えていたのか……?)

「ハロ〜、おじゃましまーす」

今日はいつもに増して、露出の多い服装だった。

「日焼けとか、気にしないのか?」

「全身に塗ってあるから、対策バッチリよ。

傘もあるわ。

どう? なかなかイケてるでしょう?」

「イケてるなんてもんじゃねえよ、眩しすぎる。直視できんぞ!」

「あら、いつもより素直なコメント! 逆に照れちゃうわ、どうしましょう〜」

いつもの漫才のような掛け合いをしながら、目的地へ向かう。

ガラス細工の工房へ。昨日の別れ際に、アユからの提案だった。

最終日は晴天。

海沿いの景色は最高だった。

運転中の花に、アユが飲み物を飲ませる。

「お口はここかしら?」

「バカ! それは鼻だ! 事故るぞ!?」

「あらいけない! ちゃんとしなきゃ」

「それは頬だ!」

ふざけながら大笑いする。

「ここか。やっぱり雰囲気あるなぁ」

「花は時間が無さそうだから、作るのは無理そうね。お店を見てまわりましょう!」

アユは日傘を差して、終始ご機嫌な様子だ。

花はすでにバテていた。日差しも強く、歩く距離も、お店の数も多い。

「ちょ、待ってくれー、なんでそんなに元気なんだ?」

「どうしてかしらね〜。そ、れ、は、花がいるからで〜す!」

(テンション高!……いかん、マジで熱中症になりそうだ)

その時、アユは花に駆け寄ってきた。

「いいこと思いついた、よし! これならどうかしら?」

「お、おいおい! それは!」

「だぁ〜れも見て無い無い! こうでもしないと、バテちゃうでしょう?」

アユは、花の手を掴み、くっついた。そして、日傘を差して影をつくる。

「ね? 良いでしょう?」

「ほ、本当だ」

「え?!」

アユの顔が少し赤くなる。目をキラキラさせて花を見た。

「影に入るだけで、こんなにも違うなんて、助かったよアユ。ありがとう」

「……………」

アユは目を細めてじっと見つめる。

「ん? なんだ? ちょ、怖いんだが」

ヒョイ。

「あ! 俺のセーフティゾーンが! 頼む! 影を! 傘の中に入らせてくれ!」

密着はしているが、傘をわざと外すアユ。

「防御力も、ちゃーんと鍛えてくださいまし。は、な、ちゃん!」

(わ、ワザとだなー! な、何がいけなかったんだー?!)

そうこうしているうちに、アユの一番のおすすめポイントに到着する。

様々な色のガラス細工がたくさん並んでいる。

光が差し、どれも綺麗に並んでいた。

花は暗がりの部屋を見つける。

「あそこも展示されているのか?」

「お、実は一番のポイントなの。行ってみましょう!」

「これは、すごい。なるほど、夜になると光でこんなふうに見えるのか! 気泡が雰囲気出てる」

お店の人が気を利かせて説明してくれる。

「泡がこうしてガラスに残ってるでしょう? これはねえ、その瞬間の時間を閉じ込める、思い出が消えない。という意味があるんだよ。

お二人にピッタリだねえ。

新婚旅行か何かかな?」

店員は悪気なくニコニコしながら話す。

「あ、僕らは……」

花が答えようとしたその時。

「はい! 実はそうなんです〜。見えますか? ですって、あ、な、た!」

「いいねえ〜、お兄さんなかなかやるねえ! こんなちゅらかーぎーな人つかまえて〜!」

アユは、得意げに花を見る。

花は、方言がわからなかったが、アユの態度から見て、それとなく照れているように見えた。

「今の店員さんの言葉、わからなかったでしょう? 教えてあげましょうか?」

「いや、だいたい勘だが、アユを褒めたんだろ? 可愛いとか、美人って言ったんじゃないか? だから、いじられて普通に照れちゃったよ」

(それって。嬉しかったってことじゃ)

「わ、わかってたのねー! なーんだぁ」

「さすがに新婚だなんて言われて照れたよ、そんな夢見たいなこと、想像もつかんからなあ!」

(ゆ、夢みたいって……え?!)

花は、いつもの謙遜混じりで受け答えしていたが、アユまで照れ出し、モジモジしていた。

「花……聞いてもいい?……」

「ん? どうした? トイレか? 早く行ったほうがいいぞ?」

バシッ!

「痛え! え?」

日傘で花の頭を叩き、今度は頬を膨らましていた。

(全くわからん! 何が起こった?!)

そんな掛け合いをしながら見てまわり、あるところで、二人の足が同時に止まった。

(こ、これは……‼︎)



第百十五話 完

第百十五話をお読みいただき、ありがとうございます!

沖縄の最終日、ガラス工房で店員さんに「新婚さん?」と勘違いされる二人の距離感が、なんとも初々しくて素敵な回でしたね。花は相変わらず自分の殻の中にいますが、アユがどんどんその殻をノックしてくる様子に、読者としてもニヤニヤしてしまいます。

【読者の皆様へお願い】

アユの「ちゅらかーぎー(美しい人)」を褒められた時の反応、可愛かったですね。もし「二人の掛け合いが最高!」「もっとイチャイチャしてほしい!」と思ってくださった方は、ぜひ下部の**評価(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)**やブックマークをお願いします!皆様の応援が、執筆の何よりの活力です。

【コンテスト&他作品告知】

現在コンテストに参加中です。皆様からいただく一票が、物語を前へ進める力になっています。

また、圧倒的な力の差を頭脳と勇気で覆す物語

『Ultimate Wars 〜 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる 〜』

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