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不知火真華の衝撃  作者: 蔦原啓介
2/7

2.再会

翌日の朝。

「おっはよー!!」

後ろから大声で叫び走って来る少女の姿はまるで陸上選手のようだった。

それもそのはず。彼女は陸上部のスプリンターである。

大会では100mや200mでいつも表彰台へ上がっているのでここら辺の周辺住民の認知はもちろんの事、他校の陸上部も要注意人物として扱われているらしい。

「雪穂……おはよ。」

「真華ちゃん……元気無いけど大丈夫?」

「あ……うん……昨日勉強しすぎて。ちょっと寝不足。。。」

「だめだよ〜?赤点取るのは嫌だけどそこまで勉強しなくても別にいいでしょ。」

「それでいいなら苦労しないよ」

今私は雪穂に嘘をついている。

真実を言おう。

昨日、私はずっと泣いてた。

ほんとに全部嘘なのかなって。ほんとに全部偽りなのかなって。

そう考えると涙が止まらなくて。

その後ずっとパソコンで真実を調べてた。

そして気付いたら朝になってた。

もちろん真実なんて見つからなかった。

でもみんなにこんな事いっても軽く馬鹿にされるだけ。

相談しようがない。


昼休み。

相談しようがないなんて言ったけど、担任なら信じてくれるはず。

私は雪穂とのお弁当を断って職員室に向かった。

「う〜ん。それはだいぶ重症だな。」

「重傷かなんて何処で判断してるんですか?」

「いやだって人間って普通に生きてる分にはそんな事考える事はないだろ?」

「確かにそうですね。普通に生活してる分にはこの世界は全部嘘だなんて思いませんよね。」

担任の磯崎洋平は私ののクラスの担任でもあり、私の学年の理科の先生でもある。

見た目は強面で柔道の選手みたいな体系だが、とても生徒の面倒見が良く、評判もいい。

「俺の友達にな。そうゆうのに詳しい奴がいるんだ。」

「こうゆうのに詳しい人……ですか。」

「そうだ。いわゆる……哲学者みたいな奴だな。隣町にでっかい大学あるだろ。そこの教授してるんだ。」

隣町の大学。県立若越大学。とても頭が良く、古くから建っている名門校である。

「そう……ですか……その人の所に訪ねてもいいですか?」

「俺が手配しておくが、あいつあんまりそうゆう時間が無い人間だからなぁ。。。話によると、イケメンだから女子大生からモテモテらしいぜ。講義を開催すれば講堂は女子大生で埋め尽くされてしまう。授業よりもあいつ目当てに来てる奴らばっかりだ。登場すると黄色い声が構内に飛び交う。」

「イケメンか……でもそれで私が抱えてる問題が解決出来るならいつまでも待ちます。」

「ほんとにいいのか?下手したら2ヶ月後とかになるかもしれんぞ。」

「大丈夫です。よろしくお願いします」

「おうよ。任せとけ。その相談の解決に俺も協力するぞ。」

真華の顔に、少し微笑みが取り戻された。


その週末。磯崎先生からメールが来た。

意外にも明日教授の時間が取れたということで電車行った。

それも丸一日取れたと言う事。

相手も私が抱えている問題には興味があるらしい。

ほんとは時間がたっぷりある暇な教授じゃないのかと思ったくらいだ。

駅前で待ち合わせ。なんかデート前の気分。ドキドキしている。

「ごめん!ちょっと遅れちゃった!」

その顔に私は衝撃を受けた。


その教授は

実の兄なのだから。

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