6.計略
みんなから事情は聞いた。
どうやら雪穂の家の周辺住民の人が誘拐しているところを目撃したらしい。
白いシャツ姿で長身の男だったらしい。
それだけじゃ誰が誘拐犯か分からない。
もっと情報収集しないと。
保健室を出た時には放課後だった。
槙島さんと咲道さんが昇降口で待っていた。
「ほんとに大丈夫?病院行かなくて平気なの?」
「うん、問題ないよ。心配させちゃってごめん。」
「そんな謝る事は無いよ。じゃいこっか。」
そう言って私たち3人は今日も雪穂の捜索に出かけた。
「う〜ん。操作に進展がないな〜。何か新しい手があればなぁ」
もはや槙島さんは飽きた様子だった。
「なんかこう……ズバババー!っていい感じにすんなり解決する話じゃないし。」
「捜索って地道にやるもんだし。しょうがないよ。」
「不知火さんはよく耐えれるね〜。私一人だったらもうとっくに帰ってるよ〜。」
「槙島そんな事言わないの!ごめんね、不知火さん。槙島は飽きやすいタイプで……」
「大丈夫。それより、この事件に警察は動いているの?」
そういえば的な反応を浮かべる二人。
読者には伝えておくがこの時点では警察は動いていない。
前にも言ったが、雪穂は一人暮らしだ。通報出来ない。
目撃者が目撃した時は強引に雪穂を外に連れていく姿ではなく、インターホンを鳴らして待っている時だったそうだ。
従ってどうやら誘拐ではなく兄だと思い込んでしまったようだ。
私たちは雪穂には兄はいないことは知ってる。もちろん一人暮らしだって事も。
そこから誘拐と判断したのだ。
雪穂、無事に生きてて……私が助けるから……!!
[貴方は騙されている。]
「はっぐぁぁ!」
「不知火さん!?また頭が痛いの!?」
「いだい……あだまがぁぁ!」
[貴方は二人の女子に騙されている。]
何を言っているの!?あの二人も私の友達!
[この世界では共犯者と呼ばれる存在。]
じゃあ……二人は私を塡めさせる。そういう計画なの!?
[よく分かっているなら何故そう抗う?]
それは……私はそんな真実……認めたくないから!
「私家ここから近いし誰もいないからそこに連れて行こう!」
「そうだね!そうしよう!!」
「い……いたぁ……いだい……」
「不知火さん、今助けるからね。」
そうすると咲道さんが私をおんぶした。
[あなたは今騙されている。二人、いや誘拐犯の罠にまんまと引っかかっている]
違う!あの二人は共犯者じゃない!
[何故そう言い切れる?根拠も無いのに何故そんなに自信に満ちあふれている]
分かるの……友達ってのは信頼できる人のつながりって事だから!
[その言葉、いつか消える言葉と化すだろう]
じゃあ私から質問するわ。貴方にとって友達って何?
[いつか滅びる分かっている人間関係。人間はいつかこの関係を断たなければいけないというのになぜ友達を作ろうとする?]
そんな事言ってもあなたには分からないわよ……
脳裏の叫びの友達という意味がどれだけ残酷で卑劣だったか、私には耐えられなかった。
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「不知火さん!不知火さん!!やっと気づいた……」
「うぅ……こ……ここは?」
起きようとすると咲道さんが止めようとした。
「無理しちゃいけないよ!まだ横になってて構わないよ。ここは私の家。お母さんは今日遅くなるってさっき聞いたから大丈夫。」
「またあの頭痛?」
「えぇ。しかもさっきより痛かった。」
「私頭痛薬もってくる!」
そういって咲道さんは走って部屋を出て行ってしまった。
すると突然槙島さんが話しかけて来た。
「ねぇ不知火さん。もう……気付いてるよね?」
槙島さんの顔が一変した。
「な……何の事?」
「私たちが今貴方を騙そうとしてる事。」
一瞬息の根が止まった。
あの脳裏の叫びが言っていたが当たった……
「うすうす気付いてたんだよ。貴方、起きた時からちょっと警戒してるよね?」
「そんなことないよ。ちゃんといつも通りだよ……」
まさか現実に当たるとは思ってもいなかった。
「ねぇ、いっその事私たちに騙されてよ。誘拐犯が誰かだって貴方も知りたいでしょ?」
確かに知りたい。
「私ね、結城さんが捕われてるとこ、3日前に見たんだ。すっごく可愛らしかったよ?足も手も縛られて椅子に座られてるんだから。目隠しもしちゃってるし。あの人も趣味悪いよね〜。」
「あなた……!!」
そうすると槙島は私の上ドスっと乗った。
「ふぐぅ!!」
お腹を殴られた感じの痛さだった。
「ねぇ不知火さん?」
そういって槙島は私に顔を近づけた。
「誘拐犯、誰か知りたい?」
エロ怖いというべきか。もう少しで規制がかかるというか。
そんな感じに私に訪ねて来た。
「知りたい……私……誘拐犯……知りたい……」
「じゃあ特別に教えてあげる。誘拐犯はぁ……」
「不知火政則。貴方の実の兄よ。」




