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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第四章 現実の絆〜激闘コロッセオ――境界線の夏、守るべき者のために 編

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第百七話 沖縄の夜

一日の仕事を終え、誘われるままに足を踏み入れたのは、夜の街に佇む高級クラブでした。煌びやかな空間で花の前に現れたのは、息を呑むほどに美しい一人の女性。彼女が耳元で囁いた言葉に、花の心臓は大きく跳ね上がります。

本社から幹部を招いて、事業者に挨拶をした。

少しの緊張が走る。

相変わらず、責任者はこちらに胡麻をすってくる。

(このタヌキが、まあ落ち着け、明日の面談で全て丸裸になる。)


初日は挨拶を済ませて、本社組はその後飲み会となる。


ご当地や、所長のおすすめの店は全て当たりであり、皆満足した。

その後はもちろん、夜の街へ繰り出す。

花は妻の地元での出来事から酒が飲めない状態になったため、運転手を引き受ける。


「やっぱり那覇は都会ですねー!」

観光客も多く、皆テンションが上がっている。

「今日は、お前らにおすすめの店がある!」

所長の先導に皆ついていく。

そこは、高級クラブだった。

(こ、ここ?!え、俺たちが入って大丈夫か??)

皆、ついていくため、花も続けて中に入る。


煌びやかな店内、ちょっとしたステージや、ピアノも置いてある。


とある一角にまとまって座った。

所長は自分のお気に入りを指名。

「花峰!お前は酒が飲めないのに、運転手でよく付き合ってくれた。ここに、とびきりの子がいるから、指名してもいいぞ!」

それを聞いた周りは自分こそはと名乗り出るが、それは制される。

「お前らはどうせ酔っ払うんだからダメだ!

どうだ、花峰?」

「で、では、お言葉に甘えて、お願いします。」

所長はニカっと笑い、指名した。


(てか、俺、シラフで大丈夫だろうか。いつもより高級そうだし。俺なんかに指名って勿体無いよな。)


「こちらでよろしいでしょうか?」

「おおおお!」

皆、やってきた子に面食っている。

とびきり若いというわけではないが、明らかにレベルが違っていた。

整った顔に、妖艶な雰囲気。スタイルは抜群だった。

(え?これはレベルがヤバすぎるだろ……俺、何話せばいいんだ?)


花は、一瞬だけ見て、直視できずにいた。

「はじめまして、アユです。お名前を聞いてもいいかしら?」

「は、花峰です。」

「あら、そう!……なら、花ちゃんって呼ばれてたりする?それとも………"は、な、さん"の方が、馴染みがあるかしら?」


クル!

花は、それを聞いて、初めて彼女の方を振り向いた。

花は固まっている。

(こ、この話し方、声……この顔……)


ニコ。

「どうも、はじめまして、は、な、さん。」

(ま、ま、ま、まさか!)

花が驚いていると、アユは人差し指を口に当てる。

(え?秘密のサイン?やっぱり、アユなのか?)


まだ確信が持てずにいたため、大事にしない方向で話をすることになった。


「今日は、どんなご予定でこられたのですか?」

慣れた手つきでお茶を差し出す。

「あ、あの、俺まだ注文してな……」

「お酒は確か……飲めないとお聞きしてましたが、違いましたか?」

(な、なんで知ってるんだ?所長か?)

「所長から、聞いたのですか?」

「ええ、まあ、そんなところです。ふふ」


花はテンパってしまい、何を話せば良いか混乱していた。

「ふふふ、そんなに緊張しないでください。

"いつもの花さん"で接してほしいわ。」

周りからすると、普通の会話に聞こえるだろう。しかし、この意味深な会話で、少しずつ確信に変わるのだった。


ここで、アユがステージに呼ばれる。

花は、何も言えずに、静かに見送った。

「おい!お前についてる子が歌うぞ!

よく聞いとけよ!すごいからなあ!」

ピアノの前奏が流れる。

(こ、これは、あの歌手の、若い頃の代表バラード!教師と生徒のラブストーリー…ドラマの主題歌だ!)

アユは静かに歌い始める。

騒いだりイチャイチャしていた客も、皆アユの歌に釘付けとなる。

普通はキャストたちは嫉妬するものだが、アユは桁違いなため、この時ばかりはむしろ休めると、他のキャストにとっても好都合なのだ。


サビも、全く外すことなく、むしろ本人に匹敵するレベルで歌いこなす。


(こ、この歌唱力……もう間違いない、アユだ!)


最後まで歌いきって、大きな拍手に包まれた。

その後は、また店内は元の雰囲気に戻る。


そこに、アユが帰ってきた。

花は驚いており、固まっている。

ガバ!

(え?!)

アユは座りながら、花に抱きついた。

周りからも、よくわからない雄叫びが聞こえてくる。

少しハグした後に、また座り直す。


アユがニッコリと笑った。

「花!会えて嬉しい!」

なぜだか、アユの目はウルっとしていた。

花は、もう観念したという感じで、素を出すことにした。周りは夢中になっており、花に気を取られてはいない。

ガシ!

花はアユの顔を両手で掴んだ。

じっと顔を見る。

スタッフが駆け寄ろうとするのを、あゆがジェスチャーで、しっしっと払う。

「ふふふ、ね?わたしでしょう?よ〜く見てね。こっちも悪くないでしょう?」

花は、スッと手を離す。

「はぁ……参った。本物だ。まさか、アユにも会うなんて……今日はどうしたんだ。」

「おーい、わ、た、し、の感想は?」

「………参った。降参だ。」

「なにが、降参なのかしら?」

「だから、びっくりするくらい、可愛いってことだ!」

「ふふ、嬉しい〜。」

そう言って、花の腕に絡まってくる。

「お、おい、それはまずいんじゃないか?」

「全然平気、わたしが勝手にしてるんだもん、スタッフの忠告なんか無視無視〜。」

「アユは、自由にやってんだな。さすがだな。」

「こんなにあからさまにするのは、はじめてかも。あなたの影響よ?

ところで………やっぱり、向こうとこっちでも、見た目は若いわね、イメージ通りだわ。」

「俺はアユみたいに飛び抜けてねえからな。普通のキモイおじさんだよ。」

「あ!またそんなことを!人は見た目じゃないぞ?」

「このなりで全然説得力ねえんだけど!」

二人はいつもの掛け合いで笑っていた。


「そういえば、さっき、意味深なこと言ってたけど、まさか、リサちゃんに会ったの?」

「………ああ、ちなみに、タクにもな。」

!?

アユは驚いて目を見開いた。

「だ、大丈夫だったの??」

「ああ、もう漫画みてえな展開だったぜ。また今度詳しく話すよ。」


「今日は?会えないの?」

「ぷ、流石にゲーム持ってきてるわけねえだろ〜」

「ちがうわ……こっちで……」

「…………いいのか?」

「まったく問題ないわ。ここは沖縄、わたしを束縛するものは何もない。」


「今日は、送迎なんだ。みんなを送って行った後なら、時間は作れそうだ。それでも大丈夫か?」

「ええ、問題ないわ、わたしもこの後も仕事だから、あなたたちがハシゴしても、ちょうどの時間になると思うわ。」

「じゃあ、またみんなを送っていったら連絡するよ。」

「すごく楽しみ、まさか、本当に会えるなんて思ってなかった。」

「おい、俺は冴えないおっさんだぞ?

ゲームみたいにチート技も使えん。お前みたいなレベルの子を、完璧にエスコートなんてできんから、あんまり期待するなよ?」

「まーた、そうやってー。こっちじゃいつもそんな感じなの?別にそんなの気にしなくていいのに……でも、色々あるよね、現実は。

でも、今日はゲームの中にいるみたいに、楽しく話さない?」

「………わかった。ありがとうアユ。また後でな。」


こうして、沖縄の夜は幕を開けた。


第百七話 完

第百七話をお読みいただき、ありがとうございます!タク、リサに続き、ついにアユとも現実で繋がった花。高級クラブというステージで、最高のパフォーマンスを見せつけた彼女の姿は、まさにゲーム内の「歌姫」そのものでした。

花の腕に絡みつき、「会えて嬉しい」と瞳を潤ませるアユ。二人の「アフター」は一体どのような夜になるのでしょうか……。

【読者の皆様へお願い】

現実世界で加速する再会の連鎖。アユの積極的なアプローチに、たじたじの花。この二人の「大人の時間」にドキドキした方は、ぜひ下部の**評価(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)**やブックマークをお願いします!皆様の熱い応援が、沖縄の夜をさらに熱く彩ります。

【コンテスト&他作品告知】

現在コンテストに参加中です。皆様からいただく一票が、花島さんの情熱を支えています!

また、圧倒的な力の差を覆す逆転の物語

『Ultimate Wars 〜 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる 〜』

(Nコード:N6980LM)

こちらも運命が激しく火花を散らす展開が続いております。本作とあわせて、ぜひチェックしてみてください!

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