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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第四章 現実の絆〜激闘コロッセオ――境界線の夏、守るべき者のために 編

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第百六話 なんとなく

騒動のあと、走り去る一台の車。リサはその車に乗り込もうとする男の横顔に、ある「確信」を抱きます。思わず叫び、駆け出した彼女でしたが……。現実と仮想、二つの世界を繋ぐメッセージが、震える彼女の心を優しく包み込んでいきます。

「リナ!どこ行ってたの?タクも追いかけて行ってたけど、ちゃんと会えたの?久しぶりの同僚でしょう?」

「う、うん。会えたよ。」

「スイーツも買えて良かったじゃん!けどさあ、わたし、あの人先生だとばかり思ってたけど、全然違ってた!ごめん!」

(え?なら、なんで、あの人わざわざわたしを助けにきたんだろう……あ、そうか、バッグに名前書いてあるから……いや、そこじゃなくて……見ず知らずの人が、わざわざ助けに来る?……………わたしは、ただ走っていただけ。

その後ろをタクがただ走っていく。その光景だけで。わざわざ追いかけてくるものなの?

スイーツが呼ばれたから?

……………しかも、あんな演技までして?

どう考えても、わたしの事情をすぐ理解できる人じゃないと、わざわざ助けないよね。だって、カップルの喧嘩かもしれないし、わざわざ止めるかなあ。)


リサは頭の中をフル回転させていた。

バスに乗り込むまでの数分、もはや友達の声は耳に入らなかった。


バスのすぐ後方、反対側に車が止まる。高口が窓を開けて大声で叫んだ。

「花峰さーん‼︎着きましたよー‼︎おーい!聞こえますか、花さーん‼︎」

(恥ずかしいからやめろ‼︎)

「ああ。すぐ行く。」

花はサングラスを外して車に乗り込もうとする。


(あ。さっきの人だ。………花峰?花さん?………まさか!)

ガバ!!


リサは列の輪から抜け出して、後方の車に乗り込む人を見た。

「あ!あの顔って!ええい!間違えてもいい!

おーーーい!あのーー!待ってくださいー!!」


ビク!

花は乗り込む一瞬、横目でチラッと見る、そこにはリサらしき女子高生が、少し離れたバス前の集団からこちらを見ていた。


ダダダダ!

リサは走り出した、花の元へ行こうとする。

すかさず、花は車へ乗り込む。

「高口!早く出せ!」

「了解!」


「あ!」

ドタン!

リサは転んだ。

先ほどの恐怖で足がもつれやすくなっていた。

「おーーーい!なんで逃げるのーー!?おーーーい!花さーーん!!」


リサは必死に叫んだ。

「は、花峰さん、後ろ、めっちゃ可愛い女子高生が何か叫んでますけど、いいんですか?

呼んでるの、花峰さんじゃないですか?」

「いや、人違いだろ。多分。そんな別嬪が俺を呼ぶはずがない。」

(そう。俺は会っちゃいけないんだ。相手は女子高生だぞ。)


「ちょっとリサ!大丈夫?なに叫んでたの?

あの人誰?」

友達らが駆け寄ってきた。

「大丈夫?ハザマさん!あ!もしかして、花って、ゲームの人??え?まさか、現実で会ったの??」

「わからない……そうなんじゃないかなーって思っただけ……」

「え?憶測で叫んだの?あんたやるわね〜!」


「や、やっぱり人違いかな?ま、しょうがないか……けど、あの人に助けられたなあ…」


バスの中でリサはぐるぐる考え込んでいた。

そして、タクを目の前にして、足がすくみ、覚悟が全然できていなかったことも考えていた。


(花さんに、メッセージ、送ってみよう。

もう、落ち着かないよぉ。)


ピコン


(ん?アプリのメッセージ?……リサからか)


『修学旅行で、タクがいた。』

花は、メッセージをちゃんと返してほしいというリサの言葉を思い出した。

『なに?!修学旅行に?!大丈夫だったのか?!』

(あ!花さんからだ!早い!短文だけど、記号も増えてる。)

『追いかけられて、怖かったよぉ。

けど、見ず知らずの人が助けてくれたんだー!

先生だと思ったけど、違う人だったからびっくりしたよぉ。』

『助けてくれて良かったじゃないか!どこにいるかわからんから、他の友達らと一緒にいた方がいいぞ?』

『うん、そうするね。ごめんね急に。

どうしても、モヤモヤしちゃって。

事情を知ってるのが、ゲーム内のメンバーだけだからさ。』

『俺は構わん。さっきものんきにスイーツ食べてたからな。』

『こんな日中に??いったいどんなことしてるの?』

『それは秘密だ。

まあ、さしずめタクはロケかなんかだったんだろ?

まだ数日滞在する可能性があるから、気をつけろよ。何かあったらまたメッセージくれ!』

(くれって言ったって……ここ、沖縄だよ?)


『もしピンチだったら、飛んできてくれる?ALOのときみたいに』

『ああ、本当にやばいなら行ってやる。だから、無茶すんなよ。』

(現実的に無理なことを約束する人じゃない…だとすると…やっぱりこっちにいるのかなあ。確か、仕事で行くとかなんとか言ってたっけ?

もしいるなら……会いたいなあ)


一波乱ありながらも、花のアシストにより、無事に逃げ切ることができたリサ。

メッセージで、花はリサの存在が確実になった。

だが、リサはまだ確信は持てていなかった。


『まあ、基本的に、みんなといれば大丈夫だ。

一人になるタイミングだけ注意しろ。

だから、残りの時間は、悔いなく楽しめ!』


(ぷ。花さんらしい。ふう。少し落ち着いた。

確かに、集団行動してたら大丈夫だよね。

流石に一般人相手に本気にはならないだろうし。

やっぱり相談してよかった!)


リサは意外と能天気なので、花とのやりとりで心持ちが元に戻った。

残りの期間、無事に過ごせるだろうか?


第百六話 完



第百六話をお読みいただき、ありがとうございます!沖縄の太陽の下、すれ違う車の中でリサが叫んだ「花さん!」という声。届いているはずなのに、あえて「人違いだ」と自分に言い聞かせる花の姿が切なくも格好良かったです。その後のメッセージのやり取りで、少しずつ「おじさん」なりに文面を工夫する花の優しさが、リサの心を一番に癒やしてくれましたね。

【読者の皆様へお願い】

現実の距離は近くても、立場をわきまえて一線を引こうとする花。ですが、リサの心はますます彼に惹きつけられているようです。もし「花の不器用な優しさが好き!」「二人のやり取りにニヤニヤした」と思ってくださった方は、ぜひ下部の**評価(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)**やブックマークをお願いします!皆様の応援が、二人の距離を縮める魔法になります。

【コンテスト&他作品告知】

現在コンテストに参加中です。皆様からいただく温かいお言葉が、毎日の執筆のかてになっています。

また、絶望の淵から這い上がる男の逆転劇

『Ultimate Wars 〜 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる 〜』

(Nコード:N6980LM)

こちらも運命を切り拓く熱い展開が加速しています。本作とあわせて、ぜひこの機会にお読みください!

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