152Dead『現実の力』
アンジェリスは震えながら
「あんた……何てことしてんの……」
と言った。
望は
「あいつ等があまりにもムカついたんだもん……無理……さすがに無理」
と言って何か目が病んだ状態であった。
アンジェリスは
「てか! そんなこと出来るなら! ゴキブリに喰われて死ねばいいじゃない!!」
と言った。
望はアンジェリスを見て
「本当にそれをしなかったと思うか?」
と言った。
アンジェリスは
「はい?」
と疑問に思い
「え? 自分でも何で言ってしまったのか分からないけど……え? 試したの?」
と聞いた。
望は
「うん」
と頷く。
アンジェリスは
「いつ?」
と聞くと
「ゴキブリ共が飛び出た瞬間」
と言った。
アンジェリスは
(ああ……あの時か……)
と納得した。
(確かにあの時は望の姿が消えて声も羽の音で聞こえなかったけど……まさかあの時にすでに試したなんて……そういう部分は本当に抜かりないわね……)
と呆れた。
そして、アンジェリスは
(でも何で? 多分望も同じ疑問を持っているだろうけど……何で望の言う事を聞くはずのゴキブリ達がその命令だけは聞かないの? 主人の命を奪う行為だから? それが理由なんだろうか? でもどうだろう……? それ以外にも何かあるような気がしてならない……)
と頭を悩ませていた。
だが、アンジェリスの違和感は当たっていた。
実は望はゴキブリを操れていると勘違いしていたのであった。
望はあの訓練時ゴキブリに群がられて拒絶反応で気絶をしていた。
そして、あまりにも体が拒絶をし過ぎてゴキブリを引き離そうとゴキブリが嫌がるような臭いを体が出してしまいただただ近寄らなくなっただけであった。
完全に成功して操れるのは瑛代だけであった。
ゴキブリが望に近づいたとき望自身が拒絶せず近寄ろうとした時臭いが消えてしまうのであった。
つまりただただ特異体質になっていただけで近づかせることが出来たり離れさせることぐらいであった。
しかし、村で操られていたのは理由があった。
俊敏性犬が望の代わりに操っていたのであった。
俊敏性犬は船の時にゾンビ達を操った応用として望の言う事を聞くように脳から電波で命令したのであった。
だが、もちろん俊敏性犬は望の命を守る為で、ゴキブリ達に命を奪う行為そのものを禁じる命令を送りゴキブリ達は望を襲う事だけは聞かなかったのであった。
つまり、望は俊敏性犬の命令のお陰で間接的にゴキブリを操っていただけで本当に出来ることはゴキブリを近づけない事や近づける事ぐらいであった。
当然本来の日常ではゴキブリを操ることはない上、出会っても離れるようにするか追い払う程度で臭いにどうにかなってしまった為、望自身気づくことはなかった。
気付いたのは妹の瑛代だけであった。
瑛代は
(あ、お兄ちゃん私みたいに境地に辿り着けてない……ま! いいか!)
と放って置かれてしまったのであった。
そして、この事実に望自身が気づくことは無い。
望は気づかないまま
(糞……俊敏性犬と同じくこういう事ぐらいにしか役に立たん……俺は別にこの世界のことなんぞどうでもいい……さっさと死ぬかゾンビになることが目的なのに……次回に期待するしかないのか……)
と取り敢えず次のチャンスを伺っていた。
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そして、望とアンジェリスと俊敏性犬は和子と剣子とレベッカとアレックスに追いついた。
アンジェリスは姿を見て
「あ! 和……」
と言い終わる前に
「シ……」
と言って口を塞がれる。
望は
「? 何かあった?」
と聞くと剣子は指をさす。
そして、そこを望が見ると研究所の門らしきところにゴツイ体の男が二人立っていた。
二人とも同じ顔つきでどっちがどっちなのか分からなくなるぐらいであった。
望は
「何……またならず者が門守ってんの? もうならず者門番でトレンド入りしてんじゃね? 調べて……そんなバカな!! 画面が表示されない!」
と勝手にスマホを弄って勝手に驚いていた。
和子は
「あ……はいはい……そうね……大変だね……」
と適当に流した。
望は
「もういいだろ? どうせここに居たって意味ないんだ」
と言って動き出した。
レベッカは
「ちょ、希咲! 何を!!」
という前に望はならず者らしき人物たちに
「ちょっとそこ通りますよおお」
と言って門を潜ろうとした。
当然
「待て」
と止められた。
望は
「? 何か?」
と言うと
「俺達がいる限りここを通すつもりはない」
とニヤリと笑いながら言った。
そして、もう一人の男は
「ここを通りたければ俺達を倒すことだな!」
と言った。
望は
「おい! 止めろ!」
と言った。
すると
「は! 止めろ! 俺達がそんな言葉を受け入れるとでも?」
「そんなバカなことをするわけないだろ?」
と言った。
望は
「そうじゃない! そのセリフはヤバい! 止めるんだ!!」
と言った。
男達は互いに見やって
「ハハハハアハハッハ!!」
「ハハハハハアアハハハハ!!」
と笑った。
そして
「なんだ? セリフがどうした!」
「ビビッておしっこ漏れそうか? 弱虫め!」
と言った。
望は
「違うって! その言葉は俺等の国ではフラグと言う呪いで!」
と説明しようとしてもならず者二人は
「なんだ? 呪いで死んじまうのか!」
「言っておくが俺達、強いぜ?」
と言った。
望は
「だからそんな噛ませ犬宣言を止めろって……」
と言い終わる前に
バン!!
ズシャ!!
と一人は脳天を撃ち抜かれ
一人は剣子が体をバッサリと斬っていた。
そのまま二人は動かなくなった。
望は
「だからそんな噛ませ犬力を上げるなって言おうとしたのに……」
と言った。
和子は
「まあまあ、君が馬鹿なことを言って油断させてくれたおかげで楽に倒せたよ」
と笑った。
剣子も
「ま、こいつはこういう事をすると運が良ければ役に立つからな」
と言った。
レベッカもアレックスも
「もう、何も言えないわ」
「ああ、ああなっちまったのは世間が悪い」
と言った。
そして、和子は
「アンジェリスちゃん、俊敏性犬、お疲れ! どうだった?」
と聞くとアンジェリスは
「望のせいでまた罪のないたくさんの命が……」
と言った。
和子は
「また~」
と呆れたように言って剣子は
「いい加減にしろよ、この大量殺人鬼」
と言った。
望は
「はあ! ふざけんじゃねぞ! 俺がいつ大量殺人したんだ! さっきの村のヤバい連中ぐらいだろ!」
と言った。
アンジェリスは
「なんで自覚無いの? このサイコ野郎は」
と呆れたように言った。




