第百四話 芸能人
楽しいはずの自由行動の時間、平和な空気が一変します。人だかりの先にいた「ある人物」の姿を見た。混乱する現場で、荷物を預かったままの花が静かに動き出します。
キャーー、キャーー!!!!
「ほら!リナ!早く行こう!修学旅行で芸能人に会えるなんて、こんな偶然ないよ!」
「ま。待ってよお!スイーツはどうするの??」
「そんなのは、ほら、あれ何組かの先生じゃない??荷物ごと預けて、早く行こうよ!」
「う、うん!ちょっと待ってね!」
リナは近くにいた先生?に荷物らを預けて、友達に引っぱられながら、人混みに走って行った。
「キャーー!まさか、こんなところで会えるなんてー!テレビで見るよりすごく爽やかー!」
!!?
リサの足は止まった。
そして、震え出す。
友達が引っ張る中で、その場から動けずにいた。
「もう!リナが行かないなら、私一人でいくからねー!」
友達がグイグイ前の方へ進む。
リナは固まったままだ。
「タクーーーー!こっち向いてー!」
なんと、そこにいたのはタクだった。
「ちょ、うわ、すごい人だ。えっと、君たちは高校生かな?」
(この制服どこかで……間違いねえ、リナのとこの制服にそっくりだ。よく制服のままスタジオに来てたからな。)
「はい!わたしたち、東京の高校から修学旅行で来ましたー!キャーー!かっこいいー!握手してくださいー!」
(やっぱりそうか、まだ決まったわけじゃねえが、もしかしてリナもいるのか?)
タクは一人ずつ丁寧に握手する。
ハグしてほしいと言われれば、軽くだがハグもする。
ファンサービスは仕事に徹している。
それを遠くに見ている者がいた。
(お、驚いた……あの野郎もここにいたのか……しっかしまあ、なんつー綺麗な顔してんだ。
背も高え。
わざわざリサを狙わなくても、いくらでもいるだろ。
ん?あの荷物預けてきた子か?なんで一人だけ突っ立ってるんだ?
感動しすぎてちびってんのか?ま、リサじゃあるめえし、そんなギャグなことなんて……)
ぺたん
その女子高生は座り込んでしまう。
(おいおい、感動しすぎじゃねえか?まあ、ここで荷物見といてやるか。そのうち戻ってくるだろう)
リサの友達の握手の番が来た。
「あ、あの!わたし、リナの友達です!し、知ってますか?最近までお仕事同じだった子!」
(!!?ビンゴ!!!やっぱりここにきてんじゃねえか!なんて幸運なんだ俺は!)
「ああ、もちろん知っているよ?とても頑張っていた子だったから、辞めて残念だよ。」
「今日いますよ!ほら!あそこに!せっかくなので、話してきてください!」
タクは女子高生の指差す方を見て、リサを見つける。
(見ぃつけたーーーー!!!!)
「ありがとう、君に感謝するよ。」
そう言って、リサの友達にハグする。
「うっきゃーーー!なんて幸せー!」
「マネージャー!ちょっとここ頼んだ!早く!」
「ちょ、ちょっとお待ちを!」
マネージャーが女子高生を足止めした。
リサは、起き上がり、アメリカンビレッジの中に走り出した。
タクもそのあとを追う。
「7番の札の方ー!いませんかー!」
スイーツが呼ばれた。預けてきた子の番号だった。
しかし、二人とも、花の目の前を通り過ぎて行った。
(…………お、おい、まじか………俺の勘が合ってるなら、あの逃げてる子って………雰囲気も何となく似てるなあ……お友達の会話からしても……追われる展開になってるってことは……てか、スイーツ……どの道あの子を呼ばなきゃ、俺のが来ねえじゃねえか……)
「おーい!そろそろバスがくるぞー!区切りのついた者から移動しろー!ちょっとそこ動くなー!ざっと見るぞー!……おい!ハザマはどこだ?!」
(あ、本物のセンコーだ。……………仕方ねえなあ)
花は椅子から立ち上がる。サングラスをしており、花の顔はほぼわからない。
「先生、さっきあっちに行くのを見ました。わたしが呼んできますので、そちらの生徒を頼みます。」
「ああ、すまない。頼みました。
さあー!そこにいるものはバスへ迎えー!」
(ん?あんな先生いたか?中等部か?基本的に交流がないからわからんな。ま、今日の就寝後のミーティングでわかるだろう。お礼を言わんとな。)
リサの学校は中等部もあり、中等部の修学旅行も、高等部と同日に組まれていたのだ。
「確か、あっちに走って行ったな。まあ、リサかは知らねえが、どのみちスイーツも出来てるからな。呼びにいってやるか。
じゃねえと俺のスイーツの番が来ねえ!」
第百四話 完
第百四話をお読みいただき、ありがとうございます!まさか沖縄でタクと鉢合わせてしまうとは、リサにとっては悪夢のような展開です。しかし、そこには偶然(あるいはスイーツのため?)居合わせた花がいました。サングラスで顔を隠し、機転を利かせて動き出す花の姿に、思わず「行け、花!」と応援したくなります。
【読者の皆様へお願い】
現実世界でのタクの執着、逃げるリサ、そして動き出した花。三人の運命が沖縄のアメリカンビレッジで交錯します!もし「花の機転がカッコいい!」「タクが怖すぎる……」と思ってくださった方は、ぜひ下部の**評価(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)**やブックマークをお願いします!皆様の応援が、次回の反撃の力になります。
【コンテスト&他作品告知】
現在コンテストに参加中です。皆様の熱い応援、心より感謝申し上げます。
また、運命に抗う者たちの戦いを描く
『Ultimate Wars 〜 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる 〜』
(Nコード:N6980LM)
こちらも一瞬の油断も許されない、手に汗握る展開が続いています。本作とあわせて、ぜひチェックしてみてください!




