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176Dead『催眠術』

望はアレックスの病室に入った。

アンジェリスは


「変なことしないでよ……」


と言った。

すると望は


「……それは振り?」


と聞くと和子は


「違う……」


と呆れるように言った。

すると望は


「分かったよ……」


と言った。

剣子は


「こんな状態でも催眠術掛けれるのか?」


と聞いた。

アレックスは自分の髪がトンスラになり心が折れて一日中ボーっとした状態になってしまっていた。

すると望は


「むしろこの状態の方がいい……意識が思いっきり低下してるだろうし夢心地ぐらいが言葉を掛けてそう思い込ませればいい」


と言った。

そして、望は


「アレックスさん? 貴方は髪が無くなったと思っているが本当はあるんだ……寧ろこんなに若いのに無くなるわけがない……今頭がツルツルするのは気のせいだ……髪があるが思い込んでしまったが為に鏡でも髪の毛が無くなったと思い込んでいるんだよ」


とボソっと言った。

アレックスは


「俺は……髪が……ある……」


とボーっとしながら話す。

望は


「そうだ……本当は髪の毛はあるんだ……どうした無いと思ったんだい?」


と聞くとアレックスは


「女騎士が……俺に禿と……言った……それで頭を触ると髪が無かった……鏡でも髪が無いのを確認……した……」


と言った。

それを聞いて望は


「だがそれはあの国の城にいた者だろ? それなら信じる必要はない……現にアンジェリスやレベッカ、和子と剣子と俺は何も言わなかっただろ?」


と言った。

アレックスは


「……確かに……だけど様子が……」


と言った。

すると望は


「こんな状況さ……多少様子が変になってもおかしくない……自分の頭に髪があると信じるんだ……そうすれば自分の頭に触れた時髪がある事が分かるよ?」


と言った。

それを聞いてアレックスは頭を触ると


「やっぱり……ない……」


と言った。

それを聞いて望は


「それはまだアレックスさんが自分の髪が完全にあると信じ込んでからだよ……あると思えば頭がツルツルすることなんてあり得ないんだ……そう、もっと信じ込むんだ……自分には髪がある、ほら言ってごらん?」


と言うとアレックスは


「俺には……髪がある」


と言った。

そして望は手にライズと自分の髪を持ちそれをアレックスの手に触れさせる。


「ある……髪が……ある」


と言った。

そして望は


「さあ、鏡を見ようか……」


と言うと望は鏡をアレックスに見せる。

すると


「……ない……髪がない」


とトンスラの自分の頭が鏡に映り目を逸らす。

望は


「それはアレックスさんがまだ髪がないと思い込んでいる部分があるからですよ……もっと信じるんです……そうすればそんな頭は絶対に見えません」


と言って再び信じ込ませるように言い聞かせる。

そして


「復唱してください、俺は髪がある」

「俺は……髪がある」


と言った。

望は


「もう一度……」


と言ってアレックスは何度も何度も髪があると言い続けた。

そして望は、


「早く……鏡に髪貼って」


と言ってアレックスの意識が復唱に費やしている間にベナに頼む。

ベナも急いで鏡に髪を貼った。

そして


「さ、もういいだろ……鏡を見ようか?」


と言ってすぐにアレックスに鏡を見せると


「あああ……あああああ!! 髪が! 俺の髪がああああ!!」


と言って涙を流して喜ぶ。

そこにはあまりにも不格好な髪をしたアレックスが写っていた。

もちろん鏡に張り付けただけなので明らかにデマである貼り方であった。

しかし、髪が消えたと思ったアレックスの心に癒しを与えた。

そして望は最後に


「アレックスさん? 誰が何と言おうと髪の毛はあるんです……アレックスさんの頭には髪の毛があるんです……信じるんです……誰が何と言おうと……そうすれば禿に見える事は無いでしょう」


と言ってアレックスはそれを聞いた。


「ああ! 分かった!」


と言って嬉しそうにする。

そして望は再び髪が貼っていない鏡を見せて


「これに見えるのは誰ですか?」


と言った。

そこにはトンスラの頭をしたアレックスがいたが


「フ! イカした髪をしたアレックスさ!」


と嬉しそうに言った。

望は


「よくできました!」


と言って誇らしげにした。

望はガッツポーズをした。

アンジェリスは


「何その多芸っぷり」


と言って残念そうにしていた。

ライズは少し不満そうにしていた。

そして、ベナを呼んだ。


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ベナは


「何? どうしたの?」


と聞くとライズは


「あのさ……俺途中から思ったんだが……俊敏性犬のウイルスと血液のワクチンで髪も再生で来たんじゃねえのか?」


と言った。

それを聞いてベナは


「それはどうかしら……実際禿のゾンビもいたみたいだし……」


と言った。

それを聞いてライズは


「いったいどこに?」


と聞いてベナは


「望達がバスに降りたときに交戦したそうよ……望がヤバかったらしいけど……」


と言った。

ライズは


「……そうか……」


と呆れたように言った。

医務室には嬉しそうな声が広がっていた。

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