175Dead『治療不可能』
ベナは激怒した。
「どういう事!! どうして治せないの!!」
胸倉を掴まれたオールバックの男は
「だってしょうがないでしょう!! そもそも元がもうだめなんですから!!」
と冷や汗を垂らしながら言った。
ベナは
「なら代わりの物を用意すればいい話でしょ!! ライズ!」
と怒る。
ライズは
「代わりの物も無いよ!! そんなもんあるわけないだろ!!」
と怒る。
ベナはそれを聞いて
「なんでないのよ!! あんた研究者でもあるし医師免許もあるんでしょ! ならそういうのもちゃんと用意してなさいよ!!」
と怒った。
ライズは
「こんな世界になって持ってくるわけないでしょ!! こんなのどうやって予測するんだ! 毛根の代わりを用意なんて!!」
と言った。
アレックスの毛根は重症でレーザーにより毛根ごとやられて永久脱毛してしまったのであった。
その為、毛根を植え付けるか鬘を被るかのどちらかになってしまったのであった。
ちなみに、望はただの乗り物酔いの為、そこらへんで寝かされている。
ベナは
「私達は……どうしようもないって言うの……」
と悲しそうにする。
ライズは
「いや……そんな悲しい表情しなくてもいいんじゃないっすか……何ガチ泣きしてるんすか……」
と呆れたように言った。
それを聞いて
「じゃああんたも禿なさいよ!」
と言ってバリカンを用意した。
それを見てライズは
「ちょ!! 止めろ!! 悪かったって!! そこまでせんでも!!」
と言って慌てていると
ガシ!!
と後ろから誰かに押さえられる。
そして、後ろを見ると
「今だ!! 今の内にバリカンで剃ってしまうんだ!!」
と望が言った。
ライズは
「て! てえめええ!! いつの間に!!」
と言った。
ベナは
「よくやったわ!! ついでにあんたの髪も剃って上げる!」
と言ってライズのオールバックの髪を
バリバリバリイイイ!!
と剃っていった。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
と悲鳴が聞こえた。
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そして
「で……望も髪を剃ったんだ……スッキリしたね……」
とアンジェリスは言った。
望は
「いやあ、坊主って、いつもはスポーツ刈りだから新鮮だよ!」
と頭を触りながら嬉しそうに語った。
だが、
「俺の髪が……髪があああ……」
と泣きそうになりながらライズは俯いていた。
そして、和子は
「で……アレックスさんの髪は?」
と聞くとベナは
「レーザーのせいで毛根が抜けていたわ……手の打ちようとしては毛根を植え付けて生やすか鬘を被るかになるんだけど……どっちもこの研究所ではなかったの……」
と言った。
剣子は
「では……やはりアレックスさんはここでリタイアするしかないという事か……」
と寂しそうに言った。
ベナも
「そうね……二人の髪を剃って鬘でも作れるかと思ったんだけど……素人ね……髪がバラバラで出来る気がしないわ……」
と言った。
それを聞いてライズは
「だったらなんで剃るんだよ!! ふざけるなよ!!」
と泣きながら言った。
望は
「まあまあ、超ガッタガタですけど似合ってますよ! よ! イケメン!」
と言って持ち上げるが
「てめえに言われても嬉しかねえよ!!」
と言った。
レベッカは
「でもまさか髪でリタイア何て……さすがのアレックスもそれでは面目丸潰れね……どうにか出来ないかしら……」
と悩んでいた。
すると
「なら生えていると思い込ませればいいんじゃね?」
と望は言った。
それを聞いてアンジェリスは
「あんたさあ……自分が原因のくせに簡単にそんなこと言わないでよ……そもそもどうやって髪があると思い込ませるの? 催眠術でも掛けるわけ?」
と呆れるように言った。
望は
「それそれ!」
と言った。
和子は
「あのね希咲? そんなこと誰が出来るの?」
と言った。
すると
「俺一応はピッキングと昆虫食以外にそういうのはお父さんに教えて貰ったよ」
と言った。
それを聞いて剣子は
「なんの為に……」
と聞くと
「いざって時はそれを使って生活するようにって、あの人たちは例えどれだけの人に迷惑が掛かったとしても自分の子供たちが生活できるようにすることしか考えてなかったからね、話してた妹の成長の一旦でもあるんだよなあ」
と言った。
それを聞いてアンジェリスは
「催眠術って一体なんで覚えてるの……あんたのお父さん……」
と聞くと
「冤罪だろうが冤罪でなかろうが催眠術は最高の自白剤って言ってたぞ?」
と言った。
それを聞いて周りは
「「「「「「悪徳警官が!!」」」」」
と言った。
そして望は
「で? どうする? やってみる?」
と聞くとレベッカは
「うーん……まあ……そうねえ……ちょっとやってみて……」
と取り敢えずは許可が出た。
望は
「良し来た!」
と言ってアレックスの寝ている医務室へと向かった。




